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リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理及び口腔管理の実施に関する基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について
老認発0316第3号 老老発0316第2号

リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理及び口腔管理の実施に関する基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について (老認発0316第3号 老老発0316第2号)

発出日:令和3年3月16日
更新日:令和3年4月22日
老認発0316第3号
老老発0316第2号
令和3年3月16日
 
各都道府県介護保険主管部(局)長 殿
 
厚生労働省老健局認知症施策・地域介護推進課長
( 公 印 省 略 )
 
厚生労働省老健局老人保健課長
( 公 印 省 略 )
 
 
リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理及び口腔管理の実施に関する
基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について
 
 
リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理及び口腔管理の実施については、「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成12年3月1日老企第36号。以下「訪問通所サービス通知」という。)、「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成12年3月8日老企第40号)、「指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成18年3月17日老計発第0317001号、老振発第0317001号、老老発第0317001号)及び「指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準及び指定地域密着型介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成18年3月31日老計発第0331005号、老振発第0331005号、老老発第0331018号)において示しているところであるが、今般、基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例を下記のとおりお示しするので、御了知の上、各都道府県におかれては、管内市町村、関係団体、関係機関等にその周知徹底を図るとともに、その取扱いに当たっては遺漏なきよう期されたい。
なお、本通知は、令和3年4月1日から適用するが、「リハビリテーションマネジメントの基本的考え方並びに加算に関する事務処理手順例及び様式例の提示」(平成18年3月27日老老発第0327001号)、「栄養マネジメント加算及び経口移行加算等に関する事務処理手順例及び様式例の提示について」(平成17年9月7日老老発第0907002号)、「口腔機能向上加算等に関する事務処理手順例及び様式例の提示について」(平成18年3月31日老老発第0331008号)、「居宅サービスにおける栄養ケア・マネジメント等に関する事務処理手順例及び様式例の提示について」(平成18年3月31日老老発第0331009号)、「通所介護及び短期入所生活介護における個別機能訓練加算に関する事務処理手順例及び様式例の提示について」(平成27年3月27日老振発0327第2号)及び「リハビリテーションマネジメント加算等に関する基本的な考え方並びにリハビリテーション計画書等の事務処理手順及び様式例の提示について」(平成30年3月22日老老発0322第2号)については、本通知を新たに発出することから廃止することにご留意されたい。
 
 
<目次>
第1 リハビリテーション・機能訓練、栄養管理及び口腔管理の一体的な実施に関する基本的な考え方及び様式例の提示について
第2 リハビリテーションマネジメント加算等の基本的考え方並びに事務処理手順例及び様式例の提示について
第3 通所介護及び短期入所生活介護における個別機能訓練加算に関する事務処理手順例及び様式例の提示について
第4 施設サービスにおける栄養ケア・マネジメント及び経口移行加算等に関する事務処理手順例及び様式例の提示について
第5 居宅サービスにおける栄養ケア・マネジメント等に関する事務処理手順例及び様式例の提示について
第6 口腔・栄養スクリーニング加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順例及び様式例の提示について
第7 口腔衛生の管理体制に関する基本的考え方並びに事務処理手順例及び様式例の提示について
第8 口腔機能向上加算等に関する事務処理手順例及び様式例の提示について
 
第1 リハビリテーション・機能訓練、栄養管理及び口腔管理の一体的な実施に関する基本的な考え方及び様式例の提示について
1 リハビリテーション・機能訓練、栄養管理及び口腔管理の一体的な実施の基本的な考え方
リハビリテーション・機能訓練と栄養管理の連携においては、筋力・持久力の向上、活動量に応じた適切な栄養摂取量の調整、低栄養の予防・改善、食欲の増進等が期待される。栄養管理と口腔管理の連携においては、適切な食事形態・摂取方法の提供、食事摂取量の維持・改善、経口摂取の維持等が期待される。口腔管理とリハビリテーション・機能訓練の連携においては、摂食・嚥下機能の維持・改善、口腔衛生や全身管理による誤嚥性肺炎の予防等が期待される。
このように、リハビリテーション・機能訓練、栄養管理及び口腔管理の取組は一体的に運用されることで、例えば、
・ リハビリテーション・機能訓練の負荷又は活動量に応じて、必要なエネルギー量や栄養素を調整することによる筋力・持久力の向上及びADLの維持・改善
・ 医師、歯科医師等の多職種の連携による摂食・嚥下機能の評価により、食事形態・摂取方法の適切な管理、経口摂取の維持等が可能となることによる誤嚥性肺炎の予防及び摂食・嚥下障害の改善
など、効果的な自立支援・重度化予防につながることが期待される。
このため自立支援・重度化防止のための効果的なケアを提供する観点から、医師、歯科医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、歯科衛生士等の多職種による総合的なリハビリテーション・機能訓練、栄養管理及び口腔管理が実施されることが望ましい。
 
2 リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理及び口腔管理の一体的な実施に関する様式例について
令和3年度介護報酬改定において、リハビリテーション・機能訓練、栄養管理及び口腔管理の取組を一体的に運用し、自立支援・重度化防止を効果的に進めるため、リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理及び口腔管理に関する各種計画書(リハビリテーション計画書、個別機能訓練計画書、栄養ケア計画書及び口腔機能向上サービスの管理指導計画・実施記録)について、重複する記載項目を整理するとともに、それぞれの実施計画を一体的に記入できる様式を設けることとした。
下表中右欄に定める様式を用いて計画書を作成した場合、リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理及び口腔管理の各関係加算等の算定に際し必要とされる左欄の様式の作成に代えることができる。
別紙様式2-2-1及び2-2-2(リハビリテーション計画書)
別紙様式1-2(リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理、口腔管理に係る実施計画書(通所系))及び別紙様式1-3(リハビリテーションアセスメントシート)
別紙様式2-9(リハビリテーション実施計画書)
別紙様式1-1(リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理、口腔管理に係る実施計画書(施設系))及び別紙様式1-3(リハビリテーションアセスメントシート)
別紙様式3-3(個別機能訓練計画書)
別紙様式1-1(リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理、口腔管理に係る実施計画書(施設系))又は別紙様式1-2(リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理、口腔管理に係る実施計画書(通所系))及び別紙様式1-4(個別機能訓練アセスメントシート)
別紙様式4-2(栄養ケア・経口移行・経口維持計画書(施設)(様式例))
別紙様式1-1(リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理、口腔管理に係る実施計画書(施設系))
別紙様式5-2(栄養ケア計画書(通所・居宅)(様式例))
別紙様式1-2(リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理、口腔管理に係る実施計画書(通所系))
別紙様式8(口腔機能向上サービスに関する計画書(様式例))
別紙様式1-2(リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理、口腔管理に係る実施計画書(通所系))及び別紙様式1-6(口腔機能向上加算の実施記録)
「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」別紙様式3及び「指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準及び指定地域密着型介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」別紙様式1(口腔衛生管理加算 様式(実施計画))
別紙様式1-1(リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理、口腔管理に係る実施計画書(施設系))及び別紙様式1-5(口腔衛生管理加算の実施記録)
 
第2 リハビリテーションマネジメント加算等の基本的考え方並びに事務処理手順例及び様式例の提示について
Ⅰ リハビリテーションマネジメントの基本的な考え方
1 リハビリテーションマネジメントの基本的な考え方
⑴ リハビリテーションの目的について
生活機能の低下した利用者に対するハビリテーションは、単に運動機能や認知機能といった心身機能の改善だけを目指すのではなく、利用者が有する能力を最大限に発揮できるよう、「心身機能」「活動」「参加」のそれぞれの要素にバランスよく働きかけていくこと、また、これによって日常生活の活動を高め、家庭や社会への参加を可能とすることを目的とするものである。
⑵ リハビリテーションマネジメントの運用に当たって
リハビリテーションマネジメントは、高齢者の尊厳ある自己実現を目指すという観点に立ち、利用者の生活機能の向上を実現するため、介護保険サービスを担う専門職やその家族等が協働して、継続的な「サービスの質の管理」を通じて、適切なリハビリテーションを提供し、もって利用者の要介護状態又は要支援状態の改善や悪化の防止に資するものである。
利用者に対して漫然とリハビリテーションの提供を行うことがないように、利用者毎に、解決すべき課題の把握(アセスメント)を適切に行い、改善に係る目標を設定し、計画を作成した上で、必要な時期に必要な期間を定めてリハビリテーションの提供を行うことが重要である。症状緩和のための取組(いわゆる理学療法として行うマッサージ)のみを漫然と行う場合はその必要性を見直すこと。また、リハビリテーションは、理学療法士、作業療法士、又は言語聴覚士だけが提供するものではなく、医師、歯科医師、看護職員、介護職員、管理栄養士、歯科衛生士、支援相談員等様々な専門職が協働し、また利用者の家族にも役割を担っていただいて提供されるべきものである。特に日常生活上の生活行為への働きかけである介護サービスは、リハビリテーションの視点から提供されるべきものであるとの認識が重要である。リハビリテーションを提供する際には、利用者のニーズを踏まえ、利用者本人による選択を基本とし、利用者やその家族にサービス内容について文書を用いてわかりやすく説明し、その同意を得なければならない。利用者やその家族の理解を深め、協働作業が十分になされるために、リハビリテーション、生活不活発病(廃用症候群)や生活習慣病等についての啓発を行うことも重要である。
⑶ 継続的なサービスの質の向上に向けて
施設サービスにおいて提供されるリハビリテーションは、施設退所後の居宅における利用者の生活やその場において提供されるリハビリテーションを考慮した上で、利用者の在宅復帰に資するものである必要があり、施設入所中又はその退所後に居宅において利用者に提供されるリハビリテーションが一貫した考え方に基づき提供されるよう努めなければならない。そのためには施設入所中も、常に在宅復帰を想定してリハビリテーションを提供していくことが基本である。また、居宅サービス(訪問・通所リハビリテーション)におけるリハビリテーションマネジメントにあっては、訪問介護員等他の居宅サービス事業所の担当者に対する情報提供等を行うなど、利用者のよりよい在宅生活を支援するものとなるよう配慮することも必要である。全体のケアマネジメントとリハビリテーションマネジメントとの両者におけるアセスメントや計画書については、基本的考え方、表現等が統一されていることが望まれる。さらに、利用者の生活機能の改善状況は継続的に把握(モニタリング)し、常に適切なリハビリテーションの提供を行わなければならない。リハビリテーションマネジメント体制については、生活機能の維持、改善の観点から評価し、継続的なサービスの質の向上へと繋げることが必要である。
 
Ⅱ (介護予防)訪問・通所リハビリテーションにおけるリハビリテーションマネジメントについて
1 リハビリテーションマネジメントの実務等について
⑴ リハビリテーションマネジメントについて
リハビリテーションマネジメントは、調査(Survey)、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)(以下「SPDCA」という。)のサイクルの構築を通じて、心身機能、活動及び参加について、バランス良くアプローチするリハビリテーションが提供できているかを継続的に管理することによって、質の高いリハビリテーションの提供を目指すものである。
以下にリハビリテーションマネジメントにおけるSPDCAサイクルの具体的な取組内容を記載する。
① 調査(Survey)
イ 事業所の医師の診療、運動機能検査、作業能力検査等により利用者の心身機能や、利用者が個人として行う日常生活動作(以下「ADL」という。)や手段的日常生活動作(以下「IADL」という。)といった活動、家庭内での役割、余暇活動、社会地域活動、リハビリテーション終了後に行いたい社会参加等の取組等といった参加についての状況を把握すること。
別紙様式2-1「興味・関心チェックシート」を活用し、利用者の興味や関心のある生活行為について把握すること。
ロ 介護支援専門員より居宅サービス計画の総合的援助の方針や解決すべき具体的な課題及び目標について情報を入手すること。
また、事業所とは別に医療機関において計画的な医学的管理を行っている医師がいる場合にあっては、適宜、これまでの医療提供の状況についての情報を入手すること。
② 計画(Plan)
イ リハビリテーションに関する解決すべき課題の把握
事業所の医師及び理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士は、①調査により収集した情報を踏まえ、利用者の心身機能、活動及び参加の観点からアセスメントを行うこと。
ロ リハビリテーション計画の作成
事業所の医師及び理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士は別紙様式2-2-1及び別紙様式2-2-2「リハビリテーション計画書」を活用し、また、アセスメントに基づき、目標、実施期間、リハビリテーションの具体的な内容、リハビリテーションの提供頻度、提供時間、リハビリテーション提供中の具体的な対応等について検討するとともに、必要に応じて歯科医師、歯科衛生士、管理栄養士等の助言を参考とし、リハビリテーション計画を作成すること。
リハビリテーション計画の内容については、利用者又はその家族に対して説明され、利用者の同意を得ること。
なお、居宅サービス計画の変更が生じる場合には、速やかに介護支援専門員に情報提供を行うこと。また、事業所とは別の医療機関において計画的な医学的管理を行っている医師やその他の居宅サービス事業者等に対しても適宜、情報提供すること。
ハ リハビリテーション計画書の保存
作成したリハビリテーション計画書は2年間保存すること。
③ 実行(Do)
イ リハビリテーションの実施
理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士は、事業所の医師の指示及びリハビリテーション計画に基づき、リハビリテーションを提供すること。
ロ 医師の詳細な指示
事業所の医師は、リハビリテーションの実施に当たり、当該事業所の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士に対して、利用者に対する当該リハビリテーションの目的に加えて、当該リハビリテーション開始前又は実施中の留意事項、やむを得ず当該リハビリテーションを中止する際の基準、当該リハビリテーションにおける利用者に対する負荷等のうちいずれか1以上の指示を行うこと。
指示の内容については、利用者の状態の変化に応じ、適宜変更すること。
ハ 指示を行った医師又は指示を受けた理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士は当該指示の日時、内容等を記録に留めること。
ニ 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準第83条又は第119条において準用する第19条に規定するサービスの提供の記録において、利用者ごとのリハビリテーション計画に従い、医師の指示を受けた理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が利用者の状態を定期的に記録する場合は、当該記録とは別にリハビリテーションマネジメント加算の算定のために利用者の状態を定期的に記録する必要はないものであること。
ホ 介護支援専門員を通じたリハビリテーションの観点からの助言等理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士は、介護支援専門員を通じて、指定訪問介護その他の指定居宅サービスに該当する事業に係る従事者に対し以下の情報を伝達する等、連携を図ること。
・ 利用者及びその家族の活動や参加に向けた希望
・ 利用者の日常生活能力を維持又は向上させる介護の方法及びその留意点
・ その他、リハビリテーションの観点から情報共有をすることが必要な内容
④ 評価(Check)、改善(Action)
イ リハビリテーション計画の見直し
初回はサービス提供開始からおおむね2週間以内、その後はおおむね3月ごとにアセスメントとそれに基づくリハビリテーション計画の見直しを行うこと。
a 退院(所)後間もない場合、利用者及びその家族が在宅生活に不安がある場合又は利用者の状態が変化する等の理由でリハビリテーション計画の見直しが必要になった場合は、適宜当該計画の見直しを行うこと。
b 目標の達成状況やADL及びIADLの改善状況等を評価した上で、再度アセスメントを行い、サービスの質の改善に関する事項も含め、リハビリテーション計画の変更の必要性を判断すること。
c リハビリテーション計画の進捗状況について評価し、見直された計画は、3月ごとに担当の介護支援専門員等に情報を提供するとともに、必要に応じて居宅サービス計画の変更を依頼すること。
d リハビリテーション計画の変更が生じた場合は、利用者又はその家族に説明し、同意を得ること。
ロ サービスの利用終了時の説明等
a サービスの利用が終了する1月前以内に、事業所の医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士によるリハビリテーション会議を行うことが望ましい。その際、介護支援専門員や終了後に利用予定の他の居宅サービス事業所のサービス担当者、介護予防・日常生活支援総合事業を利用する際はその担当者等の参加を求めるものであること。
b 利用終了時に、担当の介護支援専門員や計画的な医学的管理を行っている医師に対し、リハビリテーションの観点から必要な情報提供を行うこと。
 
