利用者のADL(寝返り、起き上がり、移乗、歩行、着衣、入浴、排せつ等)及びIADL(調理、掃除、買物、金銭管理、服薬状況等)に関する利用者の状況及びその改善可能性の評価(以下「生活機能アセスメント」という。)を行った上で、訪問介護計画には、生活機能アセスメントの結果のほか、次に掲げるその他の日々の暮らしの中で必要な機能の向上に資する内容を記載しなければならないことから、外部の理学療法士等は、生活機能アセスメントに留意した助言を行うことが求められる。
① 利用者が日々の暮らしの中で可能な限り自立して行おうとする行為の内容
② 生活機能アセスメントの結果に基づき、①の内容について定めた3月を目途とする達成目標
③ ②の目標を達成するために経過的に達成すべき各月の目標
④ ②及び③の目標を達成するために訪問介護員等が行う介助等の内容
ICTを活用した動画やテレビ電話を用いる場合については、具体的には次のような方法が考えられる。
① 訪問介護事業所のサービス提供責任者と外部の理学療法士等が、リアルタイムでのコミュニケーション(ビデオ通話)が可能な情報通信機器を用いて、外部の理学療法士等が利用者のADL及びIADLの状況を把握すること。なお、通信時間等の調整を行い、当該利用者の自宅(生活の場・介護現場)にてビデオ通話を行うこと。
② 訪問介護事業所のサービス提供責任者と外部の理学療法士等が、あらかじめ、動画によって利用者のADL及びIADLの状況について適切に把握することができるよう、動画の撮影方法及び撮影内容を調整した上で、訪問介護事業所のサービス提供責任者が利用者宅で動画撮影を行い、当該動画データを外部の理学療法士等に提供することにより、外部の理学療法士等が利用者のADL及びIADLの状況を把握すること。なお、当該利用者のADL及びIADLの動画内容は、当該利用者の自宅(生活の場・介護現場)の環境状況、動作の一連の動き等がわかるように撮影すること。
また、実施に当たっては、利用者の同意を取るとともに、個人情報の適切な取扱いに留意することが必要である。SNS(SocialNetworkingService)の利用については、セキュリティが十分に確保されていないサービスもあることから、一般社団法人保健医療福祉情報安全管理適合性評価協会(HISPRO)が公表している「医療情報連携において、SNSを利用する際に気を付けるべき事項」を参考に、適切な対策を講じることが適当である。なお、外部の理学療法士等が、保険医療機関の電子カルテなどを含む医療情報システムと共通のネットワーク上の端末を利用して行う場合には、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(第5版)」(平成29年5月)に対応していることが必要である。
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