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「介護予防・日常生活支援総合事業における介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)の実施及び介護予防手帳の活用について」の一部改正について
老認発0913第2号

「介護予防・日常生活支援総合事業における介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)の実施及び介護予防手帳の活用について」の一部改正について (老認発0913第2号)

発出日:令和4年9月13日
更新日:令和4年9月13日
老認発0913第2号
令和4年9月13日
 
 
各都道府県介護保険主管部(局)長 殿
各市区町村介護保険主管部(局)長 殿
 
厚生労働省老健局認知症施策・地域介護推進課長
( 公 印 省 略 )
 
 
「介護予防・日常生活支援総合事業における介護予防ケアマネジメント
(第1号介護予防支援事業)の実施及び介護予防手帳の活用について」
の一部改正について
 
 
介護予防・日常生活支援総合事業における介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)の実施及び介護予防手帳の活用については、「介護予防・日常生活支援総合事業における介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)の実施及び介護予防手帳の活用について」(平成27年6月5日老振発0605第1号厚生労働省老健局振興課長通知)により取り扱われているところであるが、今般、同通知の一部を別添新旧対照表のとおり改正し、令和4年9月13日から適用することとしたので通知する。
ついては、事業の実施について特段の御配慮をお願いすることに加え、関係機関等へ周知を図るとともに、本事業の円滑な実施について御協力を賜りたい。
なお、介護予防ケアマネジメントの実施及び介護予防手帳の活用については、「『介護予防・日常生活支援総合事業のガイドラインについて』の一部改正について」(令和4年6月27日付老発0627第7号)も合わせて確認されたい。
 
 

 
別添
「介護予防・日常生活支援総合事業における介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)
の実施及び介護予防手帳の活用について」の新旧対照表
改正後(新)
改正前(旧)
老認発0913第2号
令和4年9月13日
 
老認発1115第1号
令和3年11月15日
 
 
「介護予防・日常生活支援総合事業における介護予防ケアマネジメント
(第1号介護予防支援事業)の実施及び介護予防手帳の活用について」
の一部改正について
 
「介護予防・日常生活支援総合事業における介護予防ケアマネジメント
(第1号介護予防支援事業)の実施及び介護予防手帳の活用について」
の一部改正について
 
介護予防・日常生活支援総合事業における介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)の実施及び介護予防手帳の活用については、「介護予防・日常生活支援総合事業における介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)の実施及び介護予防手帳の活用について」(平成27年6月5日老振発0605第1号厚生労働省老健局振興課長通知)により取り扱われているところであるが、今般、同通知の一部を別添新旧対照表のとおり改正し、令和4年9月13日から適用することとしたので通知する。
 
介護予防・日常生活支援総合事業における介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)の実施及び介護予防手帳の活用については、「介護予防・日常生活支援総合事業における介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)の実施及び介護予防手帳の活用について」(平成27年6月5日老振発0605第1号厚生労働省老健局振興課長通知)により取り扱われているところであるが、今般、同通知の一部を別添新旧対照表のとおり改正し、令和3年4月1日から適用することとしたので通知する。
ついては、事業の実施について特段の御配慮をお願いすることに加え、関係機関等へ周知を図るとともに、本事業の円滑な実施について御協力を賜りたい。
なお、介護予防ケアマネジメントの実施及び介護予防手帳の活用については、「『介護予防・日常生活支援総合事業のガイドラインについて』の一部改正について」(令和4年6月27日付老発0627第7号)も合わせて確認されたい。
ついては、事業の実施について特段の御配慮をお願いすることに加え、関係機関等へ周知を図るとともに、本事業の円滑な実施について御協力を賜りたい。
なお、介護予防ケアマネジメントの実施及び介護予防手帳の活用については、「介護予防・日常生活支援総合事業のガイドラインについて」(令和3年11月15日付老発1115第2号)も合わせて確認されたい。
 
別紙1
1~7(略)
 
別紙1(略)
 
 
 
 
 
 
 
改正後(新)
改正前(旧)
介護予防ケアマネジメント実施における関連様式例一覧
 
 
 
様式1 基本チェックリスト様式例及び事業対象者に該当する基準
 
様式2 基本チェックリストについての考え方
 
様式3 介護予防サービス計画作成・介護予防ケアマネジメント依頼(変更)届出書
 
様式4 興味・関心チェックシート
 
様式5 利用者基本情報
 
様式6 介護予防サービス・支援計画書(ケアマネジメント結果等記録表)
 
様式7 介護予防支援・介護予防ケアマネジメント経過記録
(サービス担当者会議の要点を含む)
 
様式8 介護予防支援・介護予防ケアマネジメントサービス評価表
(※ 様式5から様式8までを「標準様式例」という)
 
 
 
 
 
様式1・2 (略)
介護予防ケアマネジメント実施における関連様式例一覧
 
 
 
様式1 基本チェックリスト様式例及び事業対象者に該当する基準
 
様式2 基本チェックリストについての考え方
 
様式3 介護予防サービス計画作成・介護予防ケアマネジメント依頼(変更)届出書
 
様式4 興味・関心チェックシート
 
様式5 利用者基本情報
 
様式6 介護予防サービス・支援計画書(ケアマネジメント結果等記録表)
 
様式7 介護予防支援・介護予防ケアマネジメント経過記録
(サービス担当者会議の要点を含む)
 
様式8 介護予防支援・介護予防ケアマネジメントサービス評価表
(※ 様式5から様式8までを「標準様式例」という)
 
 
 
 
 
様式1・2(略)
 
様式3
様式3 介護予防サービス計画作成・介護予防ケアマネジメント依頼(変更)届出書
 
様式3
様式3 介護予防サービス計画作成・介護予防ケアマネジメント依頼(変更)届出書
 
様式4~8 (略)
 
別紙2 (略)
 
 
様式4~8 (略)
 
別紙2 (略)
 
 

 
別紙1
 
介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)の実施について
 
1 事業内容
介護予防・日常生活支援総合事業(以下「総合事業」という)における介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)(以下「介護予防ケアマネジメント」という)は、要支援者及び基本チェックリストの記入内容が事業対象の基準に該当した者(以下「事業対象者」という)に対して、介護予防及び日常生活支援を目的として、その心身の状況、置かれている環境その他の状況に応じて、その選択に基づき、訪問型サービス(第1号訪問事業)、通所型サービス(第1号通所事業)、その他の生活支援サービス(第1号生活支援事業)のほか一般介護予防事業や市町村の独自施策、市場において民間企業により提供される生活支援サービスも含め、要支援者等の状況にあった適切なサービスが包括的かつ効率的に提供されるよう必要な援助を行う事業である。
 
2 介護予防ケアマネジメントの基本的な考え方
介護予防ケアマネジメントは、介護予防の目的である「高齢者が要介護状態になることをできる限り防ぐ(遅らせる)」「要支援・要介護状態になってもその悪化をできる限り防ぐ」ために、高齢者自身が地域における自立した日常生活を送れるよう支援するものであり、従来からのケアマネジメントのプロセスに基づくものである。
地域において、高齢者が健康を維持し、改善可能な場合は適切な支援を受けて改善に向かい、もし、医療や介護、生活支援等を必要とする状態となっても住み慣れた地域で暮らし、その生活の質を維持・向上させるためには、高齢者一人一人が自分の健康増進や介護予防についての意識を持ち、自ら必要な情報にアクセスするともに、介護予防、健康の維持・増進に向けた取組を行うことが重要となる。
総合事業においては、高齢者自身が、地域で何らかの役割を果たせる活動を継続することにより、結果として介護予防につながるという視点からも利用者の生活上の何らかの困りごとに対して、単にそれを補うサービスを当てはめるのではなく、利用者の自立支援に資するよう、心身機能の改善だけではなく、地域の中で生きがいや役割を持って生活できるような居場所に通い続けるなど、「心身機能」「活動」「参加」にバランスよくアプローチしていくことが重要である。
このようなことから、総合事業における介護予防ケアマネジメントについては、適切なアセスメントの実施により、利用者の状況を踏まえた目標を設定し、利用者本人がそれを理解した上で、その達成のために必要なサービスを主体的に利用し、目標の達成に取り組んでいけるよう、具体的に介護予防・生活支援サービス事業(以下「サービス事業」という。)等の利用について検討し、ケアプランを作成していくこととなる。
 
3 介護予防ケアマネジメントの類型と考え方
介護予防ケアマネジメントのプロセスについては、利用者の状態等や、基本チェックリストの結果、本人の希望するサービス等を踏まえて、従来からの原則的なケアマネジメントのプロセスに沿った上で、典型例として以下のような類型を想定している。利用者の状況に応じて実施するものとする。
(1) ケアマネジメントA(原則的な介護予防ケアマネジメント)
地域包括支援センターが、現行の予防給付に対する介護予防ケアマネジメントと同様に、アセスメントによってケアプラン原案を作成し、サービス担当者会議を経て決定する。
利用者との面接によるモニタリングについては、少なくとも3月に1回行い、利用者の状況に応じてサービスの変更も行うことが可能な体制をとっておく。
(2) ケアマネジメントB(簡略化した介護予防ケアマネジメント)
アセスメント(課題分析)からケアプラン原案作成までは、ケアマネジメントA(原則的な介護予防ケアマネジメント)と同様に実施しつつ、サービス担当者会議を省略したケアプランの作成と、間隔をあけて必要に応じてモニタリング時期を設定し、評価及びケアプランの変更等を行う簡略化した介護予防ケアマネジメントを実施する。
(3) ケアマネジメントC(初回のみの介護予防ケアマネジメント)
ケアマネジメントの結果、利用者本人が自身の状況、目標の達成等を確認し、住民主体のサービス等を利用する場合に実施する。
初回のみ、簡略化した介護予防ケアマネジメントのプロセスを実施し、ケアマネジメントの結果(「本人の生活の目標」「維持・改善すべき課題」「その課題の解決への具体的対策」「目標を達成するための取組」等を記載)を利用者に説明し、理解を得た上で、利用者自身のセルフマネジメントによって、住民主体の支援の利用等を継続する。その後は、地域包括支援センターによるモニタリングは行わない。利用者の状況の悪化や、利用者からの相談があった場合に、地域包括支援センターによるケアマネジメントに移行する。
 
