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第10期介護保険事業(支援)計画の策定に向けた事前準備に関する留意事項について
事務連絡

第10期介護保険事業(支援)計画の策定に向けた事前準備に関する留意事項について (事務連絡)

発出日:令和8年3月26日
更新日:令和8年3月26日
事務連絡
令和8年3月26日
 
 
各都道府県介護保険主管部(局)御中
 
 
厚生労働省老健局総務課
厚生労働省老健局介護保険計画課
厚生労働省老健局高齢者支援課
厚生労働省老健局認知症施策・地域介護推進課
厚生労働省老健局老人保健課
 
 
第10期介護保険事業(支援)計画の策定に向けた事前準備に関する留意事項について
 
 
日頃より、介護保険行政の適正な運営に尽力いただき、御礼申し上げます。
昨年12月25日に社会保障審議会介護保険部会でとりまとめられた「介護保険制度の見直しに関する意見」(以下「意見書」という。)においては、2040年には、介護と医療の複合ニーズを抱える85歳以上人口、認知症高齢者、独居の高齢者等の増加と同時に、生産年齢人口の減少が見込まれる中、地域の規模によって高齢化・人口減少のスピードに大きな差が生じること等も踏まえ、地域の状況に応じた、きめ細かな対応が求められている。このような地域ごとの中長期的な人口動態や介護ニーズの見込み等を踏まえて、都道府県、市町村、地域の関係者が現状や課題について共通認識をもった上で、介護サービスの提供体制を確保するための方策や目指すべき方向性について、地域の実情に応じて、2040年に向けて地域包括ケアシステムを深化させ、医療・介護の一層の連携を図り、介護人材の確保、介護現場の生産性の向上を図るための取組等を十分に勘案した上で、具体的な取組や目標を介護保険事業(支援)計画に定めることが重要である。
このようなことを踏まえ、介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための指針(以下「基本指針」という。)の構成(イメージ)について、本年3月9日開催の第134回社会保障審議会介護保険部会において、意見書の内容を踏まえた形として提示した上でご議論いただき、当該議論の内容や第10期介護保険事業(支援)計画(以下「第10期計画」という。)における基本的な考え方や方向性について、令和7年度全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議においてお示ししたところである。
今後、各都道府県及び市町村において、第10期計画の策定に向けて具体的な検討を進めていただくこととなるが、上記のとおり、第10期計画の策定に当たっては、都道府県、市町村、地域の関係者が現状や課題について共通認識をもった上で取り組むことが、これまで以上に重要となるため、第10期計画の策定が本格化する前に、都道府県の積極的な関与の下、あらかじめ取り組んでいただきたい事項について、下記のとおりお示しするので、管内市町村(特別区を含む。)に対して周知をお願いするとともに、第10期計画の策定に向けて、遺漏なきようご対応をお願いする。
 
(参考)第134回社会保障審議会介護保険部会(本年3月9日)資料
・資料1-1 基本指針について
・資料1-2 基本指針の構成について
 
 
 
 
第10期計画の策定に当たっては、第9期計画期間における実績等を踏まえつつ、地域の中長期的な人口動態や介護ニーズの見込み等を適切に捉え、地域の実情に応じて、介護サービス提供体制を計画的に確保していく必要がある。その際、市町村単位を基本とした上で、必要に応じて、都道府県が積極的に関与しながら、近隣の市町村を含めた広域的な観点から議論することが重要である。
第10期計画期間に係る基本指針の見直し案や令和9年度介護報酬改定の具体的な内容については、今後、国における議論が行われる予定であり、これに対応する形で、各市町村における次期介護保険事業(支援)計画の策定作業については、例年、計画期間開始の前年度の夏以降に本格化することとなるが、中長期的な推計に基づくサービス提供体制の計画的かつ広域的な議論を進めることができるよう、都道府県及び市町村は、第10期計画策定に向けて、次の論点について令和8年度当初から必要なデータの整理、地域分析等を行い、本年夏頃(7月を目途)に都道府県・市町村間で課題認識等の共有・意見交換を行うなど、都道府県及び市町村でよく連携しながら、別添資料の手順も踏まえて、2040年を見据えた第10期計画の策定に取り組むこと。
なお、第10期計画の策定において様々な取組等をお願いすることを踏まえ、今後、国における都道府県の計画策定支援を検討している。また、本事務連絡を踏まえた取組状況について、例年実施している各地方厚生(支)局における介護保険事業計画に関する都道府県ヒアリングに合わせて、フォローアップを予定しているので、ご協力をお願いする。
 
