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介護サービス事業者に係る業務管理体制の監督について(通知)
老発0404第3号
介護サービス事業者に係る業務管理体制の監督について(通知)
老発0404第3号
介護サービス事業者に係る業務管理体制の監督について(通知) (老発0404第3号)
発出日:令和6年4月4日
更新日:令和6年4月4日
更新日:令和6年4月4日
老発0404第3号
令和6年4月4日
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各
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都道府県知事
指定都市市長
中核市市長
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殿
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厚生労働省老健局長
(公印省略)
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介護サービス事業者に係る業務管理体制の監督について(通知)
介護保険法第115条の33の規定に基づき、介護サービス事業者に対して行う業務管理体制の整備に関する検査については、「介護サービス事業者に係る業務管理体制の監督について(通知)」(平成21年3月30日老発第0330077号当職通知)をお示ししているところですが、今般、新たに、別添「介護サービス事業者業務管理体制確認検査指針」を定めたのでお知らせします。各都道府県におかれては、管内市町村(指定都市及び中核市は除く。)に対して周知お願いします。
つきましては、「介護サービス事業者に係る業務管理体制の監督について(通知)」(平成21年3月30日老発第0330077号当職通知)は、本通知の発出をもって廃止します。
なお、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定による技術的助言として発出するものです。
<別添>
介護サービス事業者業務管理体制確認検査指針
第1 目的
この検査指針は、厚生労働大臣、都道府県知事又は市町村長(以下「監督権者」という。)が、介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)第115条の33の規定に基づき、指定居宅サービス事業者、指定地域密着型サービス事業者、指定居宅介護支援事業者、指定介護予防サービス事業者、指定地域密着型介護予防サービス事業者及び指定介護予防支援事業者並びに指定介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院の開設者(以下「介護サービス事業者」という。)に対して行う業務管理体制の整備に関する検査について、基本的事項等を定めることにより、的確かつ効果的な検査を実施し、介護保険制度の健全かつ適正な運営の確保を図ることを目的とする。
第2 検査方針
検査は、介護サービス事業者の業務管理体制の整備・運用状況を確認し、当該介護サービス事業者が自主的に業務管理体制の改善を図り法令等遵守に取り組むよう意識付けるとともに、問題点が確認された場合においては、必要に応じて公正かつ適切な措置をとることを方針とする。
第3 検査方法等
1.検査の形態等
(1)一般検査
一般検査は、法に基づく届出事項にかかる整備・運用状況を確認するものとし、介護サービス事業者の規模・法人種別等に応じた適切な業務管理体制が整備されているかについて、的確な検証を行うものとする。
検査方法は、関係者から関係書類等を基に説明を求める面談方式によるものとするが、情報セキュリティの確保を前提としてオンライン会議システムを活用することができる。活用に当たっては、介護サービス事業者の過度な負担とならないよう十分に配慮する。
なお、業務管理体制の整備・運用状況を適切に確認できる方法であれば、面談方式に限らず書面の記載内容の確認を行う書面方式による検査とすることも差し支えない。
(2)特別検査
特別検査は、指定又は許可を受けている介護サービス事業所又は施設(以下「指定事業所等」という。)の指定等取消相当の事案が発覚した場合に、当該事業所等の本部等へ立ち入り、業務管理体制の整備状況を検証するとともに、当該事案への組織的関与の有無について検証を行うものとする。
また、指定事業所等の指定等取消処分に至った事案に限らず、効力停止処分の事案や利用者の生命又は身体の安全に重大な危害を及ぼす事案が発覚した場合も、当該事業所等の本部等に立ち入り、業務管理体制の整備状況の検証を行うものとする。
検査方法は、関係者から関係書類等を基に説明を求める面談方式によるものとする。
2.検査計画等
(1)一般検査
一般検査は、原則として概ね6年に1回実施するものとし、毎年度実施計画を策定した上で、当該事業者の指定事業所等の指定等権者(都道府県及び市町村)に情報提供し、必要に応じて調整を図るものとする。
(2)特別検査