表1 具体的な介護予防ケアマネジメントの類型の考え方
①ケアマネジメントA(原則的な介護予防ケアマネジメントのプロセス)
・介護予防・生活支援サービス事業の指定を受けた事業所のサービスを利用する場合
・訪問型サービスC、通所型サービスCを利用する場合
・その他地域包括支援センターが必要と判断した場合
アセスメント
→ケアプラン原案作成
→サービス担当者会議
→利用者への説明・同意
→ケアプランの確定・交付
【利用者・サービス提供者へ】
→サービス利用開始
→モニタリング【給付管理】
②ケアマネジメントB(簡略化した介護予防ケアマネジメントのプロセス)
・①又は③以外のケースで、ケアマネジメントの過程で判断した場合(指定事業所以外の多様なサービスを利用する場合等)
アセスメント
→ケアプラン原案作成
(→サービス担当者会議)
→利用者への説明・同意
→ケアプランの確定・交付
【利用者・サービス提供者へ】
→サービス利用開始
(→モニタリング(適宜))
③ケアマネジメントC(初回のみの介護予防ケアマネジメントのプロセス)
・ケアマネジメントの結果、補助や助成のサービス利用や配食などのその他の生活支援サービスの利用につなげる場合
(※必要に応じ、その後状況把握を実施)
アセスメント
→ケアマネジメント結果案作成
→利用者への説明・同意
→利用するサービス提供者等への説明・送付
→サービス利用開始
※ ( )内は、必要に応じて実施
 
表2 具体的な介護予防ケアマネジメント(アセスメント、ケアプラン等)の考え方
表2 具体的な介護予防ケアマネジメント(アセスメント、ケアプラン等)の考え方
 
4 実施主体(実施担当者)
利用者本人が居住する住所地の地域包括支援センターにおいて、実施する。
介護予防ケアマネジメントは、地域包括支援センターに配置されている3職種(保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員)のほか、介護支援専門員等の指定介護予防支援業務を行っている職員により実施することができ、これらの職員が相互に協働しながら行うものである。
しかし、包括的支援事業全体の円滑な実施を考えた上で、地域包括支援センターが業務の一部を指定居宅介護支援事業所に委託し、当該事業所の介護支援専門員によって実施することも可能である。
介護予防ケアマネジメントの実施に当たっては、地域包括支援センターの実施件数、指定居宅介護支援事業所の受託件数の制限は設けておらず、居宅介護支援費の逓減制には含めていないが、地域包括支援センターにおける包括的支援事業の実施状況や介護予防ケアマネジメントの業務量等を考慮して人員配置等の体制整備をしていただきたい。
介護予防ケアマネジメントの望ましい実施体制の例として、
(1) 地域包括支援センターが、すべての介護予防ケアマネジメントを行う。
(2) 居宅介護支援事業所に委託する場合において、初回の介護予防ケアマネジメントは、地域包括支援センターが行い、(1クール終了後の)ケアプランの継続、変更の時点以後は、居宅介護支援事業所が行い、適宜地域包括支援センターが関与する。
などが考えられる。
なお、居宅介護支援事業所が多くのケースについて介護予防ケアマネジメントを行う場合も、初回の介護予防ケアマネジメント実施時に地域包括支援センターが立ち会うよう努めるとともに、地域ケア会議等を活用しつつ、その全てに関与されたい。
 
5 実施の手順
介護予防ケアマネジメントを開始するに当たっては、利用者が要支援者であること又は、事業対象者として市町村に登録されることが必要であるため、窓口での対応も含めて以下の手順として実施する。
○ 概要(例として、市町村の介護保険担当窓口での対応の場合を示す。)
概要
 
○ 手順の詳細
手 順
内 容
介護予防ケアマネジメント対象者要件の確認(介護保険担当窓口で実施)
○ 相談受付の窓口は、介護保険担当窓口、地域包括支援センター等を想定。担当職員は、専門職に限るものではない。
(以下、例として介護保険担当窓口での受付対応の場合を示す。)
○ 総合事業の説明
・ 窓口においては、相談の目的や希望するサービスを聴き取るとともに、総合事業の趣旨と手続き、要介護認定等の申請、基本チェックリストを活用して迅速なサービス事業の利用が開始できること、総合事業のサービス利用開始後も要介護認定等申請も可能であること等を説明する。
・ 更に、総合事業の趣旨として、①効果的な介護予防ケアマネジメントと自立支援に向けたサービス展開による要支援状態等からの自立の促進や重度化予防の推進を図る事業であること、②ケアマネジメントの中で、本人が目標を立て、その達成に向けてサービスを利用しながら一定期間取り組んだ上で、目標達成の後は、より自立へ向けた次のステップに移っていくことを説明する。
・ このとき、予防給付や介護給付によるサービスを希望している場合等は、要介護認定等申請の案内を行う。
○ 介護予防ケアマネジメント対象者要件の確認
・ 利用者が総合事業のサービス事業の利用を希望する場合、要支援認定の有無、または要支援認定を受けてない者については、基本チェックリストの記入により、事業対象者の基準に該当するかどうかを確認する。
(様式1、2参照)
・ 要支援者又は事業対象者の基準に該当した者については、地域包括支援センターが利用者宅を訪問して介護予防ケアマネジメントを行うこと、そのために利用者の情報を地域包括支援センターに伝える旨を説明し、その上で、介護予防ケアマネジメント依頼(変更)届出書を記入の上、窓口に提出してもらう。(様式3参照)
・ 基本チェックリストの結果、事業対象者の基準に該当した者については、この届出に基づいて市町村がサービス事業対象者として登録し、利用者の被保険者証に「サービス事業対象者」である旨を記載したものを交付する。即時の交付ができない場合は、資格者証を交付し、後日サービス事業対象者として登録後の被保険者証を郵送する。
・ 要支援者については、既に要支援の認定結果が記載されているため、改めて被保険者証を提出する必要はない。
・ 基本チェックリストは、基本的に質問項目の趣旨を聴きながら本人が記入し、状況を確認するものであること、相談に来られた方が希望されれば要介護認定等を受けることもできること等から、行政処分には当たらないものと整理している。
・ サービス事業対象者の情報を速やかにその圏域担当の地域包括支援センターに送付する。
○ サービス事業利用のための手続は、原則、被保険者本人が直接窓口に出向いて行う。ただし、本人が来所できない(入院中である、相談窓口が遠い、外出に支障がある等)場合は、電話や家族の来所による相談に基づき、本人の状況や相談の目的等を聴き取る。その場合の基本チェックリストの活用に
(つづく)
 
 
介護予防ケアマネジメント
対象者要件の確認(つづき)
ついては、本人や家族が行ったものに基づき、介護予防ケアマネジメントのプロセスで、地域包括支援センター等が本人の状況を確認するとともに、事業の説明等を行い、適切なサービスの利用につなげる。
居宅介護支援事業所等からの代行によるチェックリストの提出も可とするが、本人が来所できない場合と同様の扱いとする。
○ 第2号被保険者については、特定疾病に起因して要介護状態等となっていることがサービスを受ける前提となるため、要支援の認定を受けることにより、サービス事業を受けることができる。
介護予防ケアマネジ
メント利用の手続
○ 利用に当たっては、サービス事業の運営規程等重要事項を文書で説明し、利用者の同意を得る。
○ 電話や利用者以外の者による相談に基づいて介護予防ケアマネジメントの実施につなげるために訪問し、利用者と面接している場合は、この場で利用者に窓口と同様の説明もあわせて行い、同意を得る。
介護予防ケアマネジメント
ア アセスメント(課題分析)
○ 利用者の自宅に訪問して本人との面接による聴き取り等を通じて行う。
○ より本人にあった目標設定に向けて「興味・関心シート」なども利用して、本人の趣味活動、社会的活動、生活歴等も聞き取りながら、「~できない」という課題から、「~したい」「~できるようになる」というような目標に変換していく作業が必要である。(様式4参照)
○ プロセスの中で、利用者本人の生活機能の低下等についての自覚を促すとともに、介護予防に取り組む意欲を引き出すため、この段階から、本人及び家族とコミュニケーションを深め、信頼関係の構築に努める。
イ ケアプラン原案(ケアマネジメント結果)作成
○ 目標の設定
・ 生活の目標については、「表4 介護予防ケアマネジメントにおける課題と目標の例」などを参考にしながら、単に心身機能の改善だけを目指すのではなく、心身機能の改善や環境調整などを通じて、生活の質の向上を目指すものとして、利用者が、自分の目標として意識できるような内容・表現となるように設定する。
・ また、計画に定めた実施期間の間に取り組むことにより、その達成がほぼ可能と思われ、利用者自身でも評価できる具体的な目標とすることが望ましい。
○ 利用するサービス内容の選択
・ 利用するサービスを検討する際は、単にサービス事業の利用のみに限定せず、広く社会資源の情報を収集した上で、家族や地域住民による支援、一般介護予防事業における住民主体の活動や、民間企業の利用も積極的に位置づけ、本人の自立支援を支えるケアプラン原案を本人と共に作成する。
・ サービス事業の組み合わせについては以下の点にも留意する。
➢ サービス事業の訪問型サービスと通所型サービスとその他の生活支援サービスを、組み合わせて利用することができる。
➢ 例えば、通所型サービスなどの1つのサービス事業について、生活機
(つづく)
 
