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リハビリテーションマネジメントの基本的考え方並びに加算に関する事務処理手順例及び様式例の提示について
老老発第0327001号

リハビリテーションマネジメントの基本的考え方並びに加算に関する事務処理手順例及び様式例の提示について (老老発第0327001号)

発出日:平成18年3月27日
更新日:令和3年3月16日
リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理及び口腔管理の実施に関する基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(令和3年3月16日老認発0316第3号 老老発0316第2号)により廃止

 
老老発第0327001号
平成18年3月27日
 
各都道府県介護保険主管部(局)長 殿
 
厚生労働省老健局老人保健課長 印
 
リハビリテーションマネジメントの基本的考え方並びに
加算に関する事務処理手順例及び様式例の提示について
 
リハビリテーションマネジメントは、高齢者の尊厳ある自己実現を目指すという観点に立ち、利用者の生活機能向上を実現するため、介護保険サービスを担う専門職やその家族等が協働して、継続的な「サービスの質の管理」を通じて、適切なリハビリテーションを提供し、もって利用者の要介護状態又は要支援状態の改善や悪化の防止に資するものである。
その促進を図るため、平成18年度より、通所リハビリテーションサービス、訪問リハビリテーションサービス、介護保健施設サービス、 介護療養施設サービスにおいて「リハビリテーションマネジメント加算」を設定してきたところである。その算定については、平成21年度介護報酬改定に伴い、別に通知する「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成12年老企第36号)、「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス、認知症対応型共同生活介護及び特定施設入所者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成12年老企第40号)、「特定診療費の算定に関する留意事項について」(平成12年老企第58号)及び「指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成18年老計発第0317001号、老振発第0317001号、老老発第0317001号)において示しているところであるが、既に、多くの事業所で算定されている現状を踏まえ、一部のサービスについては、本体報酬に包括化することとした。
平成27年度介護報酬改定においては、訪問リハビリテーションと通所リハビリテーションについて、リハビリテーションマネジメント加算を見直しており、当該加算の詳細については「リハビリテーションマネジメント加算等に関する基本的な考え方並びにリハビリテーション計画書等の事務処理手順及び様式例の提示について」(平成27年老老発0327第3号)を参照されたい。
本通知については、平成21年度介護報酬改定において、一部のサービスのリハビリテーションマネジメント加算が本体報酬に包括化された際の基本的な考え方等を示すものであることから、廃止しないこととしたものであり、その位置付けについて御了知の上、管内市町村、関係団体、関係機関にその周知を図られたい。
 
 
1.基本的考え方
 
(1)リハビリテーションの目的
リハビリテーションは、心身に障害のある人々の全人間的復権を理念として、単なる機能回復訓練ではなく、潜在する能力を最大限に発揮させ、日常生活の活動を高め、家庭や社会への参加を可能にし、その自立を促すものであり、自立した生活への支援を通じて、利用者の生活機能の改善、悪化の防止や尊厳ある自己実現に寄与することを目的とするものである。
 
(2)リハビリテーションマネジメントの運用に当たって
利用者に対して漫然とリハビリテーションの提供を行うことがないように、利用者毎に、解決すべき課題の把握(アセスメント)を適切に行い、改善に係る目標を設定し、計画を作成した上で、必要な時期に必要な期間を定めてリハビリテーションの提供を行うことが重要である。また、リハビリテーションは、理学療法士、作業療法士、又は言語聴覚士だけが提供するものではなく、医師、看護職員、介護職員、生活相談員等様々な専門職が協働し、また利用者の家族にも役割を担っていただいて提供されるべきものである。特に日常生活上の生活行為への働きかけである介護サービスは、リハビリテーションの視点から提供されるべきものであるとの認識が重要である。リハビリテーションを提供する際には、利用者のニーズを踏まえ、利用者本人による選択を基本とし、利用者やその家族にサービス内容について文書を用いてわかりやすく説明し、その同意を得なければならない。利用者やその家族の理解を深め、協働作業が十分になされるために、リハビリテーション、生活不活発病(廃用症候群)や生活習慣病等についての啓発を行うことも重要である。
 
(3)継続的なサービスの質の向上に向けて
施設サービスにおいて提供されるリハビリテーションは、施設退所後の居宅における利用者の生活やその場において提供されるリハビリテーションを考慮した上で、利用者の在宅復帰に資するものである必要があり、施設入所中又はその退所後に居宅において利用者に提供されるリハビリテーションが一貫した考え方に基づき提供されるよう努めなければならない。そのためには施設入所中も、常に在宅復帰を想定してリハビリテーションを提供していくことが基本である。また、居宅サービス(訪問・通所リハビリテーション)におけるリハビリテーションマネジメントにあっては、訪問介護員等他の居宅サービス事業所の担当者に対する情報提供等を行うなど、利用者のよりよい在宅生活を支援するものとなるよう配慮することも必要である。全体のケアマネジメントとリハビリテーションマネジメントとの両者におけるアセスメントや計画書については、基本的考え方、表現等が統一されていることが望まれる。さらに、利用者の生活機能の改善状況は継続的に把握(モニタリング)し、常に適切なリハビリテーションの提供を行わなければならない。リハビリテーションマネジメント体制については、生活機能の維持、改善の観点から評価し、継続的なサービスの質の向上へと繋げることが必要である。
 