1.介護サービスの種類ごとの量に関する中長期的な推計について(別添資料4頁、5頁)
(1)基本的な考え方
・ 第10期計画及び中長期的なサービス提供体制の確保に向けた議論の基礎となる地域のサービス提供の実態や課題及び中長期的な状況について、市町村は、市町村全体及び地区・地域別の状況を確認すること。
・ その際、サービス見込量は、2040年度を含む中長期的な推計を確認すること。
・ 当該現状及び中長期的な状況の確認・分析に当たっては、既存の各種政府統計や地域包括ケア「見える化」システム等を活用するほか、第134回社会保障審議会介護保険部会資料1-1の11頁でお示ししている「介護保険事業(支援)計画の策定に当たって確認すべき指標・状況」を参考とすること。
(2)確認・検討すべき主な事項(一例)
・ 第9期計画期間の計画と実績を確認し、乖離要因等の評価やサービス提供体制に関する足下の課題分析を行うこと。
・ 中長期の人口や見込量推計を確認し、現在の事業所の分布・稼働状況等を勘案し、足下のサービス提供体制に関する課題を踏まえ、今後の目指すべき方向性について、地域の関係者を含めて議論すること。
・上記を踏まえ、中長期的なサービス提供体制の確保に関して、具体的に取り組むべき事項について議論すること。
(3)都道府県・市町村間の連携等
・ 都道府県は、管内市町村が共通の観点で円滑に上記の分析等を行うことができるよう、本年4月頃に、市町村に対してあらかじめ分析の観点や手法を示した上でサービス提供の実態等の確認や推計の実施を要請するなど、適宜市町村に対する支援を行うこと。
・ また、都道府県は、市町村における(2)の確認・検討すべき事項等の検討状況の確認及び課題の共有等のため、本年夏頃(7月を目途)として、管内市町村との意見交換(ヒアリング)を行うこと。
・ 当該意見交換は、市町村単独ではサービス確保が困難、隣接する市町村に所在する事業所が主たる担い手になっている等の場合には、必要に応じて、老人福祉圏域単位や隣接する市町村等を含めた会議体とするなど、広域的な開催とすること。
 
2.地域の分類に基づくサービス提供体制の確保に向けた議論について(別添資料4頁、6頁)
(1)基本的な考え方
・ 意見書に盛り込まれた、中山間・人口減少地域におけるサービス提供体制の確保に関する方策については、今後、国の社会保障審議会介護給付費分科会等において、中山間・人口減少地域の範囲や、配置基準・報酬等の詳細について、具体化に向けた検討を進めていくが、第10期計画の策定においては、介護サービスの種類ごとの量に関する中長期的な推計(1.参照)と併せて、地域毎のサービス提供の課題に係る実態を把握し、対応の検討を早期に開始することが重要である。
(2)確認・検討すべき主な事項(一例)
・ 都道府県においては、管内市町村における基準該当サービスや離島等相当サービス等の実施状況、特別地域加算の実施状況、介護サービス事業所・施設数やその変動状況を確認すること(※1)
・ その上で、これらの状況や管内の地域特性を鑑みて、特にサービス提供に課題を有していることが見込まれる又は今後サービス提供に課題が生じることが見込まれる市町村(※2)について各サービス種別ごとの介護サービスの提供状況の現状(※3)、当該市町村における介護サービス事業所・施設の運営状況(※4)等について、市町村を通じた把握を行うこと。
(※1)管内市町村における介護サービス事業所・施設(基準該当サービスを含む。)の把握は、各都道府県で管理している事業所台帳管理システム等を活用することが考えられる。
(※2)例えば、訪問介護等、介護サービス事業所・施設数が減少している市町村や、介護サービス事業所・施設が僅少な市町村が考えられる。
(※3)例えば、当該市町村内に特定の介護サービス類型の事業所・施設が存在しない場合に、どのようにサービス提供が行われているか等が考えられる。
(※4)例えば、訪問介護等について、利用者宅間の移動に係る負担や季節による繁閑、職員確保の困難さ等から、赤字が継続していないかどうか、配置基準を満たすための職員の確保が困難となっていないかどうか等、経営状況や人員体制の状況を把握することが考えられる。
(3)都道府県・市町村間の連携等
・ 都道府県は、(2)に掲げた介護サービスの提供状況等の把握に向けて、本年4月頃に、市町村に対して必要な依頼等を行うとともに、市町村における必要な実態把握や検討等が進むよう、適宜支援を行うこと。
・ また、都道府県は、本年夏頃(7月を目途)に、第9期における取組の振り返りや地域分析等に基づく、サービス提供に係る市町村の課題認識を確認するとともに、従来の対応を確認しつつ、サービス確保の今後の在り方について市町村と議論を開始すること。
・ その上で、特例介護サービスの新たな類型の導入に係る検討の要否も含め、都道府県・市町村間で調整を行い、第10期計画において、中山間・人口減少地域の実情に応じたサービス提供体制の在り方の方向性について記載すること。
 
