公益社団法人 全国老人保健施設協会 > 法令・Q&A検索システム
全老健介護保険制度情報サービス > 法令・省令詳細
[表示中の法令・QA等]
病床ひっ迫時における在宅要介護高齢者が感染した場合の留意点等について
事務連絡
病床ひっ迫時における在宅要介護高齢者が感染した場合の留意点等について
事務連絡
病床ひっ迫時における在宅要介護高齢者が感染した場合の留意点等について (事務連絡)
発出日:令和3年2月5日
更新日:令和3年2月5日
更新日:令和3年2月5日
事 務 連 絡
令和3年2月5日
|
各
|
都道府県
保健所設置市
特 別 区
|
衛生主管部(局) 御中
|
各
|
都道府県
指定都市
中 核 市
|
介護保険担当主管部(局) 御中
|
厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策本部
厚生労働省老健局高齢者支援課
厚生労働省老健局認知症施策・地域介護推進課
厚生労働省老健局老人保健課
|
病床ひっ迫時における在宅要介護高齢者が感染した場合の留意点等について
介護サービス事業所における新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた取組については、「社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点について(その2)」(令和2年4月7日付厚生労働省健康局結核感染症課ほか連名事務連絡、同年10月15日付一部改正)等においてお示ししているところです。
また、高齢者については、施設に入所している者や在宅の要介護高齢者(要支援高齢者を含む。以下同じ。)も含め感染した場合には、原則入院としているところですが、感染が拡大し、医療への負荷が高まっている中で、病床確保や都道府県全体の入院調整に最大限努力したうえで、なお、病床がひっ迫する場合には、高齢者等のうち、医師が入院の必要がないと判断した場合は宿泊療養(適切な場合は自宅療養)としても差し支えないこととしているところです。(「11月以降の感染状況を踏まえた病床・宿泊療養施設確保計画に基づく病床・宿泊療養施設の確保及び入院措置の対象について(要請)」(令和2年11月22日付け厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部事務連絡))。
今般、入院数は依然として高い水準で推移していることも踏まえ、在宅の要介護高齢者が新型コロナウイルス感染症に感染した場合であって、やむを得ず、自宅療養を行う場合の留意事項等について下記のとおり整理しましたので、適切に対応いただくとともに、管内の市町村、介護サービス事業所に対して周知をお願いします。
記
1.都道府県等の衛生部局における取組
○ 病床ひっ迫時については、在宅の要介護高齢者が感染した場合についても、やむを得ず自宅療養となる場合が想定されるが、症状に変化があった場合に、速やかにこれを把握し、医療機関等につなぐことが重要であるため、都道府県、保健所設置市、特別区(以下、「都道府県等」という。)の衛生部局においては、要介護高齢者について自宅療養を行う場合に当たっては、「新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る自宅療養の実施に関する留意事項(第4版)(令和2年8月7日改訂)」等に留意すること。
2.居宅介護支援事業所等及び訪問系の介護サービス事業所における取組
○ 病床ひっ迫時には、在宅の要介護高齢者が感染した場合についても、やむを得ず自宅療養となる場合が想定される。
○ 自宅療養にあたっては、「新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る自宅療養の実施に関する留意事項(第4版)(令和2年8月7日改訂)」等を踏まえ都道府県等においてフォローアップ等がなされるが、当該要介護高齢者については、居宅介護支援事業所及び地域包括支援センター(以下、「居宅介護支援事業所等」という。)が、必要に応じて保健所と相談し、生活に必要なサービスを確保すること。その際、保健所とよく相談した上で、訪問系の介護サービスの必要性を再度検討する。
<具体的な対応>
① 訪問系の介護サービスの必要性を検討の結果、サービスを提供することとなる場合には、訪問系の介護サービス事業所は、「社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点(その2)(一部改正)」における、別紙「社会福祉施設等(居宅を訪問して行うサービス)における感染防止に向けた対応について」の2.(4)②を参考にしつつ、特に、以下のような点について留意すること。
・ サービスの提供に当たっては、訪問時間を可能な限り短くする等、感染防止策を徹底すること。具体的には、サービス提供前後における手洗い、マスクの着用、エプロンの着用、必要時の手袋の着用、咳エチケットの徹底を行うと同時に、事業所内でもマスクを着用する等、感染機会を減らすための工夫を行うこと。
・ 感染している利用者に直接接触する場合または患者の排泄物を処理する場合等は、サージカルマスク、眼の防護具、長袖ガウン、手袋を着用すること。
・ 自宅療養中においては、都道府県等が毎日健康状態のフォローアップを行うが、サービス提供中に状態の変化等がみられた場合は、事業所は速やかに都道府県等の担当職員に連絡すること。
なお、居宅介護支援事業所等においても、同様の対応をとること。
② また、療養上の必要性の観点から、主治の医師の指示の下に、訪問看護を利用することや、訪問系の介護サービス事業所が、必要に応じて、居宅介護支援事業所等と連携しながら、看護師等の専門職の同行訪問による支援を受けること等が考えられる。具体的には、
ⅰ 近隣の医療機関・訪問看護ステーションからの派遣を検討し、
ⅱ ⅰが困難な場合には、都道府県の介護保険部局と衛生部局が連携の上、都道府県看護協会及び都道府県訪問看護連絡協議会に相談し、調整を行うこと。
③ 訪問系の介護サービス事業所の体制等によっては自ら適切なサービスを提供することが困難な場合も考えられるが、その場合であっても、保健所、居宅介護支援事業所等や、必要に応じ、市町村や都道府県にも相談し、当該利用者に必要な介護サービスが提供されるようにすること。