2 リハビリテーションマネジメント加算について
⑴ リハビリテーションマネジメント加算の算定上の留意事項
① リハビリテーションマネジメントは、利用者ごとにケアマネジメントの一環として行われること。
② 各施設・事業所における管理者は、リハビリテーションマネジメントに関する手順をあらかじめ定めること。
③ リハビリテーションマネジメントは、SPDCAサイクルの構築を通じて、リハビリテーションの質の管理を行うものであること。各事業所における多職種協働の体制等が異なることを鑑み、リハビリテーションマネジメントの加算の種類を選択すること。
④ 指定通所リハビリテーションにおけるリハビリテーションマネジメント加算の算定において、当該計画に係る利用者の同意を得た日の属する月から起算して6月間を超えた場合であって、指定通所リハビリテーションのサービスを終了後に、病院等への入院又は他の居宅サービス等の利用を経て、同一の指定通所リハビリテーション事業所を再度利用した場合は、リハビリテーションマネジメント加算(A)イ⑴又はロ⑴若しくは(B)イ⑴又はロ⑴を再算定することはできず、リハビリテーションマネジメント加算(A)イ⑵又はロ⑵若しくは(B)イ⑵又はロ⑵を算定すること。
ただし、疾病が再発するなどにより入院が必要になった状態又は医師が集中的な医学的管理を含めた支援が必要と判断した等の状態の変化に伴う、やむを得ない理由がある場合であって、利用者又は家族が合意した場合には、この限りでない。
⑵ リハビリテーションマネジメント加算(A)イの算定に関して
リハビリテーション会議の開催を通じた多職種の協働による継続的なリハビリテーションの質の管理に加え、退院(所)後間もない者や新たに要介護認定等を受けた者の生活の不安に対して、健康状態、生活の見通し及びリハビリテーション計画の内容等を当該計画の作成に関与した理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が、利用者又は家族に説明することを評価したものである。
リハビリテーションマネジメント加算(A)イの算定に当たっては、以下の点に留意すること。
① リハビリテーション会議の開催
イ リハビリテーション会議の構成員
利用者及びその家族を基本とし、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士その他の職種の者であること。リハビリテーション会議には必要に応じて歯科医師、歯科衛生士、管理栄養士等が参加することが望ましい。
ロ リハビリテーション会議の構成員の参加
リハビリテーション会議は、テレビ電話装置等(リアルタイムでの画像を介したコミュニケーションが可能な機器をいう。以下同じ。)を活用して行うことができるものとする。ただし、利用者又はその家族(以下このロにおいて「利用者等」という。)が参加する場合にあっては、テレビ電話装置等の活用について当該利用者等の同意を得なければならない。なお、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等に対応していること。
ハ リハビリテーション会議での協議内容
リハビリテーション会議では、アセスメント結果などの情報の共有、多職種協働に向けた支援方針、リハビリテーションの内容、構成員間の連携等について協議するよう努めること。
利用者の必要に応じて、短期集中個別リハビリテーション、認知症短期集中リハビリテーション、生活行為向上リハビリテーションを実施することについても検討すること。
ニ リハビリテーション会議の記録
リハビリテーション会議で検討した内容については、別紙様式2-3「リハビリテーション会議録」を活用し記録に残すこと。
作成した会議録は介護支援専門員をはじめ、居宅サービス計画に位置付けられた居宅サービスの担当者と共有を図ること。
当該記録は利用者毎に2年間保存するものであること。
ホ その他
リハビリテーション会議に、家庭内暴力等により利用者やその家族の参加が望ましくない場合又は家族が遠方に住んでいる等によりやむを得ず参加ができない場合は、その理由を会議録に記載すること。
また、リハビリテーション会議の開催の日程調整を行ったが、構成員の事由等により、構成員が参加できなかった場合にはその理由を会議録に記録するとともに、欠席者にはリハビリテーション計画書及び会議録の写しを提供する等、情報の共有を図ること。
② リハビリテーション計画の利用者又はその家族への説明
イ 計画作成に関与した医師の指示の下、計画作成に関与した理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士は、リハビリテーション計画について、リハビリテーション会議等で利用者又はその家族に説明し、同意を得ること。
具体的には、アセスメントに基づいた利用者の状態、解決すべき課題とその要因、リハビリテーションの目標、実施期間、リハビリテーションの具体的な内容、リハビリテーションの提供頻度、提供時間、リハビリテーション提供中の具体的な対応等を説明すること。
ロ 利用者又はその家族の同意が得られたことを記録すること。
ハ 説明した内容や説明時に生じた疑義等について、説明した理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士は速やかに事業所の医師へ報告し、必要に応じて適切に対応すること。
③ リハビリテーション会議の開催頻度
リハビリテーション計画は、指定訪問リハビリテーションにおいてはおおむね3月に1回、指定通所リハビリテーションにおいては、利用者の同意を得てから6月以内はおおむね1月に1回、6月超後はおおむね3月に1回、リハビリテーション会議の開催を通して、進捗状況を確認し、見直しを行うこと。
ただし、指定通所リハビリテーションを実施する指定通所リハビリテーション事業所若しくは指定介護予防通所リハビリテーションを実施する指定介護予防通所リハビリテーション事業所並びに当該事業所の指定を受けている保険医療機関において、算定開始の月の前月から起算して前24月以内に介護保険または医療保険のリハビリテーションに係る報酬の請求が併せて6月以上ある利用者については、算定当初から3月に1回の頻度でよいこととする。
④ 介護支援専門員に対するリハビリテーションの観点からの情報提供
リハビリテーションに関する専門的な見地から、利用者の有する能力、自立のために必要な支援方法及び日常生活上の留意点に関する情報提供を行う場合には、1⑴③ホの内容に加え、以下の内容を盛り込むことが望ましい。
・ 利用者や家族の活動や参加に関する希望及び将来利用を希望する社会参加に資する取組
・ 利用者の基本的動作能力、応用的動作能力及び社会適応能力等の日常生活能力並びにその能力の改善の可能性
・ 利用者の日常生活能力を維持又は向上させる介護の方法及び留意点
・ 家屋等の環境調整の可能性及び家具や調理器具等の生活用具の工夫
・ その他リハビリテーションの観点から情報共有をすることが必要な内容
⑤ 指定訪問介護等の居宅サービスの従事者又は家族に対する助言
事業所の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士は、リハビリテーション会議により協議した内容等を考慮し、助言する対象者を適切に判断し、助言すること。
イ 指定訪問介護等の居宅サービスの従事者助言
居宅サービス計画に位置付けられた指定訪問介護等の居宅サービスの従事者と利用者の居宅を訪問し、当該従事者に対し、利用者の基本的動作能力、応用的動作能力及び社会適応能力、それらの能力の改善の可能性、生活環境に応じた日常生活上の留意点並びに介護の工夫等の情報について助言指導を行うこと。
ロ 家族への助言
利用者の居宅を訪問し、その家族に対して、利用者の基本的動作能力、応用的動作能力及び社会適応能力、その能力の改善の可能性、生活環境に応じた日常生活上の留意点並びに介護の工夫等の情報について助言指導を行うこと。
⑥ リハビリテーションマネジメントにおけるプロセス管理
リハビリテーションマネジメントの徹底を図るため、別紙様式2-4「リハビリテーションマネジメントにおけるプロセス管理票」を活用して、SPDCAサイクルの工程管理を行うこと。
⑦ その他
指定通所リハビリテーションにおけるリハビリテーションマネジメント加算(A)イにおいては、利用者の状態の悪化等の理由から指定通所リハビリテーションのサービスの利用がない月においても、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が利用者の居宅を訪問し、利用者やその家族、介護支援専門員にリハビリテーション及び廃用症候群を予防する専門的な見地から、介護の工夫に関する指導及び日常生活上の留意点等について助言を行った場合は算定できるものであること。その場合、助言を行った内容の要点を診療記録に記載すること。
⑶ リハビリテーションマネジメント加算(B)イの算定に関して
リハビリテーションマネジメント加算(B)イにおけるリハビリテーションは、リハビリテーション会議の開催を通じて、多職種の協働による継続的なリハビリテーションの質の管理に加え、退院(所)後間もない者や新たに要介護認定等を受けた者の生活の不安に対して、健康状態、生活の見通し及びリハビリテーション計画の内容等を事業所の医師が、利用者又は家族に説明することを評価したものである。
リハビリテーションマネジメント加算(B)イの算定に当たっては、以下の点に留意すること。
① リハビリテーション会議の開催
リハビリテーションマネジメント加算(A)イと同様であるため、⑵①を参照されたい。
② リハビリテーション計画の利用者又はその家族への説明
リハビリテーション計画の作成に関与した医師が、利用者又はその家族に対して、リハビリテーション計画の内容について、リハビリテーション会議等で説明し、同意を得ること。
なお、医師がやむを得ない理由等によりリハビリテーション会議を欠席した場合は、リハビリテーション会議以外の機会を通して、利用者又はその家族に対して、当該計画を説明し、同意を得ること。
③ リハビリテーション会議の開催頻度
リハビリテーションマネジメント加算(A)イと同様であるため、⑵③を参照されたい。
④ 介護支援専門員に対するリハビリテーションの観点からの情報提供
リハビリテーションマネジメント加算(A)イと同様であるため、⑵④を参照されたい。
⑤ 指定訪問介護等の居宅サービスの従事者又は家族に対する助言
リハビリテーションマネジメント加算(A)イと同様であるため、⑵⑤を参照されたい。
⑥ リハビリテーションマネジメントにおけるプロセス管理
リハビリテーションマネジメント加算(A)イと同様であるため、⑵⑥を参照されたい。
⑦ その他
リハビリテーションマネジメント加算(A)イと同様であるため、⑵⑦を参照されたい。なお、リハビリテーションマネジメント加算(A)イはリハビリテーションマネジメント加算(B)イと読み替えられたい。
⑷ リハビリテーションマネジメント加算(A)ロ又は(B)ロの算定に関して
リハビリテーションマネジメント加算(A)ロ又は(B)ロは、リハビリテーションマネジメント加算(A)イ又は(B)イの要件に加え、「科学的介護情報システム(Long-term care Information system For Evidence)」(以下「LIFE」という。)を用いて厚生労働省に情報を提出し、提出情報及びフィードバック情報を活用し、SPDCAサイクルにより、ケアの質の向上を図ることを評価したものである。LIFEへの提出情報、提出頻度等については、「科学的介護情報システム(LIFE)関連加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(令和3年3月16日老老発0316第4号)を参照されたい。
 