 
介護予防ケアマネジメント(つづき)
能の向上や自立支援に向けて、専門職によるサービスの類型と、住民主体の支援の類型を組み合わせる
等、複数の類型(例:現行の通所介護と通所型サービスB)を合わせて利用することができる。
・ 利用回数及び利用時間については、利用者の状況や環境、希望等を勘案して適切な利用回数、利用時間を設定する。
・ 給付管理については、要支援者が総合事業を利用する場合は、給付に残されたサービスを利用しつつ、総合事業のサービス(指定事業者のサービス)を利用するケースも想定されることから、予防給付の区分支給限度額の範囲内で、給付と事業を一体的に給付管理する。
一方で、総合事業の給付管理については、指定事業者によるサービスを利用する場合にのみ行う。その際は、予防給付の要支援1の限度額を目安とする。介護予防ケアマネジメントにおいては、指定事業者によるサービス以外の多様なサービス等の利用状況も勘案してケアプランを作ることが適当であり、例えば、退院直後で集中的にサービス利用することが自立支援に繋がると考えられるようなケース等利用者の状況によっては、予防給付の要支援1の限度額を超える(ただし、要支援2の限度額内)ことも可能である。
その場合は、評価時期を柔軟に設定し、利用者の状況の変化を把握しながら、適宜利用するサービスの見直しをはかる。
○ 更に、このケアプランの実施期間、モニタリングの実施間隔についても利用者とよく相談しながら設定しケアプラン全体を作成する。
利用者に対して、抽出した課題を丁寧に説明し、理解を得るとともに、ケアプラン原案(ケアマネジメント結果表等)の内容を検討していく中で、利用者の意向も踏まえながら、目標の設定やその達成に向けての取組、利用するサービス、実施期間、モニタリングの実施間隔等を検討し、ケアプラン原案(ケアマネジメント結果)全体を作成する。その経過の中でケアマネジメントA、B、Cのケアマネジメントの類型についても検討されていくものである。
ウ サービス担当者会議
○ ケアマネジメントA、Bにおいて実施する。
○ ケアマネジメントBにおいては、サービス担当者会議を省略する場合も想定しているが、ケアプランの変更等を行ったときは、利用者、サービス実施者ともその内容を共有することが必要である。
エ 利用者への説明・同意
オ ケアプラン確定・交付(ケアマネジメント結果交付)(利用者、サービス実施者)
○ サービス担当者会議の内容を踏まえたケアプランについて、利用者及び家族に説明し、同意を得る。
○ 本人の同意を得て、地域包括支援センターよりケアプランをサービス実施者にも交付する。
○ ケアマネジメントCの場合は、ケアマネジメント結果を利用者に交付し、サービス実施者には、利用者から持参してもらうか、利用者の同意を得て、地域包括支援センターから送付する。
 
 
介護予防ケアマネジメント(つづき)
カ サービス利用開始
キ モニタリング(給付管理)(ケアマネジメントBの一部、ケアマネジメントCの場合を除く)
○ ケアマネジメントAの場合は、介護予防支援と同様に、少なくとも3ヶ月に1回及びサービスの評価期間の終了月、利用者の状況に著しい変化のあったときには、訪問して面接する。利用者の状況に変化のあった場合は、必要に応じて計画の見直しを行う。
それ以外の月においては、可能な限り、利用者の通所先を訪問する等の方護法により利用者に面接するよう努めるとともに、面接ができない場合は、電話等により利用者との連絡を実施する。
○ ケアマネジメントBの場合は、利用者及び家族との相談によって設定した時期に、利用者宅を訪問して面接する。
○ ケアマネジメントB、ケアマネジメントCの該当者については、利用者の状況変化等があった際に、サービス実施者側から地域包括支援センターへ情報が入る体制を作っておく。
※ 状況悪化を見逃さない仕組みづくりの例
・ サービス提供者と地域包括支援センターの間で、利用中止・無断欠席などのケースについて報告する仕組みをつくる。
・ 定期的に専門職が活動の場を巡回し、参加状況を確認する。
・ 活動の場における体力測定等で、悪化の兆しを発見する。
・ 出席簿を作成の上、毎月報告を求める。
ク 評価 (ケアマネジメントCの場合を除く)
○ ケアマネジメントA,Bについては、設定したケアプランの実施期間の終了時には、利用者宅を訪問して、プランの実施状況を踏まえて目標の達成状況を評価し、利用者と共有しながら、新たな目標の設定や、利用するサービスの見直し等今後の方針を決定する。
 
 
 
表3 ケアマネジメントの類型における各プロセスの実施
 
ケアマネジメントA
ケアマネジメントB
ケアマネジメントC
アセスメント
ケアプラン原案作成
サービス担当者会議
利用者への説明・同意
ケアプラン確定・交付
(○)(ケアマネジメント結果)
サービス利用開始
モニタリング
(○:実施  △:必要に応じて実施  -:不要)
 
 
表4 介護予防ケアマネジメントにおける課題と目標の例
課題
目標
セルフケア
清潔・整容、排せつの自立、
TPOに応じた更衣、
服薬管理、健康に留意した食事・運動など
健康:毎年健診に行く、体にいいと思う食事や運動を日々続ける、自分で服薬管理する
日常生活:起床から就寝まで規則正しい生活リズムで過ごす、TPOに応じた身支度をする
家庭生活
日常の買い物、食事の準備、掃除・洗濯・ゴミ捨てなどの家事、簡単な家の修理・電球の交換・水やり・ペットの世話など
家事:炊事・掃除・洗濯などを自分でする用事:買い物や銀行の用事を自分ですます
対人関係
家族や友人への気配り・支援、近所の人・友人・同僚との人間関係づくりと保持、夫婦・親密なパートナーとの良好な関係保持など
関係:家族と仲良く過ごす、近所の人といい関係で過ごす
役割:庭の草むしりや孫の世話など家族の用事や世話をする
他者への支援:誰かの手助けをしたり、相談者になる
主要な生活領域(仕事と雇用、経済生活)
自営業の店番・田んぼの見回りなどの仕事、ボランティアや奉仕活動など人の役に立つ活動、預貯金の出し入れ
仕事:店番や畑仕事など自営業の手伝いを続ける
活動:地域の奉仕活動に参加
経済生活:預貯金の出し入れや管理
コミュニケーション
家族や友人への手紙やメール、家族や友人との会話、電話での会話
家族や友人との会話や電話、手紙やメールのやりとりを続ける
運動と移動
自宅内・自宅以外の屋内、屋外を円滑に移動、移動にバス・電車・他人が運転する自動車を使用、自分で自動車や自転車を使って移動
外出:週に2回は買い物に行く、展覧会、公園など行きたいところに外出する
旅行:家族や友人と2泊3日の旅行に行く
知識の応用(判断・決定)
日常生活に関する内容について、自分で判断・決定
何か起こったら自分で判断する、自分のことは自分で決める
コミュニティライフ・社会生活・市民生活
友人との行き来、趣味や楽しみの継続、候補者を決めて投票、自治会や老人会の年行事・お祭りへの参加など
交流・参加:自治会のお祭りに参加、老人会の行事に参加、候補者を決めて投票
楽しみ:趣味の会に参加する、週に1回外出する、趣味を持つ
(介護予防マニュアル改定委員会(2011.3)「介護予防マニュアル改訂版」三菱総合研究所)
 
 
6 留意事項
(1) 介護予防ケアマネジメントにおいて使用する様式は、介護予防支援業務における関連の様式例を活用するほか、市町村の判断で任意の様式を用いることもできる。
ただし、市町村で統一しておくことが望ましい。
ケアマネジメントCにおけるケアマネジメント結果の様式としては、介護予防サービス・支援計画書を活用して項目を簡略化するなど工夫して用いるほか、市町村の判断で任意の様式を用いることもできる。ただし、その場合は、「本人の生活の目標」「維持・改善すべき課題(アセスメント結果)」「課題の解決への具体的対策(利用サービス)」「注意事項」といった内容とすることが望ましい。(様式5~8 参照)
加えて、新たな介護予防手帳については、セルフマネジメントの推進を目的として作成しており、アセスメントの段階から「していることや興味の確認」などを聴取し、利用者と相談しながら、利用者の興味、関心のあることを通して生活の目標やその達成のために取り組むことを決定し、それを介護予防手帳に記入して携行し、活動の記録を記載するなどの活用によるセルフマネジメントツールとしてできるようにすることを想定している。利用者自身が自身の目標や取組、達成状況を自分で確認、周囲と共有しながら評価していくための記録として有効に活用できると考えており、積極的に活用されたい。(別紙2「介護予防手帳の活用について」参照)
 
(2) 介護予防ケアマネジメントについては、並行して要介護認定等の申請をしている場合も想定される。
その場合は、基本チェックリストの結果が事業対象者の基準に該当すれば、介護予防ケアマネジメントを経て迅速にサービス事業のサービスを利用することができる。その後、「要介護1以上」の認定がなされた場合には、介護給付の利用を開始するまでの間、サービス事業によるサービスの利用を継続することができる。なお、要介護認定のいわゆる暫定ケアプランによる介護給付サービスを利用している場合は、並行してサービス事業を利用することはできない。
※ 要介護認定等申請とサービス事業の利用を並行して受け付け、要介護認定を受けた後、同月の途中でサービス事業から給付サービスの利用に変更した場合は、同月末の時点で居宅介護支援を行っている事業者が、居宅介護支援費を請求することができる。限度額管理の必要なサービスの利用については、認定結果に基づいて、月末の時点でケアマネジメントを行っている居宅介護支援事業者が、地域包括支援センター等と連絡をとり、給付管理を行う。
 