○ 自宅療養の解除基準については、医療機関に入院した場合と同様の基準で療養の終了が可能とされており、具体的には都道府県等に確認すること。
(参考:「新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養及び自宅療養の対象並びに自治体における対応に向けた準備について」に関するQ&Aについて(その8)(令和2年8月7日付厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部事務連絡)問12(抜粋))
○ 症状のある方(有症状者)の場合は、①又は②のいずれかを満たす場合に、宿泊療養又は自宅療養が解除されます。
①発症日から10日間経過し、かつ、症状軽快後72時間経過した場合
②発症日から10日間経過以前に症状軽快した場合に、症状軽快後に2回連続でPCR等検査(PCR検査、LAMP法検査又は抗原定量検査)の結果が陰性である場合(※)
※具体的には、症状軽快後に24時間経過した後にPCR等検査を行い、陰性が確認され、その検査の検体を採取した24時間以後に再度検体採取を行い、陰性が確認された場合となります。
○ 症状の出たことがない方(無症状病原体保有者)の場合は、③又は④のいずれかを満たす場合に、宿泊療養又は自宅療養が解除されます。
③陽性確定に係る検体採取日から10日間経過した場合
④陽性確定に係る検体採取日から6日間経過した後、2回連続でPCR等検査の結果が陰性である場合(※)
※具体的には、当該6日間経過後にPCR等検査を行い、陰性が確認され、その検査の検体を採取した24時間以後に再度検体採取を行い、陰性が確認された場合となります。
3.補正予算等による支援策
○ 感染者に対応する事業所への支援として、以下の事業等が活用可能であるため、積極的に活用すること。
(1)職員の確保等に向けた支援
令和2年度第1次補正予算において、感染者に対応した訪問系の介護サービス事業所のサービス継続に必要な費用として、消毒・清掃費用、衛生用品の購入費用や介護職員の確保に要する費用等について支援を行っており、感染者に対応した職員に対する(割増)賃金・手当の支給を含めて、柔軟に対応が可能である。
職員が不足する事業所と応援派遣の協力が可能な施設間の調整費用及び応援職員を派遣する場合の旅費や宿泊費用等については、災害福祉支援ネットワーク構築推進等事業の特別対策事業(社会福祉施設等への応援職員派遣支援事業)の活用が可能である。
これに加え、令和2年度第2次補正予算において、緊急時の応援に係るコーディネートを担う人材の確保等に係る費用に対する助成を盛り込んでいる。
(2)看護師等の専門職による同行訪問などの支援
訪問系の介護サービス事業所が感染者に対応するにあたっては、看護師等の専門職の支援を受けることも考えられる。具体的には、
① 近隣の医療機関・訪問看護ステーションからの派遣を検討し、
② ①が困難な場合には、都道府県の介護保険部局と衛生部局が連携の上、都道府県看護協会及び都道府県訪問看護連絡協議会に相談し、調整を行うこと。
これらの支援に当たっては、以下の施策が活用可能である。
ⅰ 謝金等の支払い
看護師等の専門職への謝金等の支払いに当たり、令和2年度第1次補正予算における介護サービス継続支援事業のほか、都道府県においては、地域医療介護総合確保基金(介護人材確保分)の「23.地域包括ケアシステム構築・推進に資する人材育成・資質向上事業」の活用が可能である。
一方、市町村においては、在宅医療・介護連携推進事業の「医療・介護関係者の研修」に該当することから、地域支援事業の活用が可能である。
ⅱ 看護師等の専門職の同行訪問による介護報酬算定
訪問介護事業所が看護師等の専門職の同行訪問による支援を受ける場合、利用者又はその家族等の同意を得たときには、2人の訪問介護員等による訪問を行った場合と同様に、100分の200に相当する単位数を算定可能である。
(3)感染症対策として必要となる衛生用品等の供給について
介護サービス事業所等における感染症対策として必要となる衛生用品等については、感染が発生した介護施設等に対して、マスク、ガウン、フェイスシールド等の防護具等を速やかに供給できるよう、国で購入し、都道府県等で備蓄を行っているほか、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(令和2年度2次補正予算)等により、都道府県や介護施設等が事業を行う上で必要な衛生用品等を購入する場合の費用補助を行っている。
(参考)
【柱書き】
・11月以降の感染状況を踏まえた病床・宿泊療養施設確保計画に基づく病床・宿泊療養施設の確保及び入院措置の対象について(要請)(11月22日付厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部事務連絡)
【1.都道府県等の衛生部局における取組】
・新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る自宅療養の実施に関する留意事項(第4版)令和2年5月1日(令和2年8月7日改訂)
【2.居宅介護支援事業所等及び訪問系の介護サービス事業所における取組】
・「社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点について(その2)(一部改正)」(令和2年10月15日付厚生労働省健康局結核感染症課ほか連名事務連絡)
・「介護事業所等における新型コロナウイルス感染症への対応等について」
・介護事業所等向けの新型コロナウイルス感染症対策等まとめ」
【3.補正予算等による支援策】
・「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所等に対するサービス継続支援事業(令和2年度1次補正予算)について」
・「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(介護分)(令和2年度第2次補正予算)について」
・「訪問系サービス事業所の介護サービス継続に向けた支援について」
(令和2年6月15日付厚生労働省老健局総務課認知症施策推進室ほか連名事務連絡)
※ 別添「在宅要介護者の介護サービス確保に関する対応」において、ケース別対応方法等をお示ししているので活用されたい。