2 別紙様式の記載要領
⑴ 別紙様式2-1(興味・関心チェックシート)
利用者が日常生活上実際にしていること、実際にしてはいないがしてみたいと思っていること、してみたいまでは思わないものの興味があると思っていることに関して、利用者の記入又は聞き取りにより作成すること。
⑵ 別紙様式2-2-1、別紙様式2-2-2(リハビリテーション計画書)
① 本人の希望及び家族の希望
本人の希望に関しては、別紙様式2-1で把握した、利用者がしてみたい又は興味があると答えた内容を考慮して、利用者に確認の上、したい又はできるようになりたい生活の希望等を該当欄に記載すること。
家族の希望に関しては、利用者の家族が利用者に関して特に自立してほしいと思っている生活内容又は今後の生活で送ってほしいと希望する内容に該当する項目を具体的に確認した上で、該当箇所に記載すること。
② 健康状態、経過
原因疾病、当該疾患の発症日・受傷日、直近の入院日、直近の退院日、手術がある場合は手術日と術式等の治療経過、合併疾患の有無とそのコントロールの状況等、これまでのリハビリテーションの実施状況(プログラムの実施内容、頻度、量等)を該当箇所に記載すること。
③ 心身機能・構造
心身機能の障害(筋力低下、麻痺、感覚機能障害、関節可動域制限、摂食嚥下障害、失語症・構音障害、見当識障害、記憶障害、その他の高次脳機能障害、栄養障害、褥瘡、疼痛、精神行動障害(BPSD))の有無について、現在の状況の欄に記載すること。
心身機能の障害があった場合には、現在の状況と活動への支障の有無について該当箇所にチェックすること。なお、該当項目に無い項目に関して障害を認める場合は、特記事項に記載すること。
移動能力については、6分間歩行試験又はTimed up & Go Test(TUG)を選択し、客観的測定値を記入するとともに、将来の見込みについて該当箇所にチェックすること。
認知機能については、MMSE(Mini Mental State Examination)又はHDS-R(改定長谷川式簡易知能評価スケール)を選択し、その得点を記入するとともに、将来の見込みについて該当箇所にチェックすること。
服薬管理の状況については、現在の状況及び将来の見込みを該当箇所にチェックすること。
コミュニケーションの状況については、現在の状況を記載するとともに、将来の見込みを該当箇所にチェックすること。
④ 活動の状況
現在の状況については「している」状況を該当箇所にチェックすること。また、評点については、リハビリテーション計画の見直しごとに、以下の通り、各活動の状況の評価を行い記入すること。
イ 基本動作
居宅を想定しつつ、基本動作(寝返り、起き上がり、座位保持、立ち上がり、立位保持)の状況を評価し、該当箇所にリハビリテーション開始時点及び現在の状況について記載すること。
ロ 活動(ADL)(Barthel Indexを活用)
下記を参考に現在「している」状況について評価を行い、リハビリテーション開始時点及び現在の状況について該当箇所に記載すること。
動作
選択肢
食事
10自立 5一部介助 0全介助
イスとベッド間の移乗
15自立 10監視下 5一部介助 0全介助
整容
5自立 0一部介助又は全介助
トイレ動作
10自立 5一部介助 0全介助
入浴
5自立 0一部介助又は全介助
平地歩行
15自立 10歩行器等 5車椅子操作が可能 0その他
階段昇降
10自立 5一部介助 0全介助
更衣
10自立 5一部介助 0全介助
排便コントロール
10自立 5一部介助 0全介助
10
排尿コントロール
10自立 5一部介助 0全介助
⑤ リハビリテーションの目標、方針、本人・家族への生活指導の内容、実施上の留意点、リハビリテーションの見通し・継続理由、終了の目安と時期
目標は長期目標と短期目標(今後3か月間)を、方針については今後3か月間として、該当箇所に記載すること。本人・家族への生活指導の内容を、自主トレーニングの内容と併せて記載すること。
リハビリテーション実施上の留意点について、リハビリテーション開始前・訓練中の留意事項、運動負荷の強度と量等を該当箇所に記載すること。終了の目安・時期について、おおよその時期を記載すること。
また、事業所の医師が利用者に対して3月以上のリハビリテーションの継続利用が必要と判断する場合には、リハビリテーションの継続利用が必要な理由、その他介護サービスの併用と移行の見通しをリハビリテーションの見通し・継続理由に記載すること。
⑥ 特記事項
①から⑤の項目以外に記入すべき事項があった場合は、特記事項に記載すること。
⑦ 環境因子
家族、福祉用具等、住環境、自宅周辺の環境、利用者が利用できる交通機関の有無、その他のサービスの利用について、課題があった場合に該当箇所にチェックする。あわせて、福祉用具と住環境については調整の状況及び調整状況についても該当箇所にチェックする。なお、具体的に記載すべき課題がある場合は備考に記入すること。
⑧ 社会参加の状況
過去と現在の参加の状況(家庭内での役割や余暇活動、社会活動及び地域活動への参加等)を聞き取り、また当該取組みを今後継続する意向があるかどうか確認すること。さらに、サービス利用終了後の生活に関して、利用者及びその家族と共有するために、指定通所リハビリテーション利用終了後に利用を希望する社会参加等の取組に関して聞き取ること。
⑨ 活動(IADL)(Frenchay Activity Indexを活用)
下記を参考に現在「している」状況について評価を行い、リハビリテーション開始時点及び現在の状況を該当箇所にその得点を記載する。
項目
選択肢
食事の用意(買い物は含まれない)
0 していない 1 まれにしている
2 時々(週に1~2回)
3 週に3回以上している
食事の片づけ
0 していない 1 まれにしている
2 時々(週に1~2回)
3 週に3回以上している
洗濯
0 していない 1 まれにしている
2 時々している(週に1回未満)
3 週に1回以上している
掃除や整頓(箒や掃除機を使った清掃や身の回りの整理整頓など)
0 していない 1 まれにしている
2 時々している(週に1回未満)
3 週に1回以上している
力仕事(布団の上げ下げ、雑巾で床を拭く、家具の移動や荷物の運搬など)
0 していない 1 まれにしている
2 時々している(週に1回未満)
3 週に1回以上している
買物(自分で運んだり、購入すること)
0 していない 1 まれにしている
2 時々している(週に1回未満)
3 週に1回以上している
外出(映画、観劇、食事、酒飲み、会合などに出かけること)
0 していない 1 まれにしている
2 時々している(週に1回未満)
3 週に1回以上している
屋外歩行(散歩、買物、外出等のために少なくとも15分以上歩くこと)
0 していない 1 まれにしている
2 時々している(週に1回未満)
3 週に1回以上している
趣味(テレビは含めない)
0 していない 1 まれにしている
2 時々している(週に1回未満)
3 週に1回以上している
10
交通手段の利用(タクシー含む)
0 していない 1 まれにしている
2 時々している(週に1回未満)
3 週に1回以上している
11
旅行
0 していない 1 まれにしている
2 時々している(週に1回未満)
3 週に1回以上している
12
庭仕事(草曳き、水撒き、庭掃除)
※ベランダ等の作業も含む
0 していない 1 時々している
2 定期的にしている
3 定期的にしている。必要があれば掘り起し、植え替え等の作業もしている
13
家や車の手入れ
0 していない
1 電球の取替・ねじ止めなど
2 ペンキ塗り・模様替え・洗車
3 2の他、家の修理や車の整備
14
読書(新聞・週刊誌・パンフレット類は含めない)
0 読んでいない 1 まれに
2 月に1回程度
3 月に2回以上
15
仕事(収入のあるもの、ボランティアは含まない)
0 していない 1 週に1~9時間
2 週に10~29時間
3 週に30時間以上
⑩ 「活動」と「参加」に影響を及ぼす課題の要因分析
能力及び生活機能の障害と、それらの予後予測を踏まえて、本人が希望する活動と参加において重要性の高い課題、活動と参加に影響を及ぼす機能障害の課題と機能障害以外の要因を分析し、簡潔にまとめた上で記載すること。
⑪ リハビリテーションサービス
リハビリテーションの提供計画については、⑩で分析した課題について優先順位をつけ、その順位に沿って、目標(解決すべき課題)、目標達成までの期間、担当職種、具体的支援内容、サービス提供の予定頻度、及び時間について記載すること。
具体的支援内容については、リハビリテーション会議を通して検討し、利用者又はその家族が合意した提供内容について記載すること。また、利用者の家族や居宅サービス計画に位置付けられている他の居宅サービスの担当者と、利用者の居宅に訪問する場合、その助言内容についても、あらかじめ分かる範囲で記載すること。さらに、居宅や通所施設以外でリハビリテーションを実施する場合には、あらかじめその目的、内容、場所についても記載すること。
⑫ 情報提供先
リハビリテーション計画書は、介護支援専門員や計画的な医学的管理を行っている医師、居宅サービス計画に位置付けられている居宅サービスの担当者と、その写しを共有すること。また、当該計画に関する事項について情報提供をした場合は、該当の情報提供先にチェックをすること。
⑶ 別紙様式2-3(リハビリテーション会議録)
① リハビリテーション会議の開催日、開催場所、開催時間、開催回数を明確に記載すること。
② 会議出席者の所属(職種)や氏名を記載すること。
③ リハビリテーションの支援方針(サービス提供終了後の生活に関する事項を含む。)、リハビリテーションの内容、各サービス間の協働の内容について検討した結果を記載すること。
③ 構成員が不参加の場合には、不参加の理由を記載すること。
⑷ 別紙様式2-4(リハビリテーションマネジメントにおけるプロセス管理票)
① サービス開始時における情報収集
事業者は、介護支援専門員より居宅サービス計画の総合的援助の方針や解決すべき具体的な課題及び目標について情報を入手すること。
また、事業所とは別の医療機関において計画的な医学的管理を行っている医師がいる場合であっては、適宜、これまでの医療提供の状況についての情報を入手すること。
入手した場合は該当箇所にチェックすること。
② リハビリテーション会議の開催によるリハビリテーション計画書の作成
リハビリテーション会議を開催した場合は、参加者に○をつけるとともに、開催日付を記載すること。
③ リハビリテーション計画の利用者・家族への説明
リハビリテーション計画の説明を実施し、利用者から同意が得られた場合、該当箇所にチェックをする。なお、説明後に利用者又はその家族からリハビリテーション計画の変更又は当該計画に関しての意見があった場合は、その旨を記載し、必要に応じて当該計画を見直すこと。
イ リハビリテーションマネジメント加算(A)イ又はロを算定している場合にあっては、計画作成に関与した理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士によるリハビリテーション計画の利用者・家族への説明の欄に記載すること。
ロ リハビリテーションマネジメント加算(B)イ又はロを算定している場合にあっては、医師によるリハビリテーション計画の利用者・家族への説明の欄に記載すること。
④ リハビリテーション計画書に基づくリハビリテーションの提供
リハビリテーションプログラムの内容について検討し、実施した内容について、該当箇所にチェックをすること。
⑤ リハビリテーション会議の実施と計画の見直し
リハビリテーション会議を開催し、計画の見直しを行った場合、その実施日を記入すること。
⑥ 訪問介護の事業その他の居宅サービス事業に係る従業者に対する日常生活上の留意点、介護の工夫等の情報伝達
指定訪問介護又はその他の居宅サービスの担当者に対し、リハビリテーションの観点から、日常生活上の留意点及び介護の工夫等の助言を行った場合、その実施日を記入すること。
⑦ 居宅を訪問して行う介護の工夫に関する指導・助言等の実施
利用者の居宅を訪問し、介護の工夫に関する指導・助言等を実施した場合、その実施日を記入すること。
⑧ サービスを終了する1月前以内のリハビリテーション会議の開催
サービス終了する1月前以内にリハビリテーション会議を実施した場合は、該当箇所にチェックを行い、参加者に○をつけること。
⑨ 終了時の情報提供
終了時、リハビリテーションの情報を提供した場合は、その提供者の該当箇所にチェックをすること。
⑩ プロセス管理表の保管
プロセス管理表は、利用者ごとにリハビリテーション計画書と一緒に保管すること。
 