上記1(2)に掲げる事案が発覚した介護サービス事業者を対象とする。
また、他の指定等権者より法第115条の33第3項に基づく権限行使要請があった際には、速やかに対象として追加するものとする。
3.検査の実施通知
検査の対象となる介護サービス事業者を決定したときは、あらかじめ次に掲げる事項を文書により、当該事業者に原則として検査実施日の1月前までに通知するものとする。
なお、特別検査については、あらかじめ通知したのでは実効性のある実態把握ができないと認められる場合は、特別検査開始時に通知する。
(1)検査の根拠規定
(2)検査の日時及び場所
(3)検査担当者
(4)出席者(役職名等で可)
(5)準備すべき書類等
第4 検査後の措置
1.検査結果の通知
検査の結果、以下の行政上の措置をとる場合は、介護サービス事業者に対し、文書で通知するものとする。
(1)勧告
厚生労働省令で定める基準に従って適正な業務管理体制を整備していないと認めるときは、介護サービス事業者に対し、期限を定めて、その是正を勧告することができるほか、当該期限内にこれに従わなかったときは、その旨を公表することができる。
(2)命令
勧告を受けた介護サービス事業者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、期限を定めて、その措置をとるべきことを命ずることができるほか、命令をした場合には、その旨を公示しなければならない。
この場合、行政手続法(平成5年法律第88号)第13条第1項各号の規定に基づき聴聞又は弁明の機会を付与しなければならない。
ただし、同条第2項各号のいずれかに該当するときは、これらの規定は適用しない。
(3)その他
(1)及び(2)の行政上の措置に係る対応については、期限(対応に要する時間を考慮し、適宜設定)を付して報告を求めるものとする。なお、勧告するまでに至らないが改善を要すると認めた事項についても、同様に改善報告を求めるものとする。
2.関係機関への通知
(1)介護サービス事業者が上記1(2)の命令に違反したときは、厚生労働大臣又は都道府県知事は当該事業者が運営する指定事業所等の指定等権者である都道府県知事及び市町村長に当該違反の内容を文書で通知するものとする。
(2)指定等権者の求めに応じて厚生労働大臣又は都道府県知事が特別検査を実施した場合の結果は、求めのあった指定等権者に文書で通知するものとする。
なお、指定事業所等の指定等取消が行われた不正事案への介護サービス事業者の組織的関与の有無を検証した場合は、その結果を当該事業者が運営する他の指定事業所等の指定等権者である都道府県知事及び市町村長に対して文書で通知するものとする。
第5 検査にあたっての留意点
検査は、以下の基本原則に則し、的確かつ効果的に実施するものとする。
1.介護サービス利用者、国民視点の原則
介護保険制度は、40歳以上の国民から集めた保険料と公費から成り立っている公的な性格がきわめて強い制度であるため、検査の実施に当たっては、利用者の保護と介護保険事業の健全かつ適正な運営のため、介護サービス利用者及び国民の立場に立ち、介護サービス事業者の業務管理体制の実態を検証しなければならない。
2.補強性の原則
検査は、介護サービス事業者自身の内部管理を前提としている。適切な業務管理体制を整備しているかどうかの説明責任はあくまで介護サービス事業者自身にあり、監督権者は、これを検証する立場にある。
他方、検査の実施に当たっては、それが、介護サービス事業者の業務管理体制の強化につながり、介護サービス事業者自身の改善に向けた取組みを促進するよう配慮しなければならない。この観点から、検査では、事実を的確に把握し、客観的に問題点を示したうえで、介護サービス事業者の主張を十分に聴取し、その理解や認識を確認するプロセスを重視する。
3.効率性の原則
検査は、介護サービス事業者の内部監査機能の活用や指定等権者と十分な連携を行いつつ、効率的に実施する必要がある。
検査の実施に当たっては、内部監査、監査役等の監査機能の有効性を的確に評価し、可能な限りその活用に努めなければならない。
また、介護サービス事業者の規模・法人種別等に応じ機動的な実施に努めなければならない。
4.実効性の原則
検査は、介護サービス事業者の介護保険業務の健全性及び適正性の確保につながるように実施する必要がある。
検査の実施に当たっては、介護サービス事業者が抱える問題点を的確に把握しなければならない。
5.プロセス・チェック(注)の原則
検査の実施に当たっては、介護サービス事業者の業務管理体制に関して、そのプロセス・チェックに重点を置いて検証を行わなければならない。ただし、業務管理体制に重大な懸念がある場合には、プロセス・チェックの観点からも指定事業所等の個別事案の検証が重要であることに留意する必要がある。
(注)プロセス・チェックとは、①方針の策定、②内部規程・組織体制の整備、③評価・改善活動の一連の過程が適切に行われ、これが有効に機能しているかを確認することをいう。
第6 その他
都道府県又は市町村は、法第197条第2項の規定に基づき、検査の状況について、別に定めるところにより、厚生労働省老健局総務課介護保険指導室に報告する。