3.医療・介護連携の推進について(別添資料4頁、7頁)
(1)基本的な考え方
・ 2040年にかけて、介護と医療の複合ニーズを有する85歳以上の高齢者が一貫して増加することを踏まえ、適切な医療・介護サービスの受け皿を確保するため、2040年に向けた医療・介護連携に係る提供体制等について、各地域において検討を行うことが必要である。
(2)確認・検討すべき主な事項(一例)
・ 2040年に向けた医療・介護連携に係る提供体制等について実効性を伴う形で議論するため、地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針に基づく医療と介護の協議の場その他これに類する会議(以下「協議の場等」という。)を介護保険事業計画の策定の初期の段階で開催すること。
・ 慢性期の医療需要に対応する医療・介護提供状況やその課題について関係者での共有を図ること。
・ 介護保険施設の協力医療機関の確保について、協力医療機関を確保できていない施設をリスト化し、マッチングに向けた議論を行うこと。
(3)都道府県・市町村間の連携等
・ 都道府県は、本年4月頃に、協議の場等の開催予定時期を事前に周知するなど、適宜市町村に対する支援を行うこと。
・ また、協議の場等の開催や地域医療構想との連携等については、介護保険主管部(局)・衛生主管部(局)間で連携・調整を行うこと。
・ 本項については、医政局とも協議済であり、衛生主管部(局)にその旨伝えていただいて差し支えないこと。
 
4.高齢者向け住まいの設置状況等の勘案について(別添資料4頁、8頁)
(1)基本的な考え方
・ 有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(以下「サ高住」という。)が多様な介護ニーズの受け皿となっている状況を踏まえ、第10期計画の策定においては、これらの入居定員総数や、要介護者の人数、利用状況等も踏まえて、介護ニーズの見込み等を定める必要がある。
(2)確認・検討すべき主な事項(一例)
・ 都道府県においては、把握している(1)に記載の情報を市町村に提供すること。
・ 市町村においては、都道府県から提供された有料老人ホームやサ高住における入居定員総数等の情報を踏まえ、在宅サービス利用者のうち高齢者向け住まい入居者の概数を可視化し、これを、特定施設入居者生活介護をはじめとする介護サービスの見込み等を定める参考とすること。
(3)都道府県・市町村間の連携等
・ 都道府県は、本年4月頃に、有料老人ホームやサ高住における入居定員総数等を踏まえて介護サービスの見込量を定めることの要請や、必要なデータの提供を行う時期を事前に周知するなど、適宜市町村に対する支援を行うこと。
・ また、都道府県は、本年夏頃(7月を目途)に、有料老人ホーム・サ高住における入居定員総数等のデータを市町村に提供すること。
 