3 リハビリテーションマネジメントに関連する主な加算
⑴ 認知症短期集中リハビリテーション実施加算について
心身機能、活動及び参加の維持又は回復を図るに当たって、認知症高齢者の状態によりきめ細かく配慮し、より効果的なリハビリテーションの提供を促進するため、認知症短期集中リハビリテーション実施加算を設けた。
① 認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)の算定に関して
認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)の算定に関しては、留意事項通知で示している内容を踏まえ、適切に行うこと。
② 認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅱ)の算定に関して
イ 包括報酬である認知症短期集中リハビリテーション加算(Ⅱ)を算定する場合は、利用者の認知症の状態に対し、支援内容や利用回数が妥当かどうかを確認し、適切に提供することが必要であることから1月に1回はモニタリングを行い、通所リハビリテーション計画を見直し、医師から利用者又はその家族に対する説明し、同意を得ることが望ましい。
ロ 別紙様式2-1を活用し、利用者がしている、してみたい、興味がある生活行為を把握し、見当識や記憶などの認知機能や実際の生活環境を評価し、アセスメント後に、当該生活行為で確実に自立できる行為を目標とする。
ハ 目標を達成するために何を目的に、どんな実施内容をどのようにするのか(たとえば、個別で又は集団で)をできる限り分かりやすく記載する。
ニ 通所での訓練内容について、その実施内容において望ましい提供頻度、時間を記載する。通所の頻度については、月4回以上実施することとしているが、利用者の見当識を考慮し、月8回以上の通所リハビリテーションの提供が望ましいものであり、その提供内容を記載すること。
ホ 目標の内容によっては、訓練した内容が実際の生活場面でできるようになったかどうかを評価、確認するために、当該利用者の居宅において応用的動作能力や社会適応能力について評価を行い、その結果を当該利用者とその家族に伝達すること。その際にはその実施時期、及び何をするのかをリハビリテーション計画書に記載する。家族に指導する際に特に留意することがあった場合、記載すること。
ヘ 居宅で評価する際には、利用者が実際に生活する場面で、失敗をしないで取り組めるよう、実施方法や環境にあらかじめ配慮し、実施すること。
ト リハビリテーションの内容を選定する際には、役割の創出や達成体験、利用者が得意とすることをプログラムとして提供するなど自己効力感を高める働きかけに留意すること。
③ 認知症短期集中リハビリテーション(Ⅱ)の提供後
引き続きリハビリテーションの提供を継続することができる。なお、この場合でも参加に向けた取組を促すこと。
⑵ 生活行為向上リハビリテーション実施加算について
活動の観点から、生活行為の内容の充実を図るための目標及び当該目標を踏まえたリハビリテーションの実施内容等をリハビリテーション実施計画にあらかじめ定めた上で、加齢等により低下した利用者の活動の向上を図るためのリハビリテーションの提供を評価するため、生活行為向上リハビリテーション実施加算を設けた。
なお、活動と参加の観点からは、居宅からの一連のサービス行為として、買い物やバス等の公共交通機関への乗降などの行為に関する指定訪問リハビリテーションを提供することも重要である。
① 生活行為向上リハビリテーション実施加算の考え方
生活行為とは、個人の活動として行う排泄、入浴、調理、買物、趣味活動等の行為をいう。生活行為向上リハビリテーションは、加齢や廃用症候群等により生活機能の一つである活動するための機能が低下した高齢者や急性増悪により生活機能が低下し、医師がリハビリテーションの提供が必要であると判断した者に対し、起居や歩行、排泄、入浴などのADL、調理、買い物、趣味活動などのIADLなどの生活行為の内容の充実を図るため、その能力の向上について別紙様式2-5を作成し、その介入方法及び介入頻度、時間等生活行為の能力の向上に資するプログラムを作成、計画的に実施するものである。
② 生活行為向上リハビリテーションを実施する上での留意事項
イ 目標達成後に自宅での自主的な取組や介護予防・日常生活支援総合事業における第一号通所事業や一般介護予防事業、地域のカルチャー教室や通いの場、通所介護などに移行することを目指し、6月間を利用限度に集中的に行うこと。
ロ 個人の活動として行う排泄するための行為、入浴するための行為、調理するための行為、買い物をするための行為、趣味活動など具体的な生活行為の自立を目標に、心身機能、活動、参加に対し段階的に実施する6月間のリハビリテーション内容を別紙様式2-5にあらかじめ定めた上で、実施すること。
ハ(介護予防)通所リハビリテーション事業所の医師又は医師の指示を受けた理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が当該利用者の居宅を訪問し生活行為に関する評価をおおむね1月に1回以上実施すること。
ニ 生活行為向上リハビリテーション実施計画は、専門的な知識や経験のある作業療法士又は生活行為向上リハビリテーションに関する研修を受けた理学療法士、言語聴覚士が立案、作成すること。
ホ 事業所の医師が、おおむね月ごとに開催されるリハビリテーション会議で、生活行為向上リハビリテーション実施計画の進捗状況について報告することが望ましく、評価に基づく利用者の能力の回復状況、適宜適切に達成の水準やプログラムの内容について見直しを行い、目標が効果的に達成されるよう、利用者又はその家族、構成員に説明すること。
また、生活行為向上リハビリテーションを提供する場合は、目標が達成する期限に向けて、計画の進捗の評価や利用者又はその家族に生活行為を行う能力の回復程度など状況の説明が重要であることから1月に1回はモニタリングを行い、別紙様式2-5を見直し、医師から利用者又はその家族に対する説明し、同意を得ることが望ましい。
ヘ 当該リハビリテーションは、利用者と家族のプログラムへの積極的な参加が重要であることから、生活行為向上リハビリテーション実施計画の立案に当たっては、利用者及びその家族に生活行為がうまくできない要因、課題を解決するために必要なプログラム、家での自主訓練を含め分かりやすく説明を行い、利用者及びその家族にプログラムの選択を促すよう配慮し進め、生活行為向上リハビリテーションについて主体的に取り組む意欲を引き出すこと。
ト 目標の達成期限の前1月以内には、リハビリテーション会議を開催し、生活行為向上リハビリテーション実施計画及びそれに基づき提供したリハビリテーションの成果、他のサービスへの移行に向けた支援計画を、利用者又はその家族、構成員に説明すること。
③ 生活行為向上リハビリテーション実施加算の算定に関して
イ 生活行為のニーズの把握
別紙様式2-1を活用し、利用者がどのような生活行為をしてみたい、興味があると思っているのかを把握する。把握に当たっては、利用者の生活の意欲を高めるためにも、こういうことをしてみたいという生活行為の目標を認識できるよう働きかけることも重要である。
ロ 生活行為に関する課題分析
a 利用者がしてみたいと思う生活行為で、一連の行為のどの部分が支障となってうまくできていないのかという要因をまず分析すること。例えば、トイレ行為であれば、畳に座っている姿勢、立ち上がり、トイレに行く、トイレの戸の開閉、下着の脱衣、便座に座る動作、排泄、後始末、下着の着衣、元の場所に戻る、畳に座る等の一連の行為を分析し、そのどこがうまくできていないのかを確認すること。
b うまくできていない行為の要因ごとに、利用者の基本的動作能力(心身機能)、応用的動作能力(活動)、社会適応能力(参加)のどの能力を高めることで生活行為の自立が図られるのかを検討すること。
基本的動作能力については、起居や歩行などの基本的動作を直接的に通所にて訓練を行い、併せて居宅での環境の中で1人でも安全に実行できるかを評価すること。
応用的動作能力については、生活行為そのものの技能を向上させる反復練習、新たな生活行為の技能の習得練習などを通して、通所で直接的に能力を高める他、住環境や生活で用いる調理器具などの生活道具、家具など生活環境について工夫すること等についても検討すること。通所で獲得した生活行為が居宅でも実行できるよう訪問し、具体的な実践を通して評価を行い、実際の生活の場面でできるようになるよう、支援すること。また、利用者が家庭での役割を獲得できるよう、家族とよく相談し、調整すること。
社会適応能力については、通所の場面だけではなく、居宅に訪問し家庭環境(家の中での環境)への適応状況の評価、利用者が利用する店での買い物や銀行、公共交通機関の利用などの生活環境への適応練習、地域の行事や趣味の教室などへの参加をするための練習をするなど、利用者が1人で実施できるようになることを念頭に指導すること。
c 利用者の能力だけではなく、利用者を取り巻く家族や地域の人々、サービス提供者に対しても、利用者の生活行為の能力について説明を行い、理解を得て、適切な支援が得られるよう配慮すること。
ハ 別紙様式2-5(生活行為向上リハビリテーション実施計画)の記載
a 利用者が、してみたいと思う生活行為に関して、最も効果的なリハビリテーションの内容(以下「プログラム」という。)を選択し、おおむね6月間で実施する内容を心身機能、活動、参加のアプローチの段階ごとに記載すること。
b プログラムについては、専門職が支援することの他、本人が取り組む自主訓練の内容についても併せて記載すること。また、プログラムごとに、おおむねの実施時間、実施者及び実施場所について、記載すること。
c 支援の頻度は、リハビリテーションを開始してから3月間までの通所を主体とする通所訓練期はおおむね週2回以上、その後目標を達成する6月間の期限まで、終了後の生活を視野に入れ、訪問等組み合わせて訓練をする社会適応期はおおむね週1回以上訓練を行うこと。
d プログラムの実施に当たっては、訪問で把握した生活行為や動作上の問題を事業所内外の設備を利用し練習する場合には、あらかじめ計画上に書き込むこと。
e 通所で獲得した生活行為については、いつ頃を目安に、利用者の居宅を訪問し、当該利用者の実際の生活の場面で評価を行うのかもあらかじめ記載すること。
f 終了後の利用者の生活をイメージし、引き続き生活機能が維持できるよう地域の通いの場などの社会資源の利用する練習などについてもあらかじめプログラムに組み込むこと。
ニ 生活行為向上リハビリテーションの実施結果報告
計画実施期間の達成1ヵ月前には、リハビリテーション会議を開催し、別紙様式2-5に支援の結果を記入し、本人及び家族、構成員に支援の経過及び結果を報告すること。
また、リハビリテーション会議にサービスの提供終了後に利用するサービス等の担当者にも参加を依頼し、サービスの提供終了後も継続して実施するとよい事柄について申し送ることが望ましい。
ホ その他
生活行為向上リハビリテーションを行うために必要な家事用設備、各種日常生活活動訓練用具などが備えられていることが望ましい。
ヘ 要介護認定等の更新又は区分の変更に伴う算定月数の取扱い
要介護認定等の更新又は区分の変更により、要介護状態区分から要支援状態区分又は要支援状態区分から要介護状態区分となった利用者に対して、生活行為向上リハビリテーションの提供を継続する場合には、算定月数を通算するものとする。
なお、作成した生活行為向上リハビリテーション実施計画を活用することは差し支えないが、利用者の心身の状況等を鑑み、適時適切に計画は見直すこと。
⑶ 移行支援加算について
利用者に対する適時・適切なリハビリテーションの提供を評価するため、移行支援加算を設けた。
① 移行支援加算の考え方
イ 移行支援加算は、指定通所介護事業所等へのスムーズな移行ができるよう、リハビリテーション計画を基に、リハビリテーションを提供し、その結果、利用者のADLとIADLが向上し、指定通所介護等の他のサービス等に移行できるなど、質の高いリハビリテーションを提供しているリハビリテーションを提供する事業所の体制を評価するものである。
ロ 指定通所介護等への移行とは、指定通所リハビリテーション、指定介護予防通所リハビリテーション(指定通所リハビリテーションの場合にあっては、指定通所リハビリテーション間及び指定介護予防通所リハビリテーション間の移行は除く。)や指定通所介護、指定地域密着型通所介護、指定認知症対応型通所介護、指定小規模多機能型居宅介護、指定看護小規模多機能型居宅介護、指定介護予防認知症対応型通所介護、指定介護予防小規模多機能型居宅介護、介護予防・日常生活支援総合事業における通所事業や一般介護予防事業、居宅における家庭での役割を担うこと、就労であること。
ハ 入院、介護保険施設への入所、指定認知症対応型共同生活介護、指定地域密着型特定施設入居者生活介護、指定地域密着型介護老人福祉施設、指定訪問リハビリテーションは移行としては想定していないこと。
② 移行支援加算の算定に関して
移行支援加算は、指定訪問リハビリテーション事業所又は指定通所リハビリテーション事業所について、効果的なサービスの提供を評価する観点から、評価対象期間(各年1月1日から12月31日までの期間をいう。)において、利用者の指定通所介護事業所等への移行割合が一定以上となった場合等に、当該評価対象期間の翌年度における指定訪問リハビリテーション又は指定通所リハビリテーションの提供につき加算を行うものである。
イ 算定方法
以下の両方の条件を満たしていること。
a 指定通所介護事業所等への移行状況
  指定通所介護事業所等への移行を実施した者
 —————————————————————— >5%
  評価対象期間中にサービス提供を終了した者
(指定通所リハビリテーション事業所の場合3%)
b リハビリテーションの利用状況
   12月
————————— >25%
 平均利用延月数
(指定通所リハビリテーション事業所の場合27%)
※ 平均利用延月数の考え方
      評価対象期間の利用者延月数
——————————————————————————
 評価対象期間の(新規利用者数+新規終了者数)÷2
ロ 移行後の継続の有無の評価
評価対象期間中にリハビリテーションの提供を終了した日から起算して14日以降44日以内に、指定訪問リハビリテーション事業所又は指定通所リハビリテーション事業所の従業者が、リハビリテーションの提供を終了した者の状況を電話等により、リハビリテーションの提供を終了した時と比較して、ADLとIADLが維持又は改善していることを確認し、記録すること。
ハ 移行先の事業所へのリハビリテーション計画書の提供
「当該利用者のリハビリテーション計画書を移行先の事業所へ提供」については、利用者の円滑な移行を推進するため、指定訪問リハビリテーション終了者が指定通所介護、指定通所リハビリテーション、指定地域密着型通所介護、指定認知症対応型通所介護、指定小規模多機能型通所介護、指定看護小規模多機能型居宅介護、指定介護予防通所リハビリテーション、指定介護予防認知症対応型通所介護又は指定介護予防小規模多機能型居宅介護事業所へ移行する際に、別紙様式2-2―1及び2-2-2のリハビリテーション計画書等の情報を、利用者の同意の上で指定通所介護、指定通所リハビリテーション、指定地域密着型通所介護、指定認知症対応型通所介護、指定小規模多機能型通所介護、指定看護小規模多機能型居宅介護、指定介護予防通所リハビリテーション、指定介護予防認知症対応型通所介護又は指定介護予防小規模多機能型居宅介護事業所へ提供すること。なお、移行先の事業所への情報提供に際しては、リハビリテーション計画書の全ての情報ではなく、別紙様式2-2―1及び2-2-2の本人の希望、家族の希望、健康状態・経過、リハビリテーションの目標、リハビリテーションサービス等を抜粋したものを提供することで情報提供としてよい。
 