(3) サービス事業の利用については、ケアプランの自己作成に基づく利用は想定していない。予防給付において自己作成している者が、加えてサービス事業を利用する場合は、地域包括支援センターによる介護予防ケアマネジメントにつなぐことが必要である。
 
(4) 要介護認定等申請を受けて非該当となった者について、基本チェックリストを活用して、事業対象者の基準に該当した場合は、サービス事業の対象として介護予防ケアマネジメントの依頼を届け出ることができる。
 
(5) 介護予防ケアマネジメントにおいては、利用者及びその家族の秘密が第三者に漏れることのないよう、必要な措置を講じる。
 
(6) 介護予防ケアマネジメントは、自立支援に資するものとして行うものである。この支援の一つとして、総合事業のサービス事業利用者等についても地域ケア会議の検討ケースとして選定し、多職種連携による介護予防ケアマネジメント支援も積極的に進めていただきたい。
 
(7) 介護予防ケアマネジメントの実施に当たっては、地域包括支援センターに加え、利用者本人・家族、サービス事業の実施運営主体、地域で活動する住民主体の支援者も含めて、関わる者全てが総合事業における介護予防の考えを共有する必要がある。
その中で、特に、ケアマネジメントCでは、そのプロセスの一部を本人や家族、主な利用先と想定される地域介護予防活動支援事業やB型サービスを運営する住民主体が、担うことになり、利用者のセルフマネジメントを側面から支援する一員として、地域包括支援センター職員等専門職と共に、ケアマネジメント結果等が共有されていることが必要である。
○ 地域包括支援センター、居宅介護支援事業所
介護予防ケアマネジメントを担う地域包括支援センター(委託する場合は居宅介護支援事業所)においては、本人の意欲を引き出す生活目標の設定や住民主体の支援の重要性について理解し、セルフマネジメントにつなげるために、本人の思いや意欲を引き出す関わりや、必要な支援・サービスを主体的に選択できるような支援によって、本人がケアマネジメント結果や介護予防手帳の内容を「自分のプラン」と認識できるよう本人の思いや希望が反映されたものとすることが求められる。
なお、住民主体の支援等のいわゆるインフォーマルな資源の活用についても、このケアマネジメントCとして評価し、報酬に繋がるものとして設定している。
ケアプラン結果を交付した後は、モニタリングは行わず、本人が自身でその内容に沿って、介護予防の活動を行い、セルフマネジメントを進めることになる。
その時点で、地域包括支援センターの個人へ関わりは一旦終了するが、その後も本人の状況が変化したときや、困りごとができたときには、安心して相談できる体制を確保しておく。そのためにも、本人及び家族へ介護予防におけるセルフマネジメントの重要性について時間をかけて伝え、本人・家族との信頼関係を築いていくことが重要である。
また、地域のB型サービス(住民主体の支援)の運営主体等と連絡をとりながら、利用者の状況変化等、適宜情報が入ってくるような仕組みづくりなど、利用者の変化に早期に対応できるような体制づくりも必要である。
ケアマネジメントCの対象となる利用者像は、地域内の住民主体の支援の拡充に伴い変わっていくものと考えられる。したがって、地域資源の整備の進捗に応じて、ケアマネジメントの基本方針や介護予防手帳の活用のあり方等について、各圏域で地域包括支援センター・居宅介護支援事業所の考え方をすり合わせる機会をもつことも求められる。
○ 地域介護予防活動支援事業・B型サービス(住民主体の支援)
総合事業の中で住民主体の支援として位置付けられるのが、地域介護予防活動支援事業及び住民主体の支援であるB型サービスであり、ケアマネジメントCの対象者としても想定している。
特に、B型サービスは、虚弱高齢者や要支援相当の高齢者に社会参加の機会を確保する上で重要な役割を果たす。B型サービスを利用する高齢者が、その中でケアプラン結果等を使って自らの健康状態等を共有し、その上でB型サービスの運営主体が活動状況を確認し、状況の変化など必要なときは、地域包括支援センター等専門職に繋がる仕組みを構築することが必要である。これは、通常のケアプランでいうモニタリングの意味を持つと言える。
さらに、住民主体の活動場所では、専門職のアドバイス等も共有し、本人がそれに基づいた取組を継続できるようお互いが声をかけ合うなどにより、健康管理や体力の維持改善のための取組が、日常生活の中でより定着することが期待される。
○ 高齢者本人と家族
ケアマネジメントCではモニタリングが行われないため、ケアマネジメント結果に基づき、本人が自分の健康づくり、介護予防の活動について、主体的に取り組む姿勢を持っていただくことが必要である。
その上で、疾病や障害を踏まえた生活上の留意点を、本人が理解して家族や周囲に伝えておくことや、状況が変化した場合や困りごとが発生した場合に、地域包括支援センターに相談するという意識を醸成していくことも合わせて必要である。
 
(8) より効果的な介護予防ケアマネジメントの実施に向けて「介護予防・日常生活支援総合事業ガイドライン『第5 自立支援に向けた関係者間での意識の共有(規範的統合の推進)と効果的な介護予防ケアマネジメントの在り方~一歩進んだケアマネジメントに向けたガイドライン~』」も参考にしながら、取り組んでいただきたい。
 
7 報酬(単価、加算)、支払
(1) 単価及び加算
介護予防ケアマネジメントは、直接実施又は委託により実施するものである。
委託をする場合は、1件あたりの単価を設定することとし、その単価については、提供する内容等に応じ、国が定める額(介護保険法施行規則第140条の63の2第1項第1号に規定する厚生労働大臣が定める基準(令和3年厚生労働省告示第72号)に定める単価をいう。以下同じ。)を勘案して市町村が定める。
加算については、国が定める額を勘案して算定できるほか、地域の実情に応じて、市町村が定めることも可能である。なお、総合事業の効率的な実施の観点から、市町村は、独自の加算を定める場合にあっては、加算も含めて国が定める額を勘案し設定すること。
限度額管理外とする加算の対象として、国において定められている加算(介護予防ケアマネジメントに関するものとしては、初回加算、委託連携加算)については、国が定める額を勘案して定めることができるものとする。
ア 初回加算
現行の指定居宅介護支援、指定介護予防支援における基準に準じて算定できる。
ア) 新規に介護予防ケアマネジメントを実施する場合
(契約の有無に関わらず、介護予防ケアマネジメントの実施が終了して二月以上経過した後に、介護予防ケアマネジメントを実施する場合を含む)、
イ) 要介護者が要支援認定を受け、あるいはサービス事業対象者として介護予防ケアマネジメントを実施する場合
ただし、予防給付を受けていた者が、要支援の認定有効期間の満了の翌月から、サービス事業対象者として総合事業のサービス利用に移行するときは、初回加算の算定を行うことはできない。
 
イ 委託連携加算
地域包括支援センターが介護予防ケアマネジメントを指定居宅介護支援事業所に委託する際、利用者に係る必要な情報を当該指定居宅介護支援事業所に提供しケアプランの作成等に協力した場合に算定を行うもの。
委託を開始した日の属する月に限り、利用者1人につき1回を限度として算定することができる。
なお、当該委託にあたっては、当該加算を勘案した委託費の設定を行うこと。
 
介護予防ケアマネジメント費の請求と支払に関しては、表5「サービス事業のみの利用の場合のケアマネジメント費の例」を参考にされたい。
 
 
表5 サービス事業のみの利用の場合のケアマネジメント費の例
(サービス提供開始の翌月から3ヶ月を1クールとしたときの考え方)
表5 サービス事業のみの利用の場合のケアマネジメント費の例
 
なお、介護予防ケアマネジメントでは、ケアマネジメントのプロセスを評価することとしており、アセスメントから、目標の達成に向けての取り組みとして保険外の民間企業のサービスのみの利用となり、その後のモニタリング等を行わない(ケアマネジメントC)の場合についても、アセスメント等のプロセスに対し、ケアマネジメント開始月のみ、総合事業によるケアマネジメント費が支払われるものである。
 
(2) 介護予防ケアマネジメントに関する予防給付と総合事業の関係
要介護等認定を受け、結果が要支援1・2の場合、予防給付からのサービス利用があれば、予防給付の介護予防ケアマネジメントの介護報酬が支払われることになり(国保連支払)、要支援認定を受けていない事業対象者(申請をしていない者や申請はしたが非該当となった者)又は要支援認定は受けたが総合事業によるサービス利用のみの場合にあっては、総合事業から介護予防ケアマネジメントの費用が、市町村から支払われることになる。
ア サービス事業に関する費用の支払:
要介護等認定を受け、認定結果が出る前にサービス事業の利用を開始していた場合、認定結果が要介護1以上であっても、介護給付によるサービス利用開始以前のサービス事業利用分の報酬は、総合事業より支給されるものとする。
イ 事業対象者としてサービス事業からサービスを提供された後、要介護認定を受けた場合には、介護給付サービスの利用を開始するまでの間にあっては事業対象者として取り扱う。
 
 
表6 要介護認定等の申請期間中のサービス利用と費用の関係
 
給付のみ
給付と総合事業
総合事業のみ
非該当・
事業対象者
全額
自己負担
給付分は全額自己負担
介護予防ケアマネジメントも含めた事業分は事業より支給
介護予防ケアマネジメントも含めて、事業より支給
要支援認定
予防給付
より支給
介護予防ケアマネジメントを含めた給付分は予防給付より支給
事業分は、事業より支給
介護予防ケアマネジメントも含めて、事業より支給
要介護認定
介護給付
より支給
介護予防ケアマネジメントを含めた給付分は、介護給付より支給
事業分は、介護給付サービスの利用を開始するまでのサービス提供分は事業により支給
介護給付サービスの利用を開始するまでのサービス提供分は事業により支給
(注) 上記は、それぞれの指定を受けていることが前提。
 