2.リハビリテーションマネジメントの実務等について
 
(1)リハビリテーションマネジメントの体制
ア.リハビリテーションマネジメントは医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、薬剤師、看護職員、介護職員、栄養士、介護支援専門員その他の職種(以下「関連スタッフ」という。)が協働して行うものである。
イ.各施設・事業所における管理者は、リハビリテーションマネジメントに関する手順(情報収集、アセスメント・評価、カンファレンスの支援、計画の作成、説明・同意、サービス終了前のカンファレンスの実施、サービス終了時の情報提供等)をあらかじめ定める。
 
(2)リハビリテーションマネジメントの実務
ア.サービス開始時における情報収集について
関連スタッフは、サービス開始時までに適切なリハビリテーションを実施するための情報を収集するものとする。情報の収集に当たっては主治の医師から診療情報の提供、担当介護支援専門員等からケアマネジメントに関わる情報の提供を文書で受け取ることが望ましい。なお、これらの文書は別紙1、2の様式例を参照の上、作成する。
イ.サービス開始時におけるアセスメント・評価、計画、説明・同意について
関連スタッフ毎にアセスメントとそれに基づく評価を行い、多職種協働でサービス開始時カンファレンスを開催し、速やかにリハビリテーション実施計画原案を作成する。リハビリテーション実施計画原案については、利用者又はその家族へ説明し同意を得る。
また、リハビリテーション計画原案に関しては、ウ.③に掲げるリハビリテーション実施計画書の様式又はこれを簡略化した様式を用いるものとする。
ウ.サービス開始後2週間以内のアセスメント・評価、計画、説明・同意について
リハビリテーション実施計画原案に基づいたリハビリテーションやケアを実施しながら、サービス開始から概ね2週間以内に以下の①から⑥までの項目を実施する。
① アセスメント・評価の実施
関連スタッフ毎に別紙3を参照としたアセスメントを実施し、それに基づく評価を行う。
② リハビリテーションカンファレンスの実施
関連スタッフによってリハビリテーションカンファレンスを開催し、目標、到達時期、具体的アプローチ、プログラム等を含む実施計画について検討する。リハビリテーションカンファレンスには、状況に応じて利用者やその家族の参加を求めることが望ましい。
目標の設定に関しては利用者の希望や心身の状況等に基づき、当該利用者が自立した尊厳ある日常生活を送る上で特に重要であると考えられるものとし、その目標を利用者、家族及び関連スタッフが共有することとする。目標、プログラム等の設定に当たっては施設及び居宅サービス計画(以下「ケアプラン」という。)と協調し、両者間で整合性が保たれることが重要である。
③ リハビリテーション実施計画書の作成
リハビリテーションカンファレンスを経て、リハビリテーション実施計画書を作成する。リハビリテーション実施計画書の作成に当たっては、別紙4の様式を用いて作成する。
リハビリテーション実施計画は、ケアプランと協調し、両者間で整合性が保たれることが重要である。施設サービスにおいてはリハビリテーション実施計画を作成していれば、ケアプランのうちリハビリテーションに関し重複する部分については省略しても差し支えない。
④ 利用者又は家族への説明と同意
リハビリテーション実施計画の内容については利用者又はその家族に分かりやすく説明を行い、同意を得る。その際、リハビリテーション実施計画書の写しを交付することとする。
⑤ 指示と実施
関連スタッフは、医師の指示に基づきリハビリテーション実施計画書に沿ったリハビリテーションの提供を行う。リハビリテーションをより有効なものとする観点からは、専門職種によるリハビリテーションの提供のみならず、リハビリテーションに関する情報伝達(日常生活上の留意点、介護の工夫等)や連携を図り、家族、看護職員、介護職員等による日常生活の生活行為への働きかけを行う。
⑥ ①から⑤までの過程は概ね3ヶ月毎に繰り返し、内容に関して見直すこととする。ただし、短期集中リハビリテーションを行う訪問リハビリテーション、通所リハビリテーションにあっては病院等からの退院(所)日又は認定日から起算して1月以内の期間にも見直すこととする。また、利用者の心身の状態変化等により、必要と認められる場合は速やかに見直すこととする。
管理者及び関連スタッフは、これらのプロセスを繰り返し行うことによる継続的なサービスの質の向上に努める。
エ.サービス終了時の情報提供について
① サービス終了前に、関連スタッフによるリハビリテーションカンファレンスを行う。その際、担当の介護支援専門員や居宅サービス事業所のサービス担当者等の参加を求め、必要な情報を提供する。
② サービス終了時には居宅介護支援事業所の介護支援専門員や主治の医師に対してリハビリテーションに必要な情報提供を行う。その際、主治の医師に対しては、診療情報の提供、担当介護支援専門員等に対してはケアマネジメントに関わる情報の提供を文書で行う。なお、これらの文書は別紙1、2の様式例を参照の上、作成する。















 
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