Ⅲ 介護保健施設サービス、介護療養施設サービス及び介護医療院サービスにおけるリハビリテーションマネジメントの実務等について
1 リハビリテーションマネジメントの実務等について
⑴ リハビリテーションマネジメントの体制
① リハビリテーションマネジメントは医師、歯科医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、薬剤師、看護職員、介護職員、管理栄養士、歯科衛生士、介護支援専門員、支援相談員その他の職種(以下「関連スタッフ」という。)が協働して行うものである。
② 各施設等の管理者は、リハビリテーションマネジメントに関する手順(情報収集、アセスメント・評価、カンファレンスの支援、計画の作成、説明・同意、サービス終了前のカンファレンスの実施、サービス終了時の情報提供等)をあらかじめ定める。
⑵ リハビリテーションマネジメントの実務
① サービス開始時における情報収集について
関連スタッフは、サービス開始時までに適切なリハビリテーションを実施するための情報を収集するものとする。情報の収集に当たっては主治の医師から診療情報の提供、担当介護支援専門員等からケアマネジメントに関わる情報の提供を文書で受け取ることが望ましい。なお、これらの文書は別紙様式2-6、2-7の様式例を参照の上、作成する。
② サービス開始時におけるアセスメント・評価、計画、説明・同意について
関連スタッフ毎にアセスメントとそれに基づく評価を行い、多職種協働でサービス開始時カンファレンスを開催し、速やかにリハビリテーション実施計画原案を作成する。リハビリテーション実施計画原案については、利用者又はその家族へ説明し同意を得る。
また、リハビリテーション実施計画原案に関しては、③ハに掲げるリハビリテーション実施計画書の様式又はこれを簡略化した様式を用いるものとする。なお、介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成11年厚生省令第40号)第14条若しくは第50条において準用する第14条、健康保険法等の一部を改正する法律附則第130条の2第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第41号)第15条若しくは第50条において準用する第15条、又は介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成30年厚生省令第5号)第17条若しくは第54条において準用する第17条において作成することとされている各計画の中に、リハビリテーション実施計画原案に相当する内容をそれぞれ記載する場合は、その記載をもってリハビリテーション実施計画原案の作成に代えることができるものとする。
③ サービス開始後2週間以内のアセスメント・評価、計画、説明・同意について
リハビリテーション実施計画原案に基づいたリハビリテーションやケアを実施しながら、サービス開始から概ね2週間以内に以下のイからヘまでの項目を実施する。
イ アセスメント・評価の実施
関連スタッフ毎に別紙様式2-8を参照としたアセスメントを実施し、それに基づく評価を行う。
ロ リハビリテーションカンファレンスの実施
関連スタッフによってリハビリテーションカンファレンスを開催し、目標、到達時期、具体的アプローチ、プログラム等を含む実施計画について検討する。リハビリテーションカンファレンスには、状況に応じて利用者やその家族の参加を求めることが望ましい。
目標の設定に関しては利用者の希望や心身の状況等に基づき、当該利用者が自立した尊厳ある日常生活を送る上で特に重要であると考えられるものとし、その目標を利用者、家族及び関連スタッフが共有することとする。目標、プログラム等の設定に当たっては施設及び居宅サービス計画(以下「ケアプラン」という。)と協調し、両者間で整合性が保たれることが重要である。
ハ リハビリテーション実施計画書の作成
リハビリテーションカンファレンスを経て、リハビリテーション実施計画書を作成する。リハビリテーション実施計画書の作成に当たっては、別紙様式2-9の様式を用いて作成する。なお、リハビリテーション実施計画原案を作成した場合はリハビリテーション実施計画書を新たに作成する必要はなく、リハビリテーション実施計画原案の変更等をもってリハビリテーション実施計画書の作成に代えることができるものとし、変更等がない場合にあっても、リハビリテーション実施計画原案をリハビリテーション実施計画書に代えることができるものとする。なお、別紙様式2-2-1及び2-2-2を用いてリハビリテーション実施計画書を作成することも差し支えないものとする。
リハビリテーション実施計画は、ケアプランと協調し、両者間で整合性が保たれることが重要である。施設サービスにおいてはリハビリテーション実施計画を作成していれば、ケアプランのうちリハビリテーションに関し重複する部分については省略しても差し支えない。
ニ 利用者又は家族への説明と同意
リハビリテーション実施計画の内容については利用者又はその家族に分かりやすく説明を行い、同意を得る。その際、リハビリテーション実施計画書の写しを交付することとする。
ホ 指示と実施
関連スタッフは、医師の指示に基づきリハビリテーション実施計画書に沿ったリハビリテーションの提供を行う。リハビリテーションをより有効なものとする観点からは、専門職種によるリハビリテーションの提供のみならず、リハビリテーションに関する情報伝達(日常生活上の留意点、介護の工夫等)や連携を図り、家族、看護職員、介護職員等による日常生活の生活行為への働きかけを行う。
介護老人保健施設サービス費(Ⅰ)の介護老人保健施設サービス費(ⅰ)又は(ⅲ)を算定すべき介護老人保健施設の医師は、リハビリテーションの実施に当たり、当該事業所の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士に対して、利用者に対する当該リハビリテーションの目的に加えて、当該リハビリテーション開始前又は実施中の留意事項、やむを得ず当該リハビリテーションを中止する際の基準、当該リハビリテーションにおける利用者に対する負荷等のうちいずれか1以上の指示を行うこと。指示の内容については、利用者の状態の変化に応じ、適宜変更すること。
ヘ イからホまでの過程は概ね3か月毎に繰り返し、内容に関して見直すこととする。また、利用者の心身の状態変化等により、必要と認められる場合は速やかに見直すこととする。
管理者及び関連スタッフは、これらのプロセスを繰り返し行うことによる継続的なサービスの質の向上に努める。
④ サービス終了時の情報提供について
イ サービス終了前に、関連スタッフによるリハビリテーションカンファレンスを行う。その際、担当の介護支援専門員や居宅サービス事業所のサービス担当者等の参加を求め、必要な情報を提供する。
ロ サービス終了時には居宅介護支援事業所の介護支援専門員や主治の医師に対してリハビリテーションに必要な情報提供を行う。その際、主治の医師に対しては、診療情報の提供、担当介護支援専門員等に対してはケアマネジメントに関わる情報の提供を文書で行う。なお、これらの文書は別紙様式2-6の様式例を参照の上、作成する(ただし、これらの文書は、リハビリテーション実施計画書、介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準第9条若しくは第50条において準用する第9条、健康保険法等の一部を改正する法律附則第130条の2第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営に関する基準第10条若しくは第50条において準用する第10条又は介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成30年厚生省令第5号)第13条若しくは第54条において準用する第13条に規定するそれぞれのサービスの提供の記録の写しでも差し支えない。)。
 
第3 通所介護及び短期入所生活介護における個別機能訓練加算に関する事務処理手順例及び様式例の提示について
通所介護及び地域密着型通所介護(以下「通所介護等」という。)における個別機能訓練加算を算定する利用者については、住み慣れた地域で居宅において可能な限り自立して暮らし続けることを目的とし、生活機能の維持・向上を図るために、個別機能訓練を実施することが求められる。
本加算の算定要件については、令和3年度介護報酬改定において、より利用者の自立支援等に資する個別機能訓練の提供を促進する観点から、これまでの個別機能訓練加算の取得状況や加算を取得した事業所の個別機能訓練の実施状況等をふまえ、個別機能訓練の実施目的や実施体制、加算取得にあたっての人員配置について見直しを行ったところであり、今般、短期入所生活介護(介護予防含む)における個別機能訓練加算と併せて、改めて個別機能訓練加算の目的、趣旨の徹底を図るとともに、加算の実行性を担保するため、個別機能訓練加算の事務処理手順例及び様式例を示すこととする。
 
Ⅰ 通所介護等における取扱い
1 通所介護等における個別機能訓練加算の目的
通所介護等留意事項通知において示しているように、個別機能訓練加算は、専ら機能訓練を実施する理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、はり師又はきゅう師(はり師及びきゅう師については、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師の資格を有する機能訓練指導員を配置した事業所で6月以上機能訓練指導に従事した経験を有する者に限る。)(以下「理学療法士等」という。)を配置し、機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者(以下「機能訓練指導員等」という。)が共同して、利用者ごとに心身の状態や居宅の環境をふまえた個別機能訓練計画を作成し、当該計画に基づき計画的に個別機能訓練を行うことで、利用者の生活機能の維持・向上を図り、住み慣れた地域で居宅において可能な限り自立して暮らし続けることを目指すため設けられたものである。
本加算の算定にあたっては、加算設置の趣旨をふまえた個別機能訓練計画作成及び個別機能訓練が実施されなければならない。
 
2 個別機能訓練の実務等
個別機能訓練加算の算定にあたっては、以下の⑴~⑶の実施が必要となる。通所介護事業所及び地域密着型通所介護事業所の管理者は、これを参照し、各事業所における個別機能訓練実施に関する一連の手順をあらかじめ定める必要がある。
⑴ 加算算定にあたっての目標設定・個別機能訓練計画の作成
ア 利用者の社会参加状況やニーズ・日常生活や社会生活等における役割の把握、心身の状態の確認
機能訓練指導員等は、個別機能訓練の目標を設定するにあたり、以下の①~④により、利用者のニーズ・日常生活や社会生活等における役割の把握及び心身の状態の確認を行う。
① 利用者の日常生活や社会生活等について、現在行っていることや今後行いたいこと(ニーズ・日常生活や社会生活等における役割)を把握する。これらを把握するにあたっては、別紙様式3-1の興味・関心チェックシートを活用すること。またあわせて、利用者のニーズ・日常生活や社会生活等における役割に対する家族の希望を把握する。
② 利用者の居宅での生活状況(ADL、IADL等)を居宅訪問の上で確認する。具体的には、別紙様式3-2の生活機能チェックシートを活用し以下を実施する。
ⅰ 利用者の居宅の環境(居宅での生活において使用している福祉用具・補助具等を含む)を確認する。
ⅱ ADL、IADL項目について、居宅の環境下での自立レベルや実施するにあたっての課題を把握する。
③ 必要に応じて医師又は歯科医師から、これまでの利用者に対する病名、治療経過、合併疾患、個別機能訓練実施上の留意事項についての情報を得る。直接医師又は歯科医師から情報が得られない場合は、介護支援専門員を通じて情報収集を図ること。
④ 介護支援専門員から、居宅サービス計画に記載された利用者本人や家族の意向、総合的な支援方針、解決すべき課題、長期目標、短期目標、サービス内容などについて情報を得ること。
イ 多職種協働での個別機能訓練計画の作成
アで把握した利用者のニーズ・日常生活や社会生活等における役割及び心身の状態に応じ、機能訓練指導員等が多職種協働で個別機能訓練計画を作成する。その際、必要に応じ各事業所に配置する機能訓練指導員等以外の職種(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、歯科衛生士、管理栄養士等)からも助言を受けることが望ましい。
① 個別機能訓練計画書の作成(総論)
・個別機能訓練計画は別紙様式3-3を参考に作成すること。なお、個別機能訓練計画に相当する内容を通所介護計画又は地域密着型通所介護計画の中に記載する場合は、その記載をもって個別機能訓練計画の作成に代えることができる。
・また、個別機能訓練計画の作成にあたっては、居宅サービス計画、通所介護計画又は地域密着型通所介護計画と連動し、これらの計画と整合性が保たれるように行うことが重要である。なお、通所介護計画書及び地域密着型通所介護計画書は別紙様式3-4を参考に作成すること。
② 個別機能訓練目標・個別機能訓練項目の設定
ⅰ 個別機能訓練目標の設定
・ アで把握した利用者のニーズ・日常生活や社会生活等における役割及び心身の状態に応じ、機能訓練指導員等が協働し、利用者又は家族の意向及び利用者を担当する介護支援専門員の意見も踏まえつつ、個別機能訓練目標を設定する。なお、目標設定にあたっては、当該利用者の意欲の向上に繋がるよう、長期目標・短期目標のように段階的な目標設定をするなど、可能な限り具体的かつ分かりやすい目標とすること。
<長期目標の設定>
長期目標は生活機能の構成要素である以下a~cをバランスよく含めて設定することが求められる。
a 体の働きや精神の働きである「心身機能」
b ADL・家事・職業能力や屋外歩行といった生活行為全般である「活動」
c 家庭や社会で役割を果たすことである「参加」
・ 具体的には、利用者が住み慣れた地域で居宅において可能な限り自立して暮らし続けることができるよう、単に座る・立つ・歩くといった身体機能の向上を目指すことのみを目標とするのではなく、居宅における生活行為(トイレに行く、自宅の風呂に一人で入る、料理を作る、掃除・洗濯をする等)や地域における社会的関係の維持に関する行為(商店街に買い物に行く、囲碁教室に行く、孫とメールの交換をする、インターネットで手続きをする等)等、具体的な生活上の行為の達成を含めた目標とすること。
<短期目標の設定>
長期目標を設定した後は、目標を達成するために必要な行為ごとに細分化し、短期目標として整理する。
(例)長期目標が「スーパーマーケットに食材を買いに行く」の場合必要な行為
・買いたい物を書き記したリストを作る
・買い物量を想定し、マイバッグを用意する
・スーパーマーケットまでの道順を確認する
・スーパーマーケットまで歩いて行く
・スーパーマーケットの入り口で買い物かごを持つ
・スーパーマーケットの中でリストにある食材を見つける
・食材を買い物かごに入れる
・レジで支払いをする
・買った品物を袋に入れる
・買った品物を入れた袋を持って、自宅まで歩いて帰る
ⅱ 個別機能訓練項目の設定
・ 短期目標を達成するために必要な行為のうち、利用者の現状の心身機能等に照らし可能であること、困難であることを整理する。
・ 利用者の現状の心身機能等に照らし困難であることについて、どのような訓練を行えば可能となるのか検討する。
(例)上記の事例において、歩行機能が低下していることから、「スーパーマーケットまで歩いて行く」「スーパーマーケットの中でリストにある食材を見つける」「買った品物を入れた袋を持って、自宅まで歩いて帰る」ことが困難である場合、自宅からスーパーマーケットまでの距離等を勘案した上で、
・歩行機能を向上させる訓練(筋力向上訓練、耐久性訓練、屋内外歩行訓練等)
・歩行を助ける福祉用具(つえ等)を使用する訓練
・歩行機能の向上が難しい場合、代替的な移動手段となりうる福祉用具(電動車いす等)を使用する訓練
を行うことが想定される。
・ 目標を達成するために必要な行為を遂行できるように、生活機能を向上させるための訓練項目を決定する。なお、訓練項目の決定にあたっては、利用者の生活機能の向上に資するよう複数の種類の訓練項目を準備し、その項目の選択に当たっては、利用者の生活意欲の向上に繋がるよう利用者を援助すること。
・ 生活機能の向上のためには、通所介護等提供中に機能訓練を行うのみでなく、利用者が日々の生活においてもできる限り自主訓練を行うことが重要であることから、利用者が自身で又は家族等の援助を受けて、利用者の居宅等においても実施できるような訓練項目をあわせて検討し、提示することが望ましい。
ウ 利用者又はその家族への説明と同意
利用者又はその家族に対し、機能訓練指導員等が個別機能訓練の内容について分かりやすく説明を行い、同意を得ること。またその際、個別機能訓練計画を交付(電磁的記録の提供を含む)すること。
エ 介護支援専門員への報告
介護支援専門員に対し、個別機能訓練計画を交付(電磁的記録の提供を含む)の上、利用者又はその家族への説明を行い、内容に同意を得た旨報告すること。
⑵ 個別機能訓練の実施
ア 個別機能訓練の実施体制
・ 個別機能訓練加算に係る個別機能訓練は、類似の目標を持ち、同様の訓練項目を選択した5人程度以下の小集団(個別対応含む)に対して機能訓練指導員が直接行うこととする。なお、機能訓練指導員が直接個別機能訓練を行っていれば、その補助者として看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が個別機能訓練に関与することは差し支えない。
・ 個別機能訓練の目標を具体的な生活上の行為の達成としている場合、実際の生活上の様々な行為を構成する実際的な行動やそれを模した行動を反復して行うことにより、段階的に目標の行動ができるようになることを目指すことから、事業所内であれば実践的訓練に必要な浴室設備、調理設備・備品等を備えること、事業所外であれば、利用者の居宅や近隣の施設等に赴くこと等により、事業所内外の実地的な環境下で訓練を行うことが望ましい。
イ 訓練時間
個別機能訓練計画に定めた訓練項目の実施に必要な1回あたりの訓練時間を考慮し適切に設定すること。
ウ 訓練実施回数
個別機能訓練の目的を達成するためには、生活機能の維持・向上を図る観点から、計画的・継続的に個別機能訓練を実施する必要があり、概ね週1回以上実施することを目安とする。
⑶ 個別機能訓練実施後の対応
個別機能訓練加算に係る個別機能訓練を開始した後は、
・ 個別機能訓練の目的に照らし、個別機能訓練項目や訓練実施時間が適切であったか、個別機能訓練の効果(例えば当該利用者のADL及びIADLの改善状況)が現れているか等について、評価を行う。
・ 3月ごとに1回以上、利用者の居宅を訪問し、利用者の居宅での生活状況(起居動作、ADL、IADL等の状況)を確認する。また、利用者又はその家族に対して個別機能訓練の実施状況や個別機能訓練の効果等について説明し、記録する。なお、個別機能訓練の実施状況や個別機能訓練の効果等についての説明・記録は、利用者の居宅を訪問する日とは別の日にICT等を活用し行っても差し支えない。
・概ね3月ごとに1回以上、個別機能訓練の実施状況や個別機能訓練の効果等について、当該利用者を担当する介護支援専門員等にも適宜報告・相談し、利用者又はその家族の意向を確認の上、当該利用者に対する個別機能訓練の効果等をふまえた個別機能訓練の目標の見直しや訓練項目の変更を行う。
等、適切な対応を行うこととする。
 