なお、「介護保険事務処理システム変更に係る参考資料(確定版)」(令和3年3月31日事務連絡)によりお示ししているが、予防給付及びサービス事業を併用する場合の給付管理票及び介護予防支援費・介護予防ケアマネジメント費については以下のとおりであるので留意願いたい。
 
 
表7 予防給付及びサービス事業を併用する場合の給付管理票及び介護予防支援費・介護予防ケアマネジメント費
 
表7 予防給付及びサービス事業を併用する場合の給付管理票及び介護予防支援費・介護予防ケアマネジメント費(1/2)
 
 
表7 予防給付及びサービス事業を併用する場合の給付管理票及び介護予防支援費・介護予防ケアマネジメント費(2/2)
 
(*1)
訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所介護、通所リハビリテーション、福祉用具貸与、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、小規模多機型居宅介護、小規模多機能型居宅介護(短期利用型)、複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)、複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護・短期利用型)、短期入所生活介護、短期入所療養介護(介護保健施設)、短期入所療養介護(介護療養施設等)、短期入所療養介護(介護医療院)、認知症対応型共同生活介護(短期利用型)、特定施設入居者生活介護(短期利用型)、地域密着型特定施設入居者生活介護(短期利用型)
 
(*2)
介護予防訪問入浴介護、介護予防訪問看護、介護予防訪問リハビリテーション、介護予防通所リハビリテーション、介護予防福祉用具貸与、介護予防認知症対応型通所介護、介護予防小規模多機型居宅介護、介護予防短期入所療養介護(介護保健施設)、介護予防短期入所療養介護(介護療養施設等)、介護予防短期入所療養介護(介護医療院)、介護予防認知症対応型共同生活介護(短期利用型)、介護予防小規模多機能型居宅介護(短期利用型)
 
(*3)
訪問型サービス(独自)、訪問型サービス(独自/定率)(*4)、訪問型サービス(独自/定額)(*4)、通所型サービス(独自)、通所型サービス(独自/定率)(*4)、通所型サービス(独自/定額)(*4)
 
(*4)
限度額管理対象/対象外サービスは市町村が決定して国保連に連絡する
 
(*5)
住所地特例適用被保険者の介護予防ケアマネジメント費は施設所在市町村へ請求
 
 
(3) 介護予防ケアマネジメント費の請求及び支払について
介護予防ケアマネジメントは、直接実施、委託により実施するものとされている。地域包括支援センターが委託されている場合や事業の一部が地域包括支援センターから居宅介護支援事業所に委託されている場合には単価設定が必要である。
 
ア 地域包括支援センターを直営で運営している市町村
現行の指定介護予防支援事業所に係る経費を計上するのと同じように所要額を計上するものであるから、介護予防ケアマネジメントに係る単価を設定し、それに基づく積算を行う必要はないと考えられる。
一方で、事業の一部を居宅介護支援事業所に委託する場合にあっては、介護予防ケアマネジメントが要支援者等の個人に対する個別のサービスであることから、1件あたりの単価を設定する必要があるが、その単価は国が定める額を勘案(事業の一部を委託することから、委託する事務量に応じた単価で設定する必要がある)し、市町村が定めることとしている。
 
イ 地域包括支援センターを委託している市町村
委託に際する所要額の算定にあっては、介護予防ケアマネジメントが要支援者等の個人に対する個別のサービスであることから、1件あたりの単価を設定する必要があるが、その単価は国が定める額を勘案し市町村が定めることとしている。
 
なお、介護予防ケアマネジメント費について、審査支払を国保連合会に委託することは可能であるが、介護予防ケアマネジメント費と給付管理票の突合審査は行われない(仮に、給付管理票が存在しない場合でも介護予防ケアマネジメント費は支払われる)ことに留意されたい。
 
 

 
 
 
介護予防ケアマネジメント実施における関連様式例一覧
 
 
 
様式1 基本チェックリスト様式例及び事業対象者に該当する基準
 
様式2 基本チェックリストについての考え方
 
様式3 介護予防サービス計画作成・介護予防ケアマネジメント依頼(変更)届出書
 
様式4 興味・関心チェックシート
 
様式5 利用者基本情報
 
様式6 介護予防サービス・支援計画書(ケアマネジメント結果等記録表)
 
様式7 介護予防支援・介護予防ケアマネジメント経過記録
(サービス担当者会議の要点を含む)
 
様式8 介護予防支援・介護予防ケアマネジメントサービス評価表
(※ 様式5から様式8までを「標準様式例」という)
 
 
 

様式1 基本チェックリスト様式例及び事業対象者に該当する基準(1/2)

様式1 基本チェックリスト様式例及び事業対象者に該当する基準(2/2)

様式2 基本チェックリストについての考え方(1/2)

様式2 基本チェックリストについての考え方(2/2)

様式3 介護予防サービス計画作成・介護予防ケアマネジメント依頼(変更)届出書

様式4 興味・関心チェックシート

様式5 利用者基本情報(1/2)

様式5 利用者基本情報(2/2)

様式6 介護予防サービス・支援計画書(ケアマネジメント結果等記録表)

様式7 介護予防支援・介護予防ケアマネジメント経過記録(サービス担当者会議の要点を含む)

様式8 介護予防支援・介護予防ケアマネジメント サービス評価表

 
 
(介護予防支援及び介護予防ケアマネジメント業務に係る関連様式例記載要領)
本様式例は、当初の介護予防サービス計画原案又は、介護予防ケアマネジメント(第一号介護予防支援事業)におけるケアプラン原案(以下、「介護予防サービス計画原案等」という。)を作成する際に記載し、その後、介護予防サービス計画又は、介護予防ケアマネジメント(第一号介護予防支援事業)におけるケアプラン(以下、「介護予防サービス計画等」という。)の一部を変更する都度、別用紙を使用して記載するものとする。
但し、サービス内容への具体的な影響がほとんど認められないような軽微な変更については、当該変更記録の箇所の冒頭に変更時点を明記しつつ、同一用紙に継続して記載することができるものとする。
1 「利用者基本情報」
① 「作成担当者名」
利用者基本情報の作成担当者の氏名を記載する。
② 「相談日」
初回の相談日で、当該利用者基本情報を作成した年月日を記載する。また、相談の方法として、来所や電話等の種別を記入する。また、初回の訪問か、再来の場合は、前回の相談日がわかれば記載する。
③「本人の現況」
利用者本人の現在の居所について記載する。入院または入所中の場合は、その施設名を記載する。
④ 「本人氏名」
利用者氏名及び性別を記載する。介護保険被保険者証と一致していることを確認し、利用者の生年月日と年齢を記載する。
⑤ 「住所」
当該利用者の現在居住している居住地を記載すること。住民票の住所地と異なる場合は、介護保険被保険者証に記載されている住所を記載する。
⑥ 「電話番号」
当該利用者と連絡のとれる電話番号を記載する。
⑦ 「日常生活自立度」
利用者の「障害高齢者の日常生活自立度判定基準」、「認知症高齢者の日常生活自立度判定基準」に基づくそれぞれのランクについて、要支援認定で用いられた主治医意見書の3⑴の「日常生活の自立度等について」を参考に、現在の状態に該当するものに〇印を付す。
⑧ 「認定・総合事業情報」
利用者の要介護認定等の区分について、「非該当」、「要支援1」から「要介護5」のいずれかを〇で囲む。また、有効期限と前回の介護度を記載する。
基本チェックリストの記入結果について、「事業対象者の該当あり」又は「事業対象者の該当なし」のいずれかを○で囲み、記入日を記載する。
⑨ 「障害等認定」
障害等の種別について〇印で囲む。障害等級等、特記することがあれば空欄に記載する。
⑩ 「本人の住居環境」
該当するものについて〇印で囲む。自室の有無について、自室のある場合は自室のある階を記載する。また、住宅改修の有無についても記載する。
⑪ 「経済状況」
利用者の該当する年金等について〇印で囲むとともに、経済等の状況を記入する。
⑫ 「来所者(相談者)」
来所者または相談者について、氏名を記載する。
⑬ 「住所連絡先」
来所者または相談者の住所、連絡先及び本人との続柄を記載する。
⑭ 「緊急連絡先」
緊急時に確実に連絡がとれる電話番号を記載する。連絡先は複数確認することが望ましい。当該利用者の急変等、緊急に連絡をとる必要がある場合に利用者自宅以外の連絡先を記載する。また、家族が働いている場合は、携帯電話や自宅の他に家族の職場等確実に連絡がとれる電話番号を記載する。
⑮ 「家族構成」
当該利用者の家族について記載する。介護力を考慮するために、家族の年齢や居住地域も可能な範囲で記載する。現在利用者と同居している家族は〇で囲む。当該利用者に関係する家族関係等の状況を欄内の凡例を用い、利用者を中心として家族関係がわかるように図解して記載する。なお、家族関係で特記すべき事項があれば記載する。
⑯ 「今までの生活」
当該利用者の現在までの生活について、主要な出来事を時間の経過順に記載する。職業や転居、家族史、家族との関係、居住環境などについて記載する。
⑰ 「現在の生活状況(どのような暮らしを送っているか)」
「一日の生活・すごし方」は、起床から就寝までの一日の流れや食事・入浴・買い物仕事や日課にしていることなど、一日の過ごし方を記載する。上段には、生活全般に関する様子を記入し、食事や入浴、家事など毎日の決まった生活行為については、下段にタイムスケジュールを記入する。
のちにアセスメント領域の「日常生活(家庭生活)について」で、この領域をアセスメントすることを念頭に必要な情報を記載する。
「趣味・楽しみ・特技」は、以前取り組んでいた趣味や楽しみ、特技も聞き取り記載する。
「友人・地域との関係」は、友人や地域との交流頻度や方法、内容を記載する。
⑱ 「現病歴・既往歴と経過」
主治医意見書からの情報や利用者・家族からの聴取をもとに、利用者の主な既往症と治療服薬の状況について時間の経過順に記載する。記入した病気のために服薬等の治療を受けている場合は、「治療中」に〇印を付し、治療は受けていないが受診だけはしているという場合は、経過観察中に〇印を付す。その他の状況の場合には「その他」に〇印を付す。また、要支援者の場合、主治医意見書を記載した医療機関または医師については★印を付す。
⑲ 「現在利用しているサービス」
当該利用者が現在利用している支援について、サービスの種別と利用頻度について記載する。ここでいうサービスは、行政が行う一般施策のような公的なサービスと、ボランティアや友人などによって行われている非公的なサービスを分けて記載する。
⑳ 「個人情報の第三者提供に関する同意」
地域包括支援センターが行う事業の実施に当たり、利用者の状況を把握する必要があるときは、基本チェックリスト記入内容、要介護認定、要支援認定に係る調査内容、介護認定審査会による判定結果・意見、及び主治医意見書と同様に、利用者基本情報、支援・対応経過シート、アセスメントシート等の個人に関する記録を、居宅介護支援事業者、居宅サービス事業者、総合事業におけるサービス事業等実施者、介護保険施設、主治医その他本事業の実施に必要な範囲で関係する者に提示することに同意を得る。
 
