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高齢者施設における新型コロナ予防接種の間違いの防止について
事務連絡
高齢者施設における新型コロナ予防接種の間違いの防止について
事務連絡
高齢者施設における新型コロナ予防接種の間違いの防止について (事務連絡)
発出日:令和3年7月2日
更新日:令和3年7月2日
更新日:令和3年7月2日
事 務 連 絡
令和3年7月2日
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各
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都道府県
市 町 村
特 別 区
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介護保険担当主管部(局) 御中
|
厚生労働省健康局健康課予防接種室
厚生労働省老健局高齢者支援課
厚生労働省老健局認知症施策・地域介護推進課
厚生労働省老健局老人保健課
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高齢者施設における新型コロナ予防接種の間違いの防止について
新型コロナウイルス感染症に係る予防接種(以下「予防接種」という。)の実施に当たっては、「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」(令和2年12月17日付け健発1217第4号厚生労働省健康局長通知別添)において、予防接種に係る間違いの発生防止に努めるとともに、間違いの発生を迅速に把握できる体制をとり、予防接種の間違いが発生した際には、厚生労働省に速やかに報告することとしているところです。
また、「新型コロナ予防接種の間違いの防止について(その2)」(令和3年6月22日付け厚生労働省健康局健康課予防接種室事務連絡)が別添のとおり発出され、令和3年6月16日までに報告された予防接種の間違いの概要がまとめられています。
高齢者施設において、血液感染を起こしうる予防接種の間違いが複数確認されているところ、これらを参考に、あらためて予防接種の手順を見直し、予防接種に係る間違いの発生防止に努めていただきますようお願いいたします。特に、注射器の取り扱いについては、リキャップをしない、接種後は1本ずつ速やかに針捨て容器に廃棄する等、間違いの防止にご注意いただくとともに、引き続き、予防接種の適切な実施に向けた取組を進めていただきますようお願いします。
本内容については関係団体等へも周知いただくとともに、引き続き、円滑な接種について、格段のご協力をお願いいたします。
(添付資料について)
別添 「新型コロナ予防接種の間違いの防止について(その2)」(令和3年6月22日付け厚生労働省健康局健康課予防接種室事務連絡)
事 務 連 絡
令和3年6月22日
|
各
|
都道府県
市 町 村
特 別 区
|
衛生主管部(局) 御中
|
厚生労働省健康局健康課予防接種室
新型コロナ予防接種の間違いの防止について(その2)
新型コロナウイルス感染症に係る予防接種(以下「新型コロナ予防接種」という。)の実施に当たっては、「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」(「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引きについて」(令和2年12月17日付け健発1217第4号厚生労働省健康局長通知別添。以下「自治体向け手引き」という。)において、予防接種に係る間違いの発生防止に努めるとともに、間違いの発生を迅速に把握できる体制をとり、予防接種の間違いが発生した際には、厚生労働省に速やかに報告することとしているところです。
今般、令和3年6月16日までに報告された予防接種の間違いの概要をまとめるとともに(別紙1)、自治体向け手引き様式4-7-2を用いて重大な健康被害につながるおそれのある間違いとして報告されたもののうち、血液感染を起こしうるもの及び希釈間違いについて、実際に予防接種に携わった方に対して間違いが起こった要因や再発防止策等をヒアリングし、具体的な留意点をまとめました(別紙2)。
これらを参考に、あらためて予防接種の手順を見直し、予防接種に係る間違いの発生防止に努めていただき、引き続き、新型コロナ予防接種の適切な実施に向けた取組を進めていただいますようお願いします。
(別紙1)
令和3年6月16日までに報告があった新型コロナ予防接種に関する間違い(概要)
自治体向け手引きにおいて、市町村長は新型コロナワクチンの接種の実施に際して生じた間違いを把握した場合、以下のとおり都道府県を経由して厚生労働省へ報告することとしている。
① 誤った用法用量で新型コロナワクチンを接種した場合や、有効期限の切れた新型コロナワクチンを接種した場合、血液感染を起こしうる場合等の重大な健康被害につながるおそれのある間違いは、速やかに報告
② 接種間隔の誤りなど、直ちに重大な健康被害につながる可能性が低い間違いの場合は、前月分をとりまとめて15日までに報告
新型コロナワクチンの接種開始から令和3年6月16日までに報告された間違いの概要は表1のとおり、態様別の詳細は表2のとおり。
表1 間違いとして報告のあった件数
延べ接種回数
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|||
間違いとして報告のあった件数
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|||
重大な間違いとして報告のあった件数
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左記以外として報告のあった件数
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23,329,470
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139
|
70
|
69
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(10万回当たり)
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0.596
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0.300
|
0.296
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表2 間違いの態様別の詳細
間違いの態様
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件数
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10万回あたりの件数
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1.接種ワクチンの種類の間違い
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1
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0.004
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2.対象者の誤認(3.を除く)
|
1
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0.004
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3.接種対象年齢以外の接種