3 個別機能訓練加算(Ⅱ)について
個別機能訓練加算(Ⅱ)は、個別機能訓練加算(Ⅰ)イ又は個別機能訓練加算(Ⅰ)ロの算定要件を満たした上で、個別機能訓練計画書の内容等の情報を科学的介護推進システム(以下、「LIFE」という。)に提出し、機能訓練の実施に当たって、当該情報その他機能訓練の適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用していることを評価したものである。
LIFEへのデータ提出の方法及び当該情報の活用方法の詳細については別に示す通知を参照すること。
 
Ⅱ 短期入所生活介護(介護予防含む)における取扱い
短期入所生活介護(介護予防含む)における個別機能訓練加算と、通所介護等における個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・個別機能訓練加算(Ⅰ)ロとは、加算算定の目的、人員配置要件等が異なっているが、加算算定にあたっての目標設定方法、個別機能訓練計画の作成、個別機能訓練の実施、個別機能訓練実施後の対応については一致する点も多いため、適宜参照されたい。
 
第4 施設サービスにおける栄養ケア・マネジメント及び経口移行加算等に関する基本的な考え方並びに事務処理手順例及び様式例の提示について
1 栄養ケア・マネジメントの基本的な考え方
高齢者の低栄養状態等の予防・改善のために、個別の高齢者の栄養健康状態に着目した栄養ケア・マネジメントの実施を、介護報酬上、栄養マネジメント加算として評価してきたところであるが、令和3年度介護報酬改定において、介護保険施設における栄養ケア・マネジメントの取組を一層強化する観点から、栄養マネジメント加算を廃止し、栄養ケア・マネジメントを基本サービスとして行うこととした。さらに、入所者全員への丁寧な栄養ケアの実施や体制の充実を評価する栄養マネジメント強化加算を新設した。栄養ケア・マネジメントは、低栄養状態のリスクにかかわらず、入所者全員に対し、各入所者の状態に応じ実施することで、低栄養状態等の予防・改善を図り、自立支援・重度化防止を推進するものである。
 
2 栄養ケア・マネジメントの実務等について
⑴ 栄養ケア・マネジメントの体制
ア 栄養ケア・マネジメントは、ケアマネジメントの一環として、個々人に最適な栄養ケアを行い、その実務遂行上の機能や方法手順を効率的に行うための体制をいう。
イ 施設長は、管理栄養士と医師、歯科医師、看護師及び介護支援専門員その他の職種(以下第4において「関連職種」という。)が共同して栄養ケア・マネジメントを行う体制を整備すること。
ウ 施設長は、各施設における栄養ケア・マネジメントに関する手順(栄養スクリーニング、栄養アセスメント、栄養ケア計画、モニタリング、評価等)をあらかじめ定める。
エ 管理栄養士は、入所者又は入院患者(以下「入所(院)者」という。)に適切な栄養ケアを効率的に提供できるよう関連職種との連絡調整を行う。
オ 施設長は、栄養ケア・マネジメント体制に関する成果を含めて評価し、改善すべき課題を設定し、継続的な品質改善に努める。
⑵ 栄養ケア・マネジメントの実務
ア 入所(院)時における栄養スクリーニング
介護支援専門員は、管理栄養士と連携して、入所(院)者の入所(院)後遅くとも1週間以内に、関連職種と共同して低栄養状態のリスクを把握する(以下「栄養スクリーニング」という。)。なお、栄養スクリーニングは、別紙様式4-1の様式例を参照すること。
イ 栄養アセスメントの実施
管理栄養士は、栄養スクリーニングを踏まえ、入所(院)者毎に解決すべき課題を把握する(以下「栄養アセスメント」という。)。栄養アセスメントの実施にあたっては、別紙様式4-1の様式例を参照すること。
ウ 栄養ケア計画の作成
① 管理栄養士は、前記の栄養アセスメントに基づいて、入所(院)者のⅰ)栄養補給(補給方法、エネルギー・たんぱく質・水分の補給量、療養食の適用、食事の形態等食事の提供に関する事項等)、ⅱ)栄養食事相談、ⅲ)課題解決のための関連職種の分担等について、関連職種と共同して、別紙様式4-2の様式例を参照の上、栄養ケア計画を作成する。その際、必要に応じ、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、歯科衛生士の助言を参考とすること。なお、指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第39号)第12条若しくは第49条において準用する第12条、介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準第14条若しくは第50条において準用する第14条、健康保険法等の一部を改正する法律附則第130条の2第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営に関する基準第15条若しくは第50条において準用する第15条、指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)第138条若しくは第169条において準用する第138条又は介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準第17条若しくは第54条において準用する第17条において作成することとされている各計画の中に、栄養ケア計画に相当する内容をそれぞれ記載する場合は、その記載をもって栄養ケア計画の作成に代えることができるものとする。
② 管理栄養士は、サービス担当者会議(入所(院)者に対する施設サービスの提供に当たる担当者の会議)に出席し、栄養ケア計画原案を報告し、関連職種との話し合いのもと、栄養ケア計画を完成させる。栄養ケア計画の内容を、施設サービス計画にも適切に反映させる。
③ 医師は、栄養ケア計画の実施に当たり、その同意等を確認する。
エ 入所(院)者及び家族への説明
介護支援専門員等は、サービスの提供に際して、施設サービス計画に併せて栄養ケア計画を入所(院)者又は家族に分かりやすく説明し、同意を得る。
オ 栄養ケアの実施
① サービスを担当する関連職種は、医師の指導等に基づき栄養ケア計画に基づいたサービスの提供を行う。
② 管理栄養士は、食事の提供に当たっては、給食業務の実際の責任者としての役割を担う者(管理栄養士、栄養士、調理師等)に対して、栄養ケア計画に基づいて個別対応した食事の提供ができるように説明及び指導する。なお、給食業務を委託している場合においては、委託業者の管理栄養士等との連携を図る。
③ 管理栄養士は、栄養ケア計画に基づいて、栄養食事相談を実施する。
④ 管理栄養士は、関連職種と共同して食事摂取状況や食事に関するインシデント・アクシデント事例等の把握を行う。
⑤ 管理栄養士は、栄養ケア提供の主な経過を記録する。記録の内容は、栄養補給(食事の摂取量等)の状況や内容の変更、栄養食事相談の実施内容、課題解決に向けた関連職種のケアの状況等について記録する。なお、指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準第8条若しくは第49条において準用する第8条、介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準第9条若しくは第50条において準用する第9条又は健康保険法等の一部を改正する法律附則第130条の2第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営に関する基準第10条若しくは第50条において準用する第10条、指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準第135条若しくは第169条において準用する第135条又は介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準第13条若しくは第54条において準用する第13条に規定するそれぞれのサービスの提供の記録において管理栄養士が栄養ケア提供の経過を記録する場合にあっては、当該記録とは別に栄養ケア提供の経過を記録する必要はないものとする。
カ 実施上の問題点の把握
管理栄養士又は関連職種は、栄養ケア計画の変更が必要となる状況を適宜把握する。栄養ケア計画の変更が必要になる状況が確認された場合には、対応する関連の職種へ報告するとともに計画の変更を行う。
キ モニタリングの実施
① 管理栄養士又は関連職種は、入所(院)者ごとの栄養状態に応じて、定期的に、入所者の生活機能の状況を検討し、栄養状態のモニタリングを行うこと。その際、栄養スクリーニング時に把握した入所(院)者ごとの低栄養状態のリスクのレベルに応じ、それぞれのモニタリング間隔を設定し、入所者ごとの栄養ケア計画に記載すること。その際、低栄養状態の低リスク者はおおむね3か月毎、低栄養状態の高リスク者及び栄養補給法の移行(経管栄養法から経口栄養法への変更等)の必要性がある者の場合には、おおむね2週間毎等適宜行う。ただし、低栄養状態の低リスク者も含め、体重は1か月毎に測定する。
② 管理栄養士又は関連職種は、長期目標の達成度、体重等の栄養状態の改善状況、栄養補給量等をモニタリングし、総合的な評価判定を行うとともに、サービスの質の改善事項を含めた、栄養ケア計画の変更の必要性を判断する。モニタリングの記録は、別紙様式4-1の様式例を参照の上、作成する。
ク 再栄養スクリーニングの実施
介護支援専門員は、管理栄養士と連携して、低栄養状態のリスクにかかわらず、栄養スクリーニングを三か月毎に実施する。
ケ 栄養ケア計画の変更及び退所(院)時の説明等
栄養ケア計画の変更が必要な場合には、管理栄養士は、介護支援専門員に、栄養ケア計画の変更を提案し、サービス担当者会議等において計画の変更を行う。
また、入所(院)者の退所(院)時には、総合的な評価を行い、その結果を入所(院)者又は家族に分かりやすく説明するとともに、必要に応じて居宅介護支援専門員や関係機関との連携を図る。
コ 帳票の整理
栄養ケア・マネジメントを実施している場合には、個別の高齢者の栄養状態に着目した栄養管理が行われるため、検食簿、喫食調査結果、入所(院)者の入退所簿及び食料品消費日計等の食事関係書類(食事箋及び献立表を除く。)、入所(院)者年齢構成表及び給与栄養目標量に関する帳票は、作成する必要がないこととする。
 