2 「介護予防サービス・支援計画書(ケアマネジメント結果等記録表)」
① 「NO.」
利用者の整理番号を記載する。
② 「利用者名」
当該介護予防サービス計画等の利用者名を記載する。
③ 「認定年月日」
当該利用者の要支援認定の結果を受けた日を記載する。
④ 「認定の有効期間」
当該利用者の認定の有効期間を日付で記載する。
⑤ 「初回・紹介・継続」
当該利用者が、当該地域包括支援センター、指定介護予防支援事業者又は当該委託を受けた居宅介護支援事業者において初めて介護予防ケアマネジメント及び予防給付を受ける場合は「初回」に、介護予防ケアマネジメントを受けていたが、予防給付を受けるように紹介された場合、又は、予防給付を受けていたが、介護予防ケアマネジメントを受けるよう紹介された場合は「紹介」に、介護予防ケアマネジメントを受けており、今後も介護予防ケアマネジメントを受ける予定、あるいは予防給付を現在受けており、今後も予防給付を受ける予定の場合は「継続」に〇を付す。
⑥ 「認定済・申請中」
要支援認定について「新規申請中」(前回「非該当」となり、再度申請している場合を含む。)、「区分変更申請中」、「更新申請中であって前回の認定有効期間を超えている場合」は、「申請中」に〇を付す。それ以外の場合は「認定済」に〇を付す。
認定を受けていない場合は、○を付さない。
⑦ 「要支援1・要支援2 地域支援事業」
被保険者証に記載された「要介護状態区分」あるいは基本チェックリストの結果から総合事業における介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)を『利用する場合は「地域支援事業」に〇を付す。
⑧ 「計画作成者氏名」
当該介護予防サービス計画等作成者(地域包括支援センター担当者名)の氏名を記載する。なお、介護予防支援業務及び介護予防ケアマネジメントを委託する場合には、担当介護支援専門員名もあわせて記載する。
⑨ 「委託の場合:計画作成事業者・事業所名及び所在地(連絡先)」
介護予防支援業務及び介護予防ケアマネジメントを委託する場合は、当該介護予防サービス計画等作成者の所属する介護予防支援事業者・事業所名及び所在地(住所と電話番号)を記載する。
⑩ 「担当地域包括支援センター」
介護予防支援業務及び介護予防ケアマネジメントを委託する場合に、当該利用者が利用する地域包括支援センター名を記載する。
⑪ 「計画作成(変更)日(初回作成日)」
当該地域包括支援センター若しくは介護予防支援事業者又は当該委託を受けた居宅介護支援事業者において当該利用者に関する介護予防サービス計画等を作成した日を記載する。また、「初回作成日」には、二回目以降の計画作成の場合、初回作成日を記載する。
⑫ 「目標とする生活」
利用者が今後どのような生活を送りたいか、利用者自身の意思意欲を尊重し、望む日常生活のイメージを具体的にすることで、利用者が介護予防へ主体的に取り組む動機付けとなる。
この欄には、必要に応じて計画作成者が前記のような支援を行いつつ、利用者にとっては介護予防への最初の取り組みである「目標とする生活」のイメージについて記載する。
具体的にどのような生活を送りたいかは、一日単位でも、一年単位でも、よりイメージしやすい「目標とする生活」を記述する。漠然としていて、イメージできない場合は、毎日の生活の中でどのようなことが変化すればよいのか、イメージしやすい日常生活のレベルでともに考える。計画を立て終わった時点では、全体像を把握した上で、再度利用者と修正するのは差し支えない。一日及び一年単位の両方記載しなければならないものでなく、また、両者の目標に関係がなければならないものではない。
「一日」は、大きな目標にたどり着くための段階的な目標である場合や、健康管理能力や機能の向上・生活行為の拡大・環境改善など、様々な目標が設定される場合もあり得る。また、利用者が達成感自己効力感が得られるような内容が望ましい。
「一年」は、利用者とともに、生きがいや楽しみを話し合い、今後の生活で達成したい目標を設定する。あくまでも、介護予防支援及び介護予防ケアマネジメントや利用者の取り組みによって達成可能な具体的な目標とする。計画作成者は利用者の現在の状況と今後の改善の可能性の分析を行い、利用者の活動等が拡大した状態を想像してもらいながら、その人らしい自己実現を引き出すようにする。
⑬ 「健康状態について」
「主治医意見書」(要支援者のみ)、「健診結果」「観察結果」等より健康状態について、介護予防サービス計画等を立てる上で留意すべき情報について記載する。
⑭ 「アセスメント領域と現在の状況」
各アセスメント領域ごとに、日常生活の状況を記載する。
各アセスメント領域において「現在、自分で(自力で)実施しているか否か」「家族などの介助を必要とする場合はどのように介助され実施しているのか」等について、その領域全般について聴取。アセスメントは、基本チェックリストの回答状況、主治医意見書、生活機能評価の結果も加味して行う。
聴取するにあたって利用者と家族の双方に聞き、実際の状況と発言していることの違い、利用者と家族の認識の違いなどにも留意する。
利用者・家族からの情報だけでなく、計画作成者が観察した状況についても記載する。
「運動・移動について」欄は、自ら行きたい場所へ様々な手段を活用して、移動できるかどうか、乗り物を操作する、歩く、走る、昇降する、様々な交通を用いることによる移動を行えているかどうかについて確認する必要がある。
「日常生活(家庭生活)について」欄は、家事(買い物・調理・掃除・洗濯・ゴミ捨て等)や住居経済の管理、花木やペットの世話などを行っているかについて確認する必要がある。
「社会参加、対人関係・コミュニケーションについて」欄は、状況に見合った適切な方法で、人々と交流しているか。また、家族、近隣の人との人間関係が保たれているかどうか。仕事やボランティア活動、老人クラブや町内会行事への参加状況や、家族内や近隣における役割の有無などの内容や程度はどうかについて確認する必要がある。
「健康管理について」欄は、清潔・整容・口腔ケアや、服薬、定期受診が行えているかどうか。また、飲酒や喫煙のコントロール、食事や運動、休養など健康管理の観点から必要と思われた場合、この領域でアセスメントする。特に、高齢者の体調に影響する、食事・水分・排泄の状況については、回数や量などを具体的に確認する必要がある。
⑮ 「本人・家族の意欲・意向」
各アセスメント領域において確認をした内容について、利用者・家族の認識とそれについての意向について記載する。例えば、機能低下を自覚しているかどうか、困っているかどうか、それについてどのように考えているのか等。
具体的には、「〇〇できるようになりたい」「手伝ってもらえば〇〇したい。」と記載し、その理由についても確認する。ただし、利用者と家族の意向が異なった場合は、それぞれ記載する。否定的ないし消極的な意向であった場合は、その意向に対し、ただちに介護予防サービス計画等を立てるのではなく、その意向がなぜ否定的なのか、消極的なのかという理由を明らかにすることが介護予防支援及び介護予防ケアマネジメントでは大切である。これは、具体策を検討する際に参考情報となる。
⑯ 「領域における課題(背景・原因)」
各アセスメント領域において生活上の問題となっていること及びその背景・原因を
「アセスメント領域と現在の状況」「本人・家族の意欲・意向」に記載した内容や、実際の面談中の様子、利用者基本情報、主治医意見書、生活機能評価の結果等の情報をもとに健康状態、心理・価値観・習慣、物的環境・人的環境、経済状況等の観点から整理し、分析する。その際、基本チェックリストのチェック結果についても考慮する。ここには、現在課題となっていることあるいはその状態でいると将来どのようなことがおこるかなど課題を予測して記載する。結果として、その領域に課題があると考えた場合に「□有」に■印を付す。
⑰ 「総合的課題」
前項目で分析した各「領域における課題」から、利用者の生活全体の課題を探すため、直接的な背景・原因だけでなく、間接的な背景・原因を探り、各領域における課題共通の背景等を見つけ出す。そして、利用者にとって優先度の高い順で課題を列挙する。また、課題とした根拠を記載する。例えば、複数の領域それぞれに課題があったとしても、その課題の原因や背景などが同一の場合、統合して記述したほうが、より利用者の全体像をとらえた課題となる。ここには、支援を必要とすることを明確にするために課題だけを記載し、意向や目標、具体策などは記載しない。
ここであげる総合的課題に対して、これ以降の介護予防支援及び介護予防ケアマネジメントのプロセスを展開するため、優先度の高い順に1から番号を付す。
⑱ 「課題に対する目標と具体策の提案」
「総合的課題」に対して、目標と具体策を記載する。この目標は、利用者や家族に対して専門的観点から示す提案である。したがって、本人や家族の意向は入っておらず、アセスメントの結果が現れる部分である。適切にアセスメントがされたかどうかは、この項目と意向を踏まえた目標と具体策を比較すると判断できるため、地域包括支援センターでの確認は、この項目をひとつの評価指標とすることができる。このため、目標は漠然としたものではなく、評価可能で具体的なものとする。
具体策についても、生活機能の低下の原因となっていることの解決につながる対策だけでなく、生活機能の低下を補うための他の機能の強化や向上につながる対策等、様々な角度から具体策を考える。
具体的な支援やサービスは、サービス事業や一般介護予防事業、介護保険サービスだけではなく、生活機能の低下を予防するための利用者自身のセルフケアや家族の支援、民間企業により提供される生活支援サービス、地域のインフォマールサービスなどの活用についても記載する。
今後、次の項目である「具体策についての意向本人・家族」欄で同意が得られた場合は、ここで提案した目標と具体策が介護予防サービス計画等の目標と支援内容につながっていく。
計画作成者はアセスメントに基づき、専門的観点から利用者にとって最も適切と考えられる目標とその達成のための具体的な方策について提案することが重要である。
⑲ 「具体策についての意向本人・家族」
計画作成者が提案した「課題に対する目標と具体策」について、利用者や家族の意向を確認して記載する。ここで、専門家の提案と利用者の意向の相違点が確認できる。ここでの情報は、最終的な目標設定を合意する上での足がかりとなる。
合意が得られた場合は、「〇〇が必要だと思う」「〇〇を行いたい」等と記載する。合意が得られなかった場合には、その理由や根拠等について、利用者や家族の考えを記載する。
⑳ 「目標」
前項目の利用者や家族の意向を踏まえ、計画作成者と利用者・家族の三者が合意した目標を記載する。当初から「課題に対する目標と具体策」について合意を得られていた場合には、「同左」あるいは「提案どおり」などを記載してもよい。
㉑ 「目標についての支援のポイント」
前項目の目標に対して、計画作成者が具体的な支援を考える上での留意点を記入する。
ここには、目標達成するための支援のポイントとして、支援実施における安全管理上のポイントやインフォーマルサービスの役割分担など、様々な次元の項目が書かれることがある。
㉒ 「本人等のセルフケアや家族の支援、インフォーマルサービス(民間サービス)」「介護保険サービスまたは地域支援事業(総合事業のサービス)」
「本人等のセルフケアや家族の支援、インフォーマルサービス(民間サービス)」欄には、本人が自ら取り組むことや、家族が支援すること、地域のボランティアや近隣住民の協力、民間企業により提供される生活支援サービスなどもインフォーマルサービスとして記載する。誰が、何をするのか具体的に記載する。
「介護保険サービスまたは地域支援事業(総合事業のサービス)」欄には、予防給付、総合事業のサービス事業や一般介護予防事業等含めた地域支援事業のサービスの内容を記載し、どのサービス・事業を利用するかわかるように〇印で囲むものとする。
具体的なサービス内容について、利用者・家族と合意し、目標を達成するために最適と思われる内容については本来の支援として、そのまま記載する。
しかし、サービス内容について利用者・家族と合意できない場合や地域に適当なサービスがない場合は、利用者・家族が合意した内容や適切なサービスの代わりに行う地域の代替サービスを当面の支援として括弧書きで、サービス内容を記載する。本来の支援の下に、当面の支援を記載する。
㉓ 「【本来行うべき支援ができない場合】妥当な支援の実施に向けた方針」
本来の支援が実施できない場合で、利用者や家族の合意がとれない場合は、本来の支援をできるように働きかける具体的な手順や方針を書く等、その内容の実現に向けた方向性を記載する。また、本来必要な社会資源が地域にない場合にも、地域における新たな活動の創設などの必要性を記載する。
㉔ 「サービス種別」
「本人等のセルフケアや家族の支援、インフォーマルサービス(民間サービス)」「介護保険サービスまたは地域支援事業(総合事業のサービス)」の支援内容に適したサービス種別を具体的に記載する。
㉕ 「事業所(利用先)」
当該サービス提供を行う「事業所名(利用先)」を記載する。また、地域、介護保険以外の公的サービスが担う部分についても明記する。
㉖ 「期間」
「期間」は、「支援内容」に掲げた支援をどの程度の「期間」にわたり実施するかを記載する(「〇か月」「〇月〇日~〇月〇日」など記載する)。
なお、「期間」の設定においては要支援者の場合は「認定の有効期間」も考慮するものとする。
また、「支援内容」に掲げたサービスをどの程度の「頻度(一定期間内での回数、実施曜日等)」で実施するか提案があれば記載する。
㉗ 「総合的な方針(生活不活発病の改善・予防のポイント)」
記載された「目標とする生活」や「目標」について、利用者や家族、計画作成者、各サービス担当者が生活不活発病の改善・予防に向けて取り組む共通の方向性や特別に留意すべき点、チーム全体で留意する点などを記載する。
㉘ 「必要な事業プログラム」
基本チェックリストの該当項目数から、プログラム毎のチェックリストの項目数を分母、該当した項目数を分子として枠内に記入する。また、専門職による短期集中予防サービスを利用する場合は、その判断基準から参加することが望まれると考えられるプログラムの枠内の数字に〇印を付す。
㉙ 「地域包括支援センターの意見・確認印」
居宅介護支援事業者が地域包括支援センターからの委託を受けて行う場合に本欄を使用する。この場合、その介護予防支援及び介護予防ケアマネジメントの最終的な責任主体である当該地域包括支援センターは、介護予防サービス計画等が適切に作成されているかを確認する必要がある。
このようなことから、委託された居宅介護支援事業者は、介護予防サービス計画原案等を作成し、介護予防サービス計画書について当該地域包括支援センターの確認を受ける必要があり、その際に、本欄に確認をした当該地域包括支援センターの担当者がその氏名を記載する(当該地域包括支援センターの担当者がサービス担当者会議に参加する場合には、サービス担当者会議の終了時に介護予防サービス計画原案等の確認を行っても差し支えない)。
この確認を受けた後に、利用者に最終的な介護予防サービス計画原案の説明を行い、同意を得ることとなる。
(ただし、総合事業における介護予防ケアマネジメントの場合は、そのプロセスによっては、ケアプラン原案としての作成や、サービス担当者会議を省略することもある。)
㉚「計画に関する同意」
介護予防サービス計画原案等の内容を当該利用者・家族に説明を行った上で、利用者本人の同意が得られた場合、利用者に氏名を記入してもらう。この場合、利用者名を記入した原本は、事業所において保管する。
 