|
0
|
0
|
4.不必要な接種
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13
|
0.056
|
5.接種間隔の間違い
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31
|
0.133
|
6.接種量の間違い
|
13
|
0.056
|
7.接種部位・接種方法の間違い
|
1
|
0.004
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8.接種器具の扱いが不適切
|
6
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0.026
|
9.血液感染を起こし得る間違い
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23
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0.099
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10.期限切れワクチン接種
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2
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0.009
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11.不適切な保管ワクチン接種
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9
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0.039
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12.その他
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39
|
0.167
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(別紙2)
<間違い1> 他の対象者に使用した注射器を別の対象者に使用した
(事例1-1の概要)
① 同じテーブルに、未使用のワクチンが充填された注射器6人分が入ったトレイと、使用後の注射器を入れるトレイを近接して配置していた。
② 接種実施者は、廃棄担当者が針刺ししないよう、使用後の注射器をリキャップし、誤って未使用のワクチンが充填された注射器の入ったトレイに置いてしまった。
③ 接種実施者は、②で置かれた使用後の注射器を手にとり、シリンジ(注射筒)内にワクチンが充填されていないことを確認せずに、空の注射器を別の被接種者に穿刺してしまった。
(事例1-2の概要)
① 医師1名が予診、看護師1名がワクチンの注射器への充填と患者呼び込み、看護師2名が2ラインで接種を行っていた。
② 針捨て容器は2ラインで1つの容器を共有していた。
③ 接種希望者が多く混雑してきてワクチンの注射器への充填が追いつかなくなったため、接種実施者が自ら患者を呼びこみ接種をすることになった。針捨て容器まで少し距離があったため、使用後の注射器をリキャップし一旦近くのトレイに置き、待合室に被接種者の呼び込みを行った。
間違い1の背景
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○使用後の注射器が1本ずつ針捨て容器に廃棄されず、接種実施者の手の届くところにある
・1本ずつではなくまとめて注射器を廃棄している
・針捨て容器が接種実施者の手の届く場所にないため、使用後の注射器を一旦トレイに置かなければならない
・未使用注射器のトレイと、使用後注射器のトレイが区別しにくい(※1)
○使用後の注射器をリキャップしたため、見た目で使用後の注射器であることがわかりづらい
○接種実施者と使用後の注射器を廃棄する者が異なる
○接種するときに、ワクチンが正しい量充填されていることを確認していない
・「キャップの付いているものは未使用」という思い込みがある
○その他の要因
・外的要因により一連の作業が中断してしまう
・接種希望者が多く混雑してきた等により、焦りがある
(※1)トレイを色分けしていた事例でも未使用注射器用トレイに誤って使用後の注射器を置いてしまい、同様に別の被接種者に穿刺してしまったという報告もあり、トレイの色分けだけでは区別は不十分である。
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⬇
対策
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①リキャップを絶対に行わない
②接種後は速やかに使用後の注射器を確実に廃棄する
(例)
・針捨て容器は、未使用の注射器を入れるトレイとは全く別種類の容器を使用する
・針捨て容器は、接種者の手が届く場所に置く等
③接種者は、注射直前にシリンジ(注射筒)にワクチンが充填されているか必ず目視で確認する
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<間違い2>【ファイザー社ワクチン使用の場合】
使用済みのバイアルだと認識せず再度希釈・充填し、結果として生理食塩水のみを接種した
(事例の概要)
① 必要数のワクチン、針・シリンジ(注射筒)等を作業台の上に準備し、2名で希釈・充填を開始した。
② 作成していた作業手順書では、希釈・充填が終わったら、使用後のバイアルは作業台の上にある廃棄容器に捨てることとしていたが、担当者Aは、院内PHSのコールに対応するために、使用後のバイアルを捨てず、作業台の上に置いたままにしてしまった。
④ 担当者Bは、作業台上にあったワクチンを未使用と思い込み、生理食塩水を注入し注射器に充填した。
⑤ 希釈・充填と接種は同時並行で行われており、接種担当者は、セットされたものを通常通り接種した。
⑥ 希釈・充填担当者は、予定数のバイアルの希釈・充填が終了した時に、未使用のバイアルが残っていることに気がつき、使用済みバイアルを用いて生理食塩水で再度希釈・充填された注射器が存在
間違い2の背景
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○キャップを外した後の希釈前のバイアルと、希釈・充填後のバイアルは、見た目ではほぼ区別できない
○ワクチンのキャップを外し、希釈・充填してトレイに載せるまでの一連の作業が、外的要因(電話や別の作業)により中断
○充填後のバイアルは廃棄することになっていたことから、作業台にあるバイアルは、ワクチンのキャップが外されたものであっても、使用後のものであるとは思わない
○希釈・充填担当も接種担当も、注射器に充填された液体が生食(無色透明)かワクチン(軽度白濁)かを確認しない
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⬇
対策
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①1トレイに、1バイアル分の必要物品を準備し、常にトレイ単位で準備、接種を行う
②ワクチンのキャップを外し、希釈・充填してトレイに6組セットするまでの一連の作業を中断させない
(例)
・希釈・充填担当者は専従とし、他人が話しかけない。院内PHSをオフにする
・やむを得ず離席するときは、一連の流れを終えた区切りの良いところで離席し、確実に引き継ぎを行う 等
③充填された薬液の外観を確認する
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