3 栄養マネジメント強化加算について
栄養マネジメント強化加算は、栄養ケアに係る体制の充実を図るとともに、上記「2 栄養ケア・マネジメントの実務等について」で示した栄養ケア・マネジメントを実施した上で、更に入所(院)者全員への丁寧な栄養ケアを実施している場合に、算定できるものである。丁寧な栄養ケアの実施に当たっては、以下を参考とすること。
⑴ 食事の観察について
ア 低栄養状態のリスクが高リスク及び中リスクに該当する者
低栄養状態のリスクが高リスクに該当する者は、別紙様式4-1の様式例に示す食事摂取量、食欲・食事の満足度、食事に対する意識、多職種による栄養ケアの課題(低栄養関連問題)のうち口腔関係の項目、栄養ケア計画に記載した食事の観察の際に特に確認すべき点等を総合的に観察する。低栄養状態のリスクが中リスクに該当する者は、栄養ケア計画に記載した食事の観察の際に特に確認すべき視点を中心に観察する。
ただし、1回の食事の観察で全てを確認する必要はなく、週3回以上(異なる日に実施)の食事の観察を行う中で確認できれば差し支えない。適宜、食事の調整や食事環境の整備等を実施するとともに、問題点が見られた場合は、速やかに関連する職種と情報共有を行い、栄養ケア計画の変更の必要性を判断すること。また、食事の観察を行った日付と食事の調整や食事環境の整備等を実施した場合の対応を記録すること。
イ 低栄養状態のリスクが低リスクに該当する者
アの者に対する食事の観察の際に、あわせて食事の状況を適宜把握すること。問題点がみられた場合は、速やかに関連する職種と情報共有し、栄養ケア計画の変更の必要性を判断すること。
⑵ 退所(院)時の対応
低栄養状態のリスクが高リスク及び中リスクに該当する者が退所し、居宅での生活に移行する場合は、入所(院)者又はその家族に対し、管理栄養士が退所後の食事に関する相談支援を行うこと。また、他の介護保険施設や医療機関に入所(院)する場合は、入所(院)中の栄養管理に関する情報(必要栄養量、食事摂取量、嚥下調整食の必要性(嚥下食コード)、食事上の留意事項等)を入所(院)先に提供すること。
 
4 経口移行加算等について
経口移行加算に係る経口移行計画及び経口維持加算に係る経口維持計画については、別紙様式4-2の様式例を参照の上、栄養ケア計画と一体的に作成する。なお、指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準第12条若しくは第49条において準用する第12条、介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準第14条若しくは第50条において準用する第14条又は健康保険法等の一部を改正する法律附則第130条の2第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営に関する基準第15条若しくは第50条において準用する第15条において作成することとされている各計画の中に、経口移行計画又は経口維持計画に相当する内容をそれぞれ記載する場合は、その記載をもって経口移行計画又は経口維持計画の作成に代えることができるものとする。
 
第5 居宅サービスにおける栄養ケア・マネジメント等に関する事務処理手順例及び様式例の提示について
1 通所サービスにおける栄養ケア・マネジメントの実務等について
⑴ 通所サービスにおける栄養ケア・マネジメントの提供体制
ア 栄養ケア・マネジメントは、ケアマネジメントの一環として、個々人に最適な栄養ケアを行い、その実務遂行上の機能や方法手順を効率的に行うための体制をいう。
イ 事業所は、管理栄養士(他の介護事業所(栄養改善加算の対象事業所に限る。)、医療機関、介護保険施設(栄養マネジメント強化加算の算定要件として規定する員数を超えて管理栄養士を置いているもの又は常勤の管理栄養士を1名以上配置しているものに限る。)又は公益社団法人日本栄養士会若しくは都道府県栄養士会が設置し、運営する「栄養ケア・ステーション」との連携を含む。以下この項において同じ。)と主治の医師、歯科医師、看護師及び居宅介護支援専門員その他の職種(以下「関連職種」という。)が行う体制を整備すること。
ウ 事業所における栄養ケア・マネジメントに関する手順(栄養スクリーニング、栄養アセスメント、栄養ケア計画、モニタリング、評価等)をあらかじめ定める。
エ 管理栄養士は、利用者に適切な栄養ケアを効率的に提供できるよう関連職種との連絡調整を行う。
オ 事業所は、栄養ケア・マネジメント体制に関する成果を含めて評価し、改善すべき課題を設定し、継続的な品質改善に努める。
⑵ 栄養ケア・マネジメントの実務
ア 利用開始時における栄養スクリーニング
管理栄養士は、利用者の利用開始時に、関連職種と共同して、低栄養状態のリスクを把握する(以下「栄養スクリーニング」という。)。なお、栄養スクリーニングの結果は、別紙様式5-1の様式例を参照の上、記録する。
イ 栄養アセスメントの実施
管理栄養士は、栄養スクリーニングを踏まえ、利用者毎に解決すべき課題を把握する(以下「栄養アセスメント」という。)。栄養アセスメントの実施にあたっては、別紙様式5-1の様式例を参照の上、作成する。栄養アセスメント加算を算定する場合は、栄養アセスメントの結果(低栄養状態のリスク、解決すべき栄養管理上の課題の有無等)を当該利用者又はその家族に対して説明し、必要に応じ解決すべき栄養管理上の課題に応じた栄養食事相談、情報提供等を行うこと。利用者の解決すべき栄養管理上の課題を的確に把握し、適切な栄養改善サービスにつなげることを目的としているため、利用者全員に継続的に実施することが望ましい。利用者又はその家族への説明に当たっては、LIFEにおける利用者フィードバック票を活用すること。
ウ 栄養ケア計画の作成
① 管理栄養士は、前記の栄養アセスメントに基づいて、利用者のⅰ)栄養補給(補給方法、エネルギー・たんぱく質・水分の補給量、慢性的な疾患に対する対応、食事の形態等食事の提供に関する事項等)、ⅱ)栄養食事相談、ⅲ)課題解決のための関連職種の分担等について、関連職種と共同して、別紙様式5-2の様式例を参照の上栄養ケア計画を作成する。その際、必要に応じ、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、歯科衛生士の助言を参考とすること。なお、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第99条若しくは第115条、指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準第27条、第52条若しくは第179条、指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準(平成18年厚生労働省令第35号)第125条又は指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準(平成18年厚生労働省令第36号)第42条において作成することとされている各計画の中に、栄養ケア計画に相当する内容をそれぞれ記載する場合は、その記載をもって栄養ケア計画の作成に代えることができるものとする。
② 管理栄養士は、作成した栄養ケア計画原案については、関連職種と調整を図り、サービス担当者会議に事業所を通じて報告し、栄養ケア計画原案を報告し、関連職種との話し合いのもと、栄養ケア計画を完成させる。栄養ケア計画の内容を、居宅サービス計画に適切に反映させる。
③ 管理栄養士は、利用者の主治の医師の指示・指導が必要な場合には、利用者の主治の医師の指示・指導を受けなければならない。
エ 利用者及び家族への説明
管理栄養士は、サービスの提供に際して、栄養ケア計画を利用者又は家族に説明し、サービス提供に関する同意を得る。
オ 栄養ケアの実施
① 管理栄養士と関連職種は、主治の医師の指示・指導が必要な場合には、その指導等に基づき栄養ケア計画に基づいたサービスの提供を行う。
② 管理栄養士は、通所サービスでの食事の提供に当たっては、給食業務の実際の責任者としての役割を担う者(管理栄養士、栄養士、調理師等)に対して、栄養ケア計画に基づいて個別対応した食事の提供ができるように説明及び指導する。なお、給食業務を委託している場合においては、委託業者の管理栄養士等との連携を図る。
③ 管理栄養士は、栄養ケア計画に基づいて、栄養食事相談を実施する。居宅における食事の状況を聞き取った結果、課題がある場合は、当該課題を解決するため、利用者又はその家族の同意を得て、当該利用者の居宅を訪問し、居宅での食事状況・食事環境等の具体的な課題の把握や、主として食事の準備をする者に対する栄養食事相談等の栄養改善サービスを提供すること。
④ 管理栄養士は、関連職種に対して、栄養ケア計画に基づいて説明、指導及び助言を行う。
⑤ 管理栄養士は、関連職種と共同して食事摂取状況や食事に関するインシデント・アクシデントの事例等の把握を行う。
⑥ 管理栄養士は、栄養ケア提供の主な経過を記録する。記録内容、栄養補給(食事等)の状況や内容の変更、栄養食事相談の実施内容、課題解決に向けた関連職種のケアの状況等について記録する。なお、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準第105条若しくは第119条において準用する第19条、指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準第37条、第61条若しくは第182条において準用する第3条の18、指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準第123条において準用する第49条の13、若しくは第237条又は指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準第21条に規定するサービスの提供の記録において管理栄養士が栄養ケア提供の経過を記録する場合にあっては、当該記録とは別に栄養改善加算の算定のために栄養ケア提供の経過を記録する必要はないものとする。
カ 実施上の問題点の把握
管理栄養士又は関連職種は、栄養ケア計画の変更が必要となる状況を適宜把握する。栄養ケア計画の変更が必要になる状況が確認された場合には、管理栄養士は対応する関連の職種へ報告するとともに計画の変更を行う。
キ モニタリングの実施
① モニタリングは、栄養ケア計画に基づいて、低栄養状態の低リスク者は三か月毎、低栄養状態の高リスク者及び栄養補給法の移行の必要性がある者の場合には、2週間毎等適宜行う。ただし、低栄養状態の低リスク者も含め、体重は1か月毎に測定する。
② 管理栄養士又は関連職種は、長期目標の達成度、体重等の栄養状態の改善状況、栄養補給量等をモニタリングし、総合的な評価判定を行うとともに、サービスの質の改善事項を含めた、栄養ケア計画の変更の必要性を判断する。モニタリングの記録は、別紙様式5-1の様式例を参照の上、作成する。
③ 低栄養状態のリスクの把握やモニタリング結果は、3か月毎に事業所を通じて利用者を担当する介護支援専門員等へ情報を提供する。
ク 再栄養スクリーニングの実施
管理栄養士は関連職種と連携して、低栄養状態のおそれのある者の把握を三か月毎に実施する。
ケ 栄養ケア計画の変更及び終了時の説明等
栄養ケア計画の変更が必要な場合には、管理栄養士は、居宅介護支援専門員に、栄養ケア計画の変更を提案し、サービス担当者会議等において計画の変更を行う。計画の変更については、利用者又は家族へ説明し同意を得る。
また、利用者の終了時には、総合的な評価を行い、その結果を利用者又は家族に説明するとともに、必要に応じて居宅介護支援専門員や関係機関との連携を図る。
 
2 管理栄養士の居宅療養管理指導の実務について
管理栄養士の居宅療養管理指導にかかる栄養スクリーニング、栄養アセスメント、栄養ケア計画、モニタリング、評価等については、別紙様式5-1、5-2の様式例を準用する。ただし、当該指導に必要とされる事項が記載できるものであれば、別の様式を利用して差し支えない。
 
第6 口腔・栄養スクリーニング加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順例及び様式例の提示について
1 口腔・栄養スクリーニングの基本的考え方
平成30年度介護報酬改定において、通所系サービスにおける栄養状態のスクリーニングを行う栄養スクリーニング加算が新設された。令和3年度介護報酬改定において、口腔の健康状態のスクリーニングを併せて実施する口腔・栄養スクリーニング加算として評価する見直しを行った。
口腔・栄養スクリーニングは、事業所において、口腔の健康状態及び栄養状態についての簡易な評価を継続的に実施することにより、利用者の状態に応じて必要な医療や口腔機能向上サービス、栄養改善サービス等の提供に繋げるとともに、当該事業所の従業者の口腔・栄養に関する意識の向上を図ることを目的とするものである。
例えば、噛む力が弱まると食事量が減ることで、必要なエネルギーやたんぱく質等の栄養素が不足し、低栄養のリスクが高まるなど、口腔の健康状態と栄養状態は密接に関わっていることから、口腔の健康状態のスクリーニングと栄養状態のスクリーニングは一体的に実施すべきものである。
 
2 口腔・栄養スクリーニングの実務等について
⑴ 口腔・栄養スクリーニングの実施体制
ア 口腔・栄養スクリーニングは、ケアマネジメントの一環として、介護職員等が、利用者全員の口腔の健康状態及び栄養状態を継続的に把握することが望ましい。
イ 事業所における口腔・栄養スクリーニングに関する手順をあらかじめ定めること。また、効率的・効果的にスクリーニングを実施するため、口腔の健康状態のスクリーニングと栄養状態のスクリーニングは一体的に実施することが望ましい。
ウ 事業所は、口腔・栄養スクリーニングの実施体制を評価し、効率的・効果的に実施できるよう改善すべき課題を整理・分析し、継続的な見直しに努めること。
エ 利用者が複数の通所事業所等を利用している場合は、口腔・栄養スクリーニングを行う事業所を、利用者又は家族の希望も踏まえてサービス担当者会議等で検討した上で、介護支援専門員が決定することとし、原則として、当該事業所が継続的にスクリーニングを実施すること。
⑵ 口腔・栄養スクリーニングの実務
① スクリーニングの実施
介護職員等は、利用者のサービス利用開始時又は事業所における口腔・栄養スクリーニング加算の算定開始時に、別紙様式6を用いてスクリーニングを行うこと。
② スクリーニング結果の情報提供等
介護職員等は、各利用者のスクリーニング結果を、当該利用者を担当する介護支援専門員に別紙様式6を参考に文書等で情報提供すること。
また、口腔の健康状態が低下しているおそれのある場合又は低栄養状態の利用者については、かかりつけ医又はかかりつけ歯科医への受診状況を利用者又はその家族等に確認し、必要に応じて受診を促すとともに、当該利用者を担当する介護支援専門員に対して、口腔機能向上サービス又は栄養改善サービスの提供を検討するように依頼すること。
③ 再スクリーニングの実施
介護職員等は、再スクリーニングを6か月毎に実施するとともに、前回実施した際の結果と併せて②に従い介護支援専門員に情報提供等を行うこと。これらを継続的に実施することにより、利用者の口腔の健康状態及び栄養状態の維持・向上に努めること。
 