3 「介護予防支援・介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)経過記録(サービス担当者会議の要点を含む)」
① 「利用者氏名」
当該利用者名を記載する。
② 「計画作成者氏名」
当該介護予防サービス計画等作成者(地域包括支援センター担当者名)の氏名を記載する。なお、介護予防支援業務又は介護予防ケアマネジメントを委託する場合には、委託を受けた指定居宅介護支援事業所の担当介護支援専門員名もあわせて記載する。
③ 「年月日」「内容」
訪問、電話、サービス担当者会議等での連絡や相談、決定事項等があった場合その日付と相談や会議内容、決定事項等の内容を記載する。事業所から報告書等が提出された場合は、ここに添付する。ここでは、事実の記載は最重要事項であるが、その事実に基づき介護予防サービス計画等の修正が必要と考えられた場合などは、記録を残すことも重要である。
 
4 「介護予防支援・介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)サービス評価表」
① 「利用者氏名」
当該利用者名を記載する。
② 「計画作成者氏名」
当該介護予防サービス計画等作成者(地域包括支援センター担当者名)の氏名を記載する。なお、介護予防支援又は介護予防ケアマネジメント業務を委託する場合には、担当介護支援専門員名を記載する。
③ 「評価日」
当該介護予防サービス・支援評価を行った日を記載する。
④ 「目標」
当該「介護予防サービス・支援計画書」の目標を記載する。
⑤ 「評価期間」
「介護予防サービス・支援計画書」の「期間」欄から期間を転記する。
⑥ 「目標達成状況」
評価期間内に目標がどの程度達成できているのか、具体的に記載する。
評価時に、評価期間が終わっていないサービスについてもいったん評価を行い、介護予防サービス計画等を見直す。
⑦ 「目標達成/未達成」
目標を達成した場合には〇印、未達成の場合には×印を付す。
⑧ 「目標達成しない原因(本人・家族の意見)」
何故、目標が達成されなかったのか、目標の設定の妥当性も含め当該利用者・家族の認識を確認し、原因を記載する。
⑨ 「目標達成しない原因(計画作成者の評価)」
何故、目標が達成されなかったのか、利用者・家族の意見を含め、計画作成者としての評価を記載する。
⑩ 「今後の方針」
目標達成状況や目標達成しない原因から、今後の方針について、専門的な観点を踏まえて記載する。
⑪ 「総合的な方針」
今後の支援の総合的な方針について、専門的な観点から方針を記載する。
⑫ 「地域包括支援センター意見」
介護予防サービス計画等に対する対象者の状況や事業所等からの報告を受けて、効果が認められた、維持悪化等の判定をし、その根拠も記載する。特に、介護予防支援又は介護予防ケアマネジメント業務を委託する場合、計画作成者の今後の方針などが適切でない場合は、詳細について意見交換を行い、地域包括支援センターと委託を受けた指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員の方針の統一を図る必要がある。
地域包括支援センター意見を参考に今後の方針で該当するものにレ印を付す。
 
 

 
 