5.介護人材確保と職場環境改善に向けた生産性向上、経営改善支援等について(別添資料4頁、9頁)
(1)基本的な考え方
・ 介護サービス需要が更に高まる一方で、生産年齢人口の減少が見込まれる中、介護サービスの提供やその体制の確保のため、人材確保・生産性向上・経営改善支援について一体的に推進することが必要である。
(2)確認・検討すべき主な事項(一例)、都道府県・市町村間の連携等
・ 介護人材確保に向けては、都道府県においては、介護人材確保に係る定量的な目標とその時期等を設定し、地域の実情を踏まえて、その達成に向けて重点的に取り組む事項を明確化し、これらを計画素案に反映すること。その際、①多様な人材の確保・育成、②離職防止・定着促進・生産性向上、経営基盤の強化、③介護職の魅力向上、④外国人介護人材の受入環境整備など総合的に取組を進めることが重要であることから、これらも踏まえて具体的な目標を掲げること。
・ 市町村においては、介護人材確保の取組を行うに当たっては、①多様な人材の確保・育成、②離職防止・定着促進・生産性向上、経営基盤の強化、③介護職の魅力向上、④外国人介護人材の受入環境整備などについて、具体的な目標を掲げ、都道府県と連携して取組を行うことが重要であるため、県の取組状況も踏まえ、必要に応じて記載すること。
・ 生産性向上・経営改善支援等に向けては、都道府県において、目標(KPI)を設定し、その達成に向けて各都道府県のワンストップ型の窓口である介護生産性向上総合相談センターにおける取組事項等、重点的に取り組む事項を明確化すること。その際、生産性向上等の取組を戦略的に推進するための協議体である都道府県介護現場革新会議等において、都道府県が主体となり、地域の課題、現在実施している支援策の内容等を整理すること。なお、都道府県介護現場革新会議において議論を行い、すでにKPIを設定している場合には、当該KPIを計画の目標として差し支えない。
・ 経営改善支援に関する目標や取組事項については、県内事業者における協働化の取組件数や支援機関が連携して実施する相談対応件数等が想定されるが、都道府県の実情に応じた目標や取組事項を定めること。なお、介護事業者への経営改善支援については、今年度実施中の老人保健健康増進等事業「介護事業者の経営支援モデル事業」の報告書等が来年度上期までに発出される予定であるため、参考とされたい。
・ 市町村においては、必要に応じて都道府県介護現場革新会議等に参加するとともに、県の取組状況も踏まえ、必要に応じて取組事項を記載すること。
 
6.認知症施策の推進について(別添資料4頁、10頁)
(1)基本的な考え方
・ 都道府県及び市町村において、認知症の人の社会参加の場や必要な保健医療サービス及び介護サービス等について、データを活用して現状を確認し、共生社会を実現するために必要な今後の具体的な取組を定めて記載すること。
(2)確認・検討すべき主な事項(一例)、都道府県・市町村間の連携等
・ 認知症の人と家族等の参画を得ながら、
① 社会参加の機会の確保に向けた取組(認知症カフェや本人ミーティング、ピアサポート活動といった社会参加の機会・場)
② 若年性認知症支援コーディネーターや認知症地域支援推進員の配置
③ 医療・介護の体制(初期集中支援チームや認知症サポート医、認知症疾患医療センター等)
について、認知症の人の推計や「見える化」システムを活用した人口推計、サービス見込量等のデータを活用しながら、各都道府県内又は各市町村内における設置箇所数や活用状況、果たしている機能、現状のニーズと今後の見込み等の現状を確認し、都道府県又は市町村として考える今後の姿を示し、その姿の実現に必要となる具体的な取組を定めること。
・ 都道府県と市町村のそれぞれにおいて把握した現状や今後の姿について突合し、それぞれの視点から、認知症に対する医療・介護の体制について、
① 介護保険事業(支援)計画の策定の際に都道府県と市町村で話す場
② 協議の場等
などを活用して確認を行うこと
・ 例えば、各医療・介護資源の地域偏在や、利用状況から見える必要とされる機能の確認、市町村から見たアクセスの状況などを確認することを通して、都道府県と市町村の役割分担の下で、必要な支援体制を議論すること。
・ 各都道府県においては、議論が円滑に進むよう、市町村に活用可能なデータや議論に必要な視点などを事前に共有し、適切な市町村支援を行うこと。
・ こうした中で、認知症の人や家族等と出会い、対話し、意見を交換して認識の共有を踏まえた上で、共生社会の実現を推進するための認知症基本法(令和5年法律第65号)及び認知症施策推進基本計画(令和6年12月3日閣議決定)の基本的施策に基づき第10期計画を策定すること。
 
 

第10期介護保険事業(支援)計画における手順について【令和8年度】

①介護サービスの種類ごとの量に関する中長期的な推計

②地域の分類に基づくサービス提供体制の確保

③医療・介護連携の推進

④高齢者向け住まいの設置状況等の勘案

⑤介護人材確保と職場環境改善に向けた生産性向上、経営改善支援等

⑥認知症施策の推進
 
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