第7 口腔衛生の管理体制に関する基本的考え方並びに事務処理手順例及び様式例の提示について
1 口腔衛生の管理体制の基本的な考え方
口腔衛生の管理体制は、ケアマネジメントの一環として、歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士(以下「歯科医師等」という。)及び関連職種の共同により、口腔衛生に係る課題把握・改善を行い、入所者に適した口腔清掃等を継続的に行うための体制をいう。
歯・口腔の健康の保持・増進を図ることは、自立した質の高い生活を営む上で重要であり、介護保険施設における口腔衛生等の管理は、利用者の口腔の健康状態に応じた効率的・効果的な口腔清掃等が行われるだけでなく、摂食・嚥下機能の維持・向上、栄養状態の改善等にもつながるものである。
口腔衛生の管理については、平成21年に口腔機能維持管理加算が新設、平成27年に口腔衛生管理体制加算に名称変更され、介護保険施設の入所者に対して計画的な口腔ケア・マネジメントを行うことができるよう、歯科医師等が日常的な口腔清掃等のケアに係る技術的指導・助言を行う場合の評価を行ってきた。
令和3年度介護報酬改定において、全ての施設系サービスにおいて口腔衛生の管理体制を整備し、入所者の状態に応じた丁寧な口腔衛生の管理を更に充実させる観点から、施設系サービスにおける口腔衛生管理体制加算を廃止し、基本サービスとして行うこととした。歯科医師等に技術的指導・助言を受ける体制を整備していない介護保険施設においては、郡市区歯科医師会等と連携を図りながら、施設における口腔衛生の管理体制の整備を進められたい。
 
2 口腔衛生の管理体制の整備にかかる実務について
⑴ 口腔衛生管理体制計画の立案
歯科医師等は、介護保険施設における口腔清掃等の実態の把握、介護職員からの相談等を踏まえ、当該施設の実情に応じ、口腔衛生の管理に係る技術的助言・指導を行うこと。
介護職員は、当該技術的助言・指導に基づき、別紙様式7を参考に、以下の事項を記載した口腔衛生管理体制計画を作成すること。
ア 助言を行った歯科医師等
イ 歯科医師からの助言の要点
ウ 当該施設における実施目標
エ 具体的方策
オ 留意事項・特記事項
⑵ 入所者の口腔の状況の確認
口腔衛生管理体制計画に基づき、介護職員が口腔の健康状態のスクリーニングを行い、入所者の口腔清掃の自立度、口腔の健康状態等について把握すること。スクリーニングを行うに当たっては、利用者について、それぞれ次に掲げる確認を行うこと。
【スクリーニング例】
・ 歯や入れ歯が汚れている
・ 歯が少ないのに入れ歯を使っていない
・ むせやすい
歯・口腔の疾患が疑われる場合や介護職員による口腔清掃等が困難な場合等は、歯科医師による訪問診療等の際、各利用者の口腔の健康状態に応じた口腔健康管理が行われるよう、当該歯科医師に相談することが望ましい。
⑶ 口腔清掃の用具の整備
口腔清掃には、歯の清掃に用いる歯ブラシ、ワンタフトブラシ、舌に用いる舌ブラシ、口腔粘膜に用いるスポンジブラシ、義歯に用いる義歯ブラシ等の清掃用具が用いられる。利用者の口腔の健康状態や自立度等を踏まえ、歯科医師等の技術的助言・指導に基づき、口腔清掃の用具を選択すること。
⑷ 口腔清掃の実施
口腔清掃の実施担当者及び実施時刻等を、口腔清掃の実施回数・方法・内容等を踏まえて検討し、施設におけるサービス提供に係るタイムスケジュールに組み込むこと。
⑸ 介護職員の口腔清掃に対する知識・技術の習得、安全確保
口腔清掃は、正しい知識をもって行わない場合、歯や粘膜を傷つけるだけでなく、食物残渣や唾液等の誤嚥による肺炎を引き起こすおそれもあるため、歯科医師等から口腔清掃の用具の使用方法の指導を受けることは重要である。
また、口腔清掃に携わらない職員についても、口腔衛生、口腔機能の維持・向上、誤嚥性肺炎等について理解を深めることは重要である。
なお、歯科医師等が単独で介護職員への研修会等を開催することが困難な場合は、都道府県や都道府県歯科医師会等で実施されている介護職員向けの研修を紹介することでも差し支えない。
⑹ 食事環境をはじめとした日常生活における環境整備
介護職員は、歯科医師等に入所者の口腔機能等に応じた食事の提供、食形態等について必要に応じて相談し、食事環境等の整備に努めること。
⑺ 歯科医師等からの技術的助言・指導と計画の見直し
介護職員は、口腔清掃等を含めた施設における課題や疑問等を、適宜、歯科医師等に相談する。
歯科医師等は、概ね6か月毎に、施設における口腔清掃の実態、介護職員からの相談等を踏まえ、当該施設の実情に応じた口腔衛生管理体制計画に係る技術的助言・指導を行うこと。
介護職員は、当該技術的助言・指導を踏まえ、口腔衛生管理体制計画の見直しを行い、口腔衛生の管理体制の充実を図ること。
 
第8 口腔機能向上加算等に関する事務処理手順例及び様式例の提示について
1 口腔機能向上サービスの実務等について
⑴ 通所サービスにおける口腔機能向上サービスの提供体制
ア 口腔機能向上サービスの提供体制は、ケアマネジメントの一環として、個々人に最適な実地指導を行い、その実務遂行上の機能や方法手順を効率的に行うための体制をいう。
イ 事業所は、言語聴覚士、歯科衛生士又は看護職員(以下「サービス担当者」という。)と介護職員、生活相談員その他の職種の者等(以下「関連職種」という。)が共同した口腔機能向上サービスを行う体制を整備する。
ウ 事業所は、サービス担当者と関連職種が共同して口腔機能向上サービスに関する手順(スクリーニング・アセスメント、口腔機能改善管理指導計画、サービス実施、モニタリング等)をあらかじめ定める。
エ サービス担当者は、利用者に適切な実地指導を効率的に提供できるよう関連職種との連絡調整を行う。
オ 事業所は、サービス担当者と関連職種が共同して口腔機能向上サービス体制に関する成果を含めて評価し、改善すべき課題を設定し、継続的なサービス提供内容の改善に努める。
⑵ 口腔機能向上サービスの実務
ア スクリーニング・アセスメントの実施
サービス担当者は、利用開始時においては、利用者毎に口腔衛生、摂食・嚥下機能等に関する解決すべき課題の確認・把握を行う。解決すべき課題の確認・把握の実施にあたっては、別紙様式8の様式例を参照の上、作成する。
様式例における解決すべき課題の確認・把握に係る項目については、事業所の実状にあわせて項目を追加することについては差し支えない。ただし、項目の追加に当たっては、利用者等の過剰な負担とならぬよう十分配慮しなければならない。
イ 口腔機能改善管理指導計画の作成
① サービス担当者は、スクリーニング・アセスメントに対しサービス担当者と関連職種が共同して取り組むべき事項等について記載した口腔機能改善管理指導計画を作成する。なお、この作成には、別紙様式8の様式例を参照の上、作成することとし、必要に応じて理学療法士、作業療法士、管理栄養士等の助言を参考にする。ただし、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準第99条第115条若しくは第184条、指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準第27条、第40条の9、第52条、第77条、第98条、第119条若しくは第179条、指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準第125条若しくは第247条又は指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準第42条、第66条若しくは第87条において作成することとされている各計画の中に、口腔機能改善管理指導計画に相当する内容をそれぞれ記載する場合は、その記載をもって口腔機能改善管理指導計画の作成に代えることができるものとすること。
② サービス担当者は、作成した口腔機能改善管理指導計画について、関連職種と調整を図り、居宅サービス計画又は介護予防サービス計画にも適切に反映させる。
③ 介護予防通所介護又は通所介護において行われる口腔機能向上サービスの場合、サービス担当者は、それぞれの職種が兼ね備えた専門知識、技術等を用いて実施する。しかし、利用者の心身の状況等に応じ、利用者の主治の医師又は主治の歯科医師の指示・指導が必要と判断される場合は、サービス担当者は、主治の医師又は主治の歯科医師の指示・指導を受けること。
④ 介護予防通所リハビリテーション又は通所リハビリテーションにおいて行われる口腔機能向上サービスの場合、サービス担当者は、医師又は歯科医師の指示・指導が必要であり、利用者の主治の医師又は主治の歯科医師等の指示・指導を受けなければならない。
ウ 利用者又はその家族への説明
サービス担当者は、口腔機能向上サービスの提供に際して、口腔機能改善管理指導計画を利用者又はその家族に説明し、口腔機能向上サービスの提供に関する同意を得る。医師又は歯科医師は、サービス担当者への指示・指導が必要な場合、口腔機能改善管理指導計画の実施に当たり、その計画内容、利用者又はその家族の同意等を確認する。
エ 口腔機能向上サービスの実施
① サービス担当者と関連職種は、口腔機能改善管理指導計画に基づいた口腔機能向上サービスの提供を行う。
② サービス担当者は、口腔機能改善管理指導計画に基づいて、口腔衛生、摂食・嚥下機能等に関する実地指導を実施する。
③ サービス担当者は、口腔機能向上サービスの提供に当たっては、それぞれの職種が兼ね備えた専門知識、技術等を用いて実施する。しかし、利用者の心身の状況等に応じ、利用者の主治の医師又は主治の歯科医師等の指示・指導が必要と考えられる場合、サービス担当者は、主治の医師又は主治の歯科医師等の指示・指導を受けなければならない。また、関連職種に対して、口腔機能改善管理指導計画に基づいて個別又は集団に対応した口腔機能向上サービスの提供ができるように指導及び助言等を行う。
④ サービス担当者は、関連職種と共同して口腔機能向上サービスに関するインシデント・アクシデント事例等の把握を行う。
⑤ サービス担当者は、口腔機能向上サービス提供の主な経過を記録する。記録の内容は、実施日、サービス提供者氏名及び職種、指導の内容(口腔清掃、口腔清掃に関する指導、摂食・嚥下等の口腔機能に関する指導、音声・言語機能に関する指導)について記録する。なお、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準第105条若しくは第119条において準用する第19条若しくは第181条、指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準第37条、第40条の16、第61条、第88条若しくは第182条において準用する第3条の18、第95条若しくは第116条、指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準第123条において準用する第49条の13若しくは第237条又は指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営並びに指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準第21条、第64条において準用する第21条若しくは第75条に規定するサービスの提供の記録においてサービス担当者が口腔機能向上サービス提供の経過を記録する場合は、当該記録とは別に歯科衛生士等の居宅療養管理指導費又は口腔機能向上加算の算定のために口腔機能向上サービスの提供の経過を記録する必要はないものとすること。
オ 実施上の問題点の把握
サービス担当者は、口腔機能改善管理指導計画に基づき、利用者の目標の達成状況、口腔衛生、口腔機能の改善状況等を適宜把握する。改善状況に係る記録は、別紙様式8の様式例を参照の上、作成する。口腔機能改善管理指導計画の変更が必要になる状況が疑われる場合には、口腔機能改善管理指導計画の変更を検討する。
カ モニタリングの実施
① サービス担当者は、目標の達成状況、口腔衛生、摂食・嚥下機能等の改善状況等を宜モニタリングし、評価を行うとともに、サービスの見直し事項を含めた、口腔機能改善管理指導計画の変更の必要性を判断する。モニタリングの記録は、別紙様式8の様式例を参照の上、作成する。
② モニタリングは、口腔機能改善管理指導計画に基づき、概ね1か月毎に適宜行う。
キ 再把握の実施
サービス担当者は、口腔衛生、摂食・嚥下機能等に関する解決すべき課題の把握を3か月毎に実施し、事業所を通じて利用者を担当する介護支援専門員又は介護予防支援事業者等へ情報を提供する。なお、この把握には、別紙様式8の様式例を参照の上、作成する。
介護支援専門員又は介護予防支援事業者等は、情報提供を受け、サービス担当者と連携して、口腔衛生、摂食・嚥下機能等に関するリスクにかかわらず、把握を3か月毎に実施する。
ク 口腔機能向上サービスの継続及び終了時の説明等
サービス担当者は、総合的な評価を行い、口腔機能向上サービスの継続又は終了の場合には、その結果を利用者又はその家族に説明するとともに、利用者を担当する介護支援専門員又は介護予防支援事業者等に継続又は終了の情報を提供し、サービスを継続又は終了する。サービスの継続又は終了については、利用者又はその家族へ説明し同意を得る。
評価の結果、改善等により終了する場合は、関連職種や居宅サービス事業所又は介護予防サービス事業所との連携を図る。また、評価において医療が必要であると考えられる場合は、主治の医師又は主治の歯科医師、介護支援専門員若しくは介護予防支援事業者並びに関係機関(その他の居宅サービス事業所等)との連携を図る。
 
2 歯科衛生士等の居宅療養管理指導の実務等について
居宅療養管理指導にかかる口腔機能スクリーニング、口腔機能アセスメント、管理指導計画、モニタリング、評価等については、原則として、別紙様式8の様式例を参照の上、作成する。ただし、別紙様式8の様式例によらない場合であっても、個々の利用者の口腔衛生、摂食・嚥下機能等に着目した居宅療養管理指導が適切に行われており、当該指導に必要とされる事項が記載されている場合にあっては、別の様式を利用して差し支えない。
 
 












































 
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