別紙2
介護予防手帳の活用について
 
ここで提示する介護予防手帳は、これまで高齢者の保健福祉施策において、心身の状況や介護予防ケアプラン等に関する情報を集約し、本人・家族・地域包括支援センター・事業者等で共有する媒体として、老人保健事業における「健康手帳」や地域支援事業における「介護予防手帳」が活用されてきたところから、介護予防・日常生活支援総合事業においてセルフマネジメントを推進し、規範的統合を図る観点から、従来の介護予防手帳の内容の充実を図る場合の様式を提案するものである。
介護予防手帳を活用するか否か、また、活用する場合どのような者を対象にするかは市町村の判断であるが、「ケアマネジメントC(初回のみの介護予防ケアマネジメント)」の対象者のためのセルフマネジメントツールを作成する際等に参考にしていただきたい。
 
1 目的
介護予防は、単に高齢者の運動機能や栄養状態といった心身機能の改善だけを目指すものではなく、日常生活の活動を高め、家庭や社会への参加を促し、それによって一人一人の生きがいや自己実現のための取組を支援して、生活の質の向上を目指すものである。このため、高齢者が住み慣れた地域で生きがいや役割をもって、いきいきと楽しく暮らし続けることができるように支援するためのツールとして、介護予防手帳を作成したものである。
介護予防手帳の対象者には、単にサービスメニューや利用方法、提供体制等について周知するだけでなく、各自がその能力を最大限活用しつつ、地域社会とのつながりを断絶することなく適切な支援を受けることが重要であることを理解してもらう必要がある。
また、要支援者等の状況に応じて、地域包括支援センターが介護予防ケアマネジメントにより継続的に関与しないケース(ケアマネジメントC)も想定していることから、要支援者等が自らの健康保持や介護予防の意識を高く保ち、関係者と共有して、各種サービスの利用・支援への参加等をしていくことが重要である。
従来の介護予防手帳は、高齢者の心身の状況の情報を共有してきたが、これに加えて、高齢者が自律的に生活を管理(セルフマネジメント)する力を高めるため、自身の興味・関心に基づいた生活の目標をたて、活動計画を作成し、活動経過を記録しながら関係者と共有できるように様式を工夫している。
 
2 主な交付対象者
「介護予防・日常生活支援総合事業対象者のうちケアマネジメントC(初回のみの介護予防ケアマネジメント)の対象者、その他交付を希望する者」
 
・ 地域の通いの場等へ自ら参加し、自ら介護予防に取り組むことができる高齢者を想定しており、身体介護や機能訓練を必要とする高齢者についてはケアマネジメントA(原則的な介護予防ケアマネジメント)が必要であると考えられるため、原則として対象外と想定している。
・ また、基本チェックリストにおいて事業対象者に該当しない、いわゆる元気高齢者については、介護予防ケアマネジメントにおける地域包括支援センターの支援を受けないことから、原則として対象外と想定している。
・ ケアマネジメントB(簡略化した介護予防ケアマネジメント)の対象者については、サービス担当者会議やモニタリングの簡略化が可能となるため、介護予防手帳を活用してセルフマネジメントを推進することも考えられる。
・ いずれにしても、本人が希望する場合は交付することができると考えており、そもそも、これまでの介護予防手帳は「特定高齢者及びその他希望する者」を対象者としていたものであるところ、第1号被保険者であれば、市町村が対象者の範囲を広げる(狭める)ことを妨げるものではない。
 
3 介護予防手帳の作成方針
(1) 【携行用】と【保管用】の分類
新たな介護予防手帳では、生活の目標、目標達成に向けた取組内容等を記載し、持ち歩くことで取組の経過を記録することにしたが、一方、従来の介護予防手帳に含まれていた心身の状況に関する情報は携行するのになじまないため、【携行用】と【保管用】に分類することとした。
【携行用】は、高齢者の持ち歩きや個人情報保護を考慮した簡易なセルフマネジメントツールとしており、本人の興味・関心を確認し、それに基づいた生活の目標を設定、それに向けて自身で取り組む活動を決め、自分一人では難しいことについては、家族・知人の助けや支援・サービスを設定できるようになっている。
【保管用】では、本事業における介護予防の基本的な考え、【携行用】の記載方法、地域内の活動場所や支援・サービス等について定めているが、その他必要な書類とともにファイリングして保管しておくことが望ましい。
その他、ケアマネジメントにおいて参考にすべき、あるいは本人と地域の多様な支援者にて共有するべき情報として、次のものが考えられる。
 
○利用者基本情報
○生活の目標・目標を達成するための活動・活用する支援・サービス
*1【携行用】
○地域内の活動場所、支援・サービスに関する情報 *2【保管用】
○心身の状況に関する情報
・基本チェックリスト
・健康診査等の結果票
・医療機関から提供された診療情報 /等
○利用している支援・サービスの情報
・介護予防サービス・支援計画書(ケアマネジメント結果等)
・介護予防サービス・支援評価表
・事業者による事前・事後アセスメント結果票 /等
○本人が介護予防の知識を習得するための情報
・健康づくり、介護予防に関する啓発資料
・運動・口腔・栄養機能に関する基本知識 /等
○その他、介護予防に関する書類
 
うち、*1は【携行用】、*2は【保管用】の介護予防手帳の中で、情報の掲載案を示している。その他の情報については、必要に応じて【保管用】とともに保管することを想定している。
 
(2) 日常生活の活動性を高めるための項目設定
介護予防・日常生活支援総合事業が目指す「日常生活の活動性を高めることによる介護予防」を促すためには、本人の興味・関心に基づいて生活目標を設定し、目標達成に向けて、地域活動や趣味、スポーツ等に取り組めるよう支援する必要がある。また、生活上の困りごとについては、必要な支援・サービスを自ら選択して利用することが重要である。
そこで、介護予防手帳には、ケアプランの基本項目である、生活の目標、目標達成に向けた取組内容、日常生活で支援が必要なこと(家族・知人などのサポート、生活支援サービス等)を設けた。本人の意欲を引き出す目標を設定し、本人ができること頑張っていることを伸ばしていくことは、介護予防ケアマネジメントの基本的な考えであり、本人の困りごとに単純に支援・サービスをあてるだけでは不十分であることが認識される必要がある。
 
(3) セルフマネジメントツールとしての活用
介護予防・日常生活支援総合事業では、住民同士の支え合いの充実により、虚弱高齢者や要支援者も参加できる幅広い社会参加の機会を確保することを目指している。
住民主体が運営する活動場所や支援を中心に活用する場合は、専門職が直接関与する機会が少ないため、本人の管理のもとで、ケアマネジメント結果等(生活目標や活動計画等)を保管し取組の経過を記録する「セルフマネジメント」の仕組みが求められる。
そこで、介護予防手帳をケアマネジメント結果を基に自己管理する「セルフマネジメント」のツールとして位置付け、各項目を本人自らが記載し、活動する際に持ち歩き、自身で管理するものとした。介護予防手帳は、介護予防ケアマネジメントC(住民主体の支援を中心に活用する場合に適用)が主な交付対象となっているが、この場合は初回のみのケアマネジメントとなるため、介護予防手帳により活動場所で取組状況を記録することがモニタリングの意味を持つ。
なお、他類型の介護予防ケアマネジメントでも、モニタリングの期間があく等の理由でセルフマネジメントが必要な場合は、介護予防手帳を活用することも考えられる。
 
(4) 介護支援ボランティアポイントの活用について
介護予防手帳では、一部の市町村において実施されている、高齢者が介護保険施設等でボランティア活動を行った場合にポイントを付与する「介護支援ボランティアポイント」の記録も可能な様式としている。
これまで、多くの市町村では、「介護支援ボランティアポイント」の対象者を要支援・要介護認定を受けていない高齢者等としてきたが、介護予防・日常生活支援総合事業では、支援する側とされる側の垣根を取り払い、サービスを利用しながら地域とのつながりを維持することを目指しており、虚弱高齢者や要支援者も対象に含めて運用することも考えられる。例えば、サロンの利用者が必要な支援を受けつつも調理を担うなど、要支援者等であっても、得意なことを活かすことでボランティアの担い手になることは可能である。
なお、要支援者等が参加する場合でも、第1号被保険者の介護予防に資するボランティア活動であると市町村が判断すれば、「介護支援ボランティアポイント」について一般介護予防事業の枠組みが活用可能である。
また、介護予防手帳と介護支援ボランティアポイントの手帳を兼ねることは、要支援者等の地域での役割を見つけるきっかけにもなると考えられる。
 
4 留意事項
介護予防手帳を、セルフマネジメントを推進するためのツールとして導入するためには、地域包括支援センターに加え、本人・家族、地域で活動する住民主体も含めて、介護予防・日常生活支援総合事業における介護予防の考え方を共有する必要がある。
特に、ケアマネジメントCではモニタリングが行われないため、疾病や障害をふまえた生活上の留意点を本人や家族、サロン等の運営主体に伝えておくことや、本人の状況が変化した場合にすぐに相談を受けられるような信頼関係も必要である。
なお、ケアマネジメントCの対象となる高齢者像は、地域内の住民主体の支援の拡充に伴い変わっていくものと考えられるところ、地域資源の整備の進捗に応じて、ケアマネジメントの基本方針や介護予防手帳の活用のあり方等について、各圏域で地域包括支援センター・居宅介護支援事業所の考え方をすり合わせる機会をもつことも求められる。
 
※ この介護予防手帳は、平成26年度老人保健事業推進費等補助金老人保健健康増進等事業「地域支援事業の新しい総合事業の市町村による円滑な実施に向けた調査研究事業報告書」三菱UFJリサーチ&コンサルティングにおいて作成されたものである。報告書には、介護予防手帳の活用マニュアル等もまとめられている。
介護予防手帳に関しては、市町村での独自の項目の追加や編集等できるようにしているので、活用していただきたい。URLは以下のとおり。
 